日本のアマチュアボクシングが連日、ワイドショーなどの媒体で取り上げられて世間を賑わしているようです。普段、情報通を気取る元ボクシングオタクの身としてはいっちょかみしたくてもボクシングの練習に勤しんだり試合のビデオを見るオタクなので正直なところ、こうした組織内部のことについては「まあ、小耳に挟むことはあるかもしれないがしらんがな」関心が薄く疎いです。
そういうことで一般社会の出来事を基準に考えて媒体で取り上げられている報道を遠くからチラ見していた( 傍目 )感じでは日大アメフト流れからの学生運動部を叩けば注目を浴びるという時流がまず存在していて、それに味をしめた探訪員の皆さんの前に学生運動部に関する告発者が現れた(以前から抗言は存在していた)、それも対象者というのが強面の山根さんという否定的感情を揺さぶりやすい判り易い人という好条件、この時流に乗っかり叩けば正義の側で輝けるというもので、確かに問題ははらんでいるけど枝葉末節な話も多く、ワイドショーなどの媒体が得意としているいつもの勧懲ものなのかなという印象です。勧懲の目標は山根さんの首でしょうから首をとった後の組織(ガバナンス)についてメモしてみたい。
①助成金の不正流用
②審判への圧力
③反社会勢力との繋がり
④イスや弁当など優遇を受けている。
要旨は私物化が宜しくないということで①の不正流用、これはご本人も認めていて、2013年に柔道の助成金不正受給、流用が発覚し改善対応が求められたように規則に反していてボクシング連盟はJOCから第三者員会設置の要請を受けているようです。私が枝葉末節な話が多く感じるのは特に④の優遇についてなのