保育園は誰のもの?公立保育園運営協議会を傍聴して。ビジョンなき市の民営化方針とは | もっと小金井市を、おもしろく。~白井亨(小金井市議会議員)blog

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第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。小金井市を持続可能なおもしろいまちにするため、2013年市議会議員初当選。2015年12月市長選挙に出馬も惜敗。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。


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さて、新木場での早稲田駅伝は最終ランナーがゴールするのを見届けることができないまま、小金井へ戻りました。第二庁舎へ。15分ほど遅れて公立保育園運営協議会の傍聴に到着しました。会場には30名程の傍聴者がいましたが、ある公立園でこの会議の傍聴ツアーを企画していたようです。こういう取組みっていいですね。

 

 

 

今回は市から公立保育園民営化の基本計画案が提出されていますが、まずは<職員の配置状況><職員アンケート結果><全世帯アンケート調査に基づく考察>という議題に対して幾つか質疑が重ねられていました。

 

 

◯欠員の補充、募集しても埋まらず

欠員が出ている件、まだ埋まっていません。毎回繰り返されているが、採用をかけても集まらないことに関して、人事側で面接現場で何を見て応募したかはヒアリングしているという報告はされていました。ただ、担当課はその話を聴いているというのですが、公式に定量化された形では共有されていないようです。

 

こういう仕事の仕方にも大きな課題があるんじゃないかと思います。現場は一生懸命やっているつもりでも、効果検証できる定量的な形でドキュメント化・データ化されないために定性的な担当の感想のみで物事の改善を議論しても成果があがるとは思えません。この点の改善も委員(父母)から要求が入っていました。

 

 

◯高かった利用者の満足度が低下、その要因は保育士体制

本日のメイン議題が民営化に関する資料についてですので、残念ながらこのアンケート調査に基づく考察は簡単に説明(父母側がまとめたもの)されたのみで、色々とここから読み取れるものはあるものの、議論は行われませんでした。

 

 

ただ一つだけ明らかな問題として捉えるべきは「現在の公立保育園に対する満足度」が極端に低下しているという事実です。

 

図を見てもわかるように、全体評価はこれまで「満足度」は高かったのですが、平成29年度は明らかに満足度が低くなっています。他の質問項目などから考察する限り、今年度不満足の割合が高かった理由は、保育内容を含む園児の対応が原因ではなく、欠員を含む保育士体制が原因ではないかと考察されていました。以前もこのようなことがデータをもって示されていましたね。

 

 

 

◯ビジョンなき財政論優先の市の民営化方針

 

さて、今回市からはじめて提出された「公立保育園民営化の基本計画案」です。はじめに、この資料を提出した経緯について確認がありました。要するに、この運営協議会の場で説明をしたから「既に父母と協議をはじめている/説明をした」というアリバイに使われることがないということと、そもそもこの資料の提出は「民営化の協議に入っていくかを判断する材料」として提出されたものということです。「公立保育園民営化の基本計画案」は全27Pのものですが、そのポイントを抽出した「公立保育園民営化に関する説明資料」(全5P)を元に説明→質疑・意見&要望が行われました。

 

 

(解説)※抜粋

『民営化の最大の理由は、保育の課題解決の方策と考えている。待機児童という保育の量、保育の質、保育ニーズの多様化(病児、病後児、障害児保育など)が増えているコト、公立保育園の課題、の4つ』

 

 

 

(解説)※抜粋

『市としての課題は「財源」。市の予算の中で保育園に係る経費は右肩上がり。H29年ー30年もさらなる経費が必要となっているというのも大きな課題である。民間を活かしたサービスの拡充をはかることと、今の公立保育園としてより強化して行っていくということ。』

 

 

 

 

(解説)※抜粋

『デメリットとしては、法人が民営化することで市役所でなくなる=職員が変わる。不安がないように対応をしていくために仕組みづくり・方策が必要。事業者撤退の危惧もあるが、より良い事業者を選ぶことを考えている。ガイドラインを策定する。守ってもらえる事業者を選定する仕組みをつくる。事業者を選ぶ。その後も引き継ぎを設けて三者で話し合う。チェックしていく。』

 

※あくまで白井がその場で聞き取ったメモをまとめたものです。

 

