行政視察報告その④
≪秦野市 「公共施設マネジメント」≫
4つの自治体を視察する総務企画委員会の行政視察ツアーも最後になりました。
最後は、今全国的に話題の「公共施設の老朽化対策と今後の超高齢化社会を迎える為の準備としての施設再整備」についてです。神奈川県秦野市は丹沢系の山を背にした人口17万人の中規模の自治体で公共施設マネジメントについては先進的に取り組まれています。
取りくみを説明頂いたのは、この分野では有名になった秦野市政策部公共施設再配置推進課の志村様でした。
秦野市は公共施設の床面積は全国的にも少ない方で(住民一人当たりに換算して比較することが多いようです)、その点では小金井市も同様といえます。
小金井市における住民1人あたり公共施設床面積は1.5~1.6と言われています(元データの違いによって少し差があります)。ちなみに、東京都多摩26市平均は2.03(多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラムより抜粋)。小金井市では「公共施設が少ない」と言われていますが、
この数字を見る限りその通りだと言えます。
↑小金井市は多摩26市でも住民一人当たりの床面積は小さい
しかし、そんな秦野市でも長期的に今後の人口推計や自治体の在り方を考えた時に、これまでの公共施設は維持できないと判断し再配置を推進していくことを決心したようです。
この根本は「将来世代にツケを残したくない」ということであり、多方面から嫌われがちなこの取組に対して、住民合意をどうつくるかの工夫をされていることは非常に参考になりました。
データを収集するだけではなく、そのデータから読み取れることをどう「客観的事実」として伝えていくか。とどのつまり、その点が最も重要なことなのではないかと思います。
この取組を住民に伝えていく手段として、「定期的に」情報提供をすることが大切だと言っておられた点は小金井市でもすぐにできることです。私見としては、小金井市は施設白書を作成したものの、それが市民には充分伝わっていないと感じています。定期的な情報発信はしていません。
小金井市施設白書→http://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/kikakuzaiseibu/kikakuka/siryou/sisetuhakusho.html
この住民への周知に関して秦野市は、継続的にアンケートを取っている事を除けば意外にも一般的な取組しかされていなかったようです。つまり、白書の段階では出前講座を除くと直接的に市民とコミュニケーションを取る事はやっておらず、方針が出来た段階で地区ごとに説明に回り、その後パブコメという流れだったとのことです。
ただし、早い段階からマスコミにも取り上げられたこともあり、TVや新聞・雑誌などでその記事がでたことは住民にこの取組を知ってもらう最も大きな効果があったようです。小金井市がTVでこの件で取り上げられることは可能性がない為、できれば今方針を作成中であると思いますが、あえてこの段階でワークショップなどを開催し、市民への周知と公共施設の在り方の意見を聴く取組をしてはどうだろうかと思っています。
この公共施設マネジメントについては、12月の第4回定例会の一般質問でも少し取り上げようと思っております。
<初めての行政視察を終えて>
視察に関しては思うところも沢山あります。総務企画委員会では私も提案させて頂きましたがその視察先の決め方のプロセスに課題があると思っています。また、それをどう市民に情報公開して共有し市政に反映させていくのか。この辺りがうまく仕組みになっていないような気がしています。今後、議会運営委員会などでも提案していくつもりです。
視察を受け入れて頂きました自治体の皆さん、ありがとうございました。
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