12月の小金井市議会定例会には、グリーン庁舎の実現を求める陳情書が提出され、12月14日に特別委員会で「継続審査」という扱いになっています。次回の特別委員会は1月21日ですね。どういう議論になるのか、注目です。
そこで、陳情関係者からお声がけがあって、1月11日(金)に意見交換会が催されたので私も参加してきました(私は特別委員会委員ではありませんが、最終的に議会全員で採決に付す訳ですし、関心がありましたので…)。
「環境に優しい庁舎をつくる」ということは小金井市の新庁舎建設基本計画にも書かれてあるのですが、具体的に「何を」「どこまで」という指標も具体的にはされていません。そこで、今回の陳情書では環境配慮の庁舎として、以下の具体的な項目を明確にすることが求められています。
要するに、具体案をもう少し示して欲しいということと、エネルギー消費量を抑え調達電力を100%再生可能エネルギーにすることなど、提案ですね。
総論的にはこの内容になかなか反対する議員はいないと思いますが、個別の内容には少し調査が必要なようです。特に12月14日の特別委員会で最も議論になったのは、陳情項目の3番目「CASBEE(総合環境性能評価)」で最高のSランクを取得することについてでした。
国交省の「官庁施設の環境保全性基準」(平成29年改訂版)には、公共施設における環境保全性の基準が示されており、この水準を満たしていることを検証する必要があることが書かれてあります。
(引用)http://www.mlit.go.jp/common/001157885.pdf
このCASBEEの水準としては建築物の環境効率(BEE値)が1.5以上とされ、これをランクで表すと「Aランク」であり、陳情書で求められている「Sランク」を得ようとした場合にはこの(BEE値)は3.0が必要といわれています。
これは改めて特別委員会の議論をYOUTUBEで聴き直したのですが、担当課の答弁としてもでており、この状況は把握されていることはわかりました。
12月14日の庁舎&福祉会館特別委員会では、
「Sランクを目指すというのは、それに対応する環境性能を要する施設とすることであり、そのためには多大なコストを要することは容易に想定されることであり、コスト等勘案しながら、環境性能については設計の中で調整していきたい。」(要約)
という市の考え方が担当課から答弁されており、仕様書の中には明記しない方針であることが明確にされています。
担当課の答弁を整理すると…CASBEEのSランクを取得することに関する見解を持っていない→(小金井市としてCASBEEについての具体的な方針を持っている訳ではない)→設計者を募集する際に公開する特記仕様書には具体的に記載しない、ということになります。
<その他、コストとスケジュールに関する答弁>
・「コストは大幅に上回ることが想定されるが、具体的にコストがどれだけ増えるか調査してないのでわからない」
・「スケジュールに関しては(Sを目指すとした前提で)設計を進めてみないとわからない」
…まぁ、確かにスケジュールとコストはこれまで最も議論してきたことで、これ以上お金をかける訳にも遅らせる訳にもいかないのですが…。
※この意見交換会には娘を同伴…何とか1時間半、静かに過ごしてくれました。こういう点も成長がみられますね…。
しかし、重要な視点を。「小金井市の温室効果ガス」は削減どころか、大幅に増えているという事実があります。
公共施設における温室効果ガスの削減目標を掲げている「地球温暖化対策地域計画(2009年度策定)」の効果むなしく、基準年度2006年度比で、2014年度は15.6%増、2015年度14.9%増、2016年度19.4%増。
そして2017年度はなんと36.7%増だということなんですね。
【参考】坂井えつ子議員の一般質問・blogより
https://blog.goo.ne.jp/sakaietsuko-koganeishi/e/042ed6864bca93400c38201c3cae3cc0
「Sは付加価値をつけるということ。企業が製造工場を建てる際に企業姿勢として環境性能への配慮をアピールすることや、商業施設やマンションを展開する際に、商品価値としての性能評価につながるもの」、「Aはサスティナブル建築物(持続可能な建築物)という評価に値するので、Aをめざしていくということで足りる」というような担当課の答弁もありました。
要するに
Aでええじゃないか。
ということなんですね。
今回の意見交換会では「コストとスケジュールは、予算の範囲内でやってもらえばいいだけの話。技術的なことは受託者がその条件の範囲内で工夫すれば良いこと。だから、本来なら特記仕様書に記載さえすればよかったのだが…」という建築の専門家からの話もありました。
…しかし、この意見交換会を開催したその日にまさに設計業者募集が告知されています。
このプロポーザルの実施スケジュールは以下の通りになっています。
さて、本当にAでええのでしょうか?
コストの話をしてますが、イニシャルコストだけではなく、ランニングコストを検討する必要があります。当初のイニシャルが時間をかけてペイできて最高水準の環境性能を持っている庁舎になることのほうがベターな判断かもしれません。この辺り、もう少し調査したいと思います。
しかし、議会も不勉強だったと思います。配置案などにフォーカスし過ぎで、その他の重要な視点に目がいかなかったともいえるんですよね…。これは我々も反省すべきでしょうね…。
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▼イベント情報▼
・「議会カフェ vol.53 ーいま、小金井どうなってんの?」
<日時>1月14日(月祝・成人の日)15:30〜17:30
・「議会ナイト vol.54 ーいま、小金井どうなってんの?」
<日時>1月22日(火)19:30〜21:30
※いずれも同内容です。ご都合のよいほうにご参加ください。
<場所>こがおも秘密基地(東小金井の白井亨事務所)
◯議会カフェ(1/14)・議会ナイト(1/22)開催。ここでうまれた提案・政策も数多くあります
・シライトオル株主総会2019〜マニフェスト・チェック
<日時>1月26日(土)19:00〜21:00(18:45開場)
<場所>小金井宮地楽器ホール 1F スペースN
・入退場自由!
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