 

 

◯委員からは、様々な疑問や意見、要望が

 

委員) 

『資料に書かれてあるのは「お金がないから民営化するね。大丈夫!ちゃんとした事業者を選べばいいんだから」ということではないか。市が保育についてどういうものを目指しているのかビジョンを出して欲しいと言ってきた。それを達成するために運営主体がどうあるべきか?というロジックでないところが残念。』

 

委員)

『平たくいえば、「多様なニーズに対応するため」に民営化して、それぞれのニーズを果たしていきたいです、ということ? 』

市担当)

『民間でも保育園を運営できているという状態が存在する。公立保育園という必要性を理解した中で、民間園の任せられる部分は任せてしまって、自由に使えるお金を増やす。』

 

委員)

『メリットのところに「保育の質」についての記載がない。』

市担当)

『保育の質を「維持」していくことは当然、前提として考えている。ただしメリットのところに入れてしまうと「向上」になってしまう。私たちは「維持」を考えている(キリッ!)』

私の独り言)…維持だけではなく、向上をめざそうよ…。

 

委員)

『ビジョンを示して欲しいとうことと、それを達成するために民営化が最適な手段であるという根拠を示してください、ということ。これがいつまで経っても出てこない。保育検討協議会では「財政論ありきで語るべきではない」ということが随所で言われてきた。施設の建て替えも民営である場合の補助も永遠に存在するとも限らない中で、それを前提にメリットとして述べるべきではない。ということを述べてきた。保育の質が最も重要。9割を超えた満足度があったので「質の維持」だったが、最新のアンケートでは不満足度が高くなっている。であれば「維持」だけではなく「向上」も目指さないといけない。これまで、なぜ満足度が高く維持できてきたかの分析を市がやっていない。それがわからない中で「維持」といっても実現できるとは思えない。…なぜ民営化が必要なのか?1年半前から何回もこれを言ってきたが未だに回答がない。』

 

その他、仮にこれを進めるとした場合の様々なタスクをどういうスケジュールでこなしていくのかというゴール設定がないと判断しようがないよね、ということなど色々な意見・要望がありました。

 

※あくまで白井がその場で聞き取ったメモ・抜粋をまとめたものです。

 

 

◯現段階で協議に入れる材料とはできない、という点で一致

各委員から意見・要望が出ましたが、先述したように本日の資料は「民営化の協議に入っていくかを判断する材料」として提出されたものです。共同代表が時間を見て取りまとめをしたところ、現段階の内容ではとても「民営化の協議に入っていくかを判断する」ことができない、ということで一致して今回の運営協議会はお開きになりました。

 

 

◯保育は誰のものか

 

それぞれの委員から出された意見はいずれもごもっともなものでした。以前から議会でも主張してきた「保育の質」を最優先にしながら、小金井市の保育を運営主体を超えてどのようにより良く形づくっていくのか。そのビジョンがあって、それを実現するための施策として運営主体をどうするかという議論があるべきではないでしょうか。

 

【関連記事】

いま、小金井市すべての保育の「質」を維持・向上させる仕組みづくりが重要〜一般質問終わりました

 

 

先日、ある方からご紹介をいただいて早速購入した本「保育は誰のもの 子どもの権利から考える」普光院亜紀(岩波ブックレット)を読み終えました(20分くらいでさっと読めるんですけど)。今、「保育」を考える際にとても需要なことが書かれてあります。子どもにとっての最善の利益を、建前ではなくそれが何を指すのかを真に向き合い、自治体として責任を持って環境整備に努めなければならないことを改めて心に刻みました。

 

 

 

民営化そのものは否定しません。ただし、ビジョンがなく財政論のみで「保育の質」が優先して語られない市のやり方には厳しく質していきます。

 

「お金がない」といいますが、市全般的に事業を見直すスキームも作らずに成果のあがらない事業をそのまま予算つけてやっている現状からすれば、財政論すら語るのはやめてもらいたいですね。

 

小金井市保育行政の最大の課題は、保育の本質を考えずに行革を進めることだけをミッションとしてこの民営化に取り組んでいる組織編成とそれを許容する市の方針ではないかと思います。

 

 

 

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