【一般質問報告③】小金井市の交通事故データ分析とこれからの自転車マナー改善の提案 | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

6月7日の一般質問の大きな3問目についての報告です。

 

 

 

以前より複数の市民から苦情とともに「何とかして欲しい」と要望をいただくものの一つとして、「自転車運転のマナーが悪すぎる」という件があります。ある高齢の方からは「スマートフォンを見ながら運転している若い人の自転車と衝突しそうになった」という話を聴きました。

 

 

また、これは少し前の話ですが、ある市民からメールを頂戴しました。その方自身が自転車事故に遭い、それ以来外出するのが「怖い」とおっしゃっています。自転車マナーのひどさに辟易しており、改善して欲しい、と訴えています。

 

 

さらに別の方ですが、自転車の信号無視に何度も遭遇しており、車を運転する立場からも縦横無尽な自転車運転のマナーの悪さに憤りを感じている、という声も寄せられています。他にも、これに関して一般質問することを告知したところ「自転車の一時停止無視、信号無視が最も怖い」という声が重ねて寄せられています。マナー改善のためにできることはまだあるのか?そういう問題提起です。

 

 

 

◯小金井市の交通事故の状況をどう捉える!?

 

まずは全体像の把握です。市内全交通事故数は昨年を除き年々減少傾向であることがわかります。しかし、自転車関与の事故件数はこれも昨年を除き年々減少傾向ではあるものの、「自転車関与率」がH29年最新のデータでは44.1%となり、割合として増加傾向にあります。ちなみに、H29年の東京都全体の自転車関与率は33.4%ですね。

 

 

この「自転車関与率」は多摩地域でどういう水準か?と質問したところ「比較的高い」という答えがかえってきました。実は私も調べたところ一覧できるデータが存在せず、今後のさらなる調査が必要そうです。ただ、東京都平均と比較しても明らかに高いので、

 

小金井市は自転車関与の事故の割合が相対的に高い

 

というのは間違いない事実だと推測できます。

 

 

ただ、上記の資料をみてもわかるように、そもそも小金井市は1,000人あたりの事故発生率は1.6件であり、多摩26市では狛江市、府中市に次いで3番目に低い、ということがわかります。

 

相対的に小金井市は交通事故件数は少ない

 

ともいえます。

 

 

 

 

そういうことも踏まえ、この自転車関与率が多摩地域でも高いという課題があることから、市として自転車事故の対策を強化する根拠があるわけです。

 

 

ご存知の方も多いと思いますが、今年2月15日に神奈川県川崎市で痛ましい事故が起こりました。スマートフォンを持ちながら電動アシスト自転車を運転し、歩行者に衝突して死亡させたというものです。

 

報道によると、

 

大学生は当時、左手にスマホ、右手に飲み物を持ちながらハンドルを支え、左耳にイヤホンをしていた。直前まで操作していたスマホをポケットにしまおうと、下を向いた際に衝突した。大学生は容疑を認め、「衝突するまで気がつかなかった」と話しているという。前方不注意と両手に物を持ってブレーキをかけられない状態だった

 (引用)https://mainichi.jp/articles/20180215/k00/00e/040/334000c

 

ということです。

 

 

Q.いわゆる「ながらスマホ」自転車運転について、市に寄せられている苦情件数や警察などで把握している実態がわかるデータなどはあるのでしょうか?

 

→この質問に対しては、把握していない(データなど持ち合わせていない)という主旨の答弁でしたが、なかなか現状把握としては難しいです。ただ、私自身もそうですし多くの方が街なかでこのような光景を見ておられると思います。

 

いずれにせよ、誰もが加害者もしくは被害者にもなり得るのが、特に免許もなく気軽に日常から使っている自転車というものです。

 

全てマナーに通ずることだと認識しておりますが、市としての取組は充分なのでしょうか。確かに、警察や学校との連携をはじめ通学路の安全点検、カーブミラーの設置、自転車走行空間(これはまだ不十分ですが)、安全意識の啓発など実施しています。最近はスケアード・ストレイトというスタントマンによる自転車安全教育を実施しています。私も昨年小金井公園で拝見しました。

 

 

しかし、まだまだ、マナー啓発のためにできることはあるのではないかと。

 

 

例えば、都内の自転車事故の分析によれば、事故が多い年代は20−40代。そして65歳以上の高齢者、に分布されます。H28年データでは20−40代で5割を超える。

 

 

あくまで一つの事例ですが、京都市は京都女子大学の生活デザイン研究所の力を借りて、自転車啓発の電柱幕のデザインをした、という取組があります。若者当事者が取り組む意義、そして大学の研究所がもつ専門性を活かし、今までの全世代対象とはまた一味違う取組です。

 

こういうことを参考にして、例えば、20−40代をターゲットとしてフォーカスした啓発の取組を進めてはどうでしょうか。この年代のみを抽出したアンケートを取ることや、同年代の若者を自転車マナー啓発大使に任命して活動してもらうとか、市が協定を結んだ大学学生による調査や啓発の取組を考えてもらうとか…色々できることはあるのではないでしょうか。

 

これまでの交通対策は子どもを除けば全世代を対象とした取組が多かったのではないかと思います。

 

 

Q.若者にターゲットを絞った啓発の取組を検討してみませんか?

 

→これに対しては、「検討します」という答えでした。今までやってきたことではもう啓発の頭打ちであると考えています。若者の例を出しましたが、データをもう少し分析して、根拠をもとに対策をすれば、より効果的な取組みになるはずです。今後の取組みに期待したいところです。

 

 

そして、もう一つの提案です。「自転車保険加入の義務化」ですね。近年では自転車事故による高額な損害賠償の事例も出ています。

 

 

 

自転車事故は「誰でも、加害者にも被害者にもなり得る」ものです。東京都は条例で努力義務が課されていますが、現状、関西を中心とした府県を中心に10自治体ほど義務化が進んでいます。確か今年7月から相模原市も義務化が施行します。いずれにせよ政令市なので大きな自治体からという状況ですが、市も「小金井市交通安全計画」で保険加入の推進についても具体的に記載されてますよね。

 

それもあり、さらなるマナー向上および制度の周知の効果も狙って、「自転車保険加入の義務化」へ取り組んではどうかという提案に関しては、これからという感じでした。

 

小金井市はコンパクトなため歩いて、もしくは自転車で回遊できるまちです。そして環境配慮の意識も高いまちです。交通事故発生率は低く、多摩地域でNO.3に安全なまちなのです。これ、目指そうと思えば「NO.1」も実現できる範囲だと認識しています。

 

 

根拠のない「日本一」よりも、

根拠のある「多摩NO.1」を。

 

 

安全安心に自転車を使った生活が楽しめるまちになるよう、ハード面の整備も必要ですが、ソフト面で先進市となるよう、取り組んでいただきたいものです。

 

 

 

 

 

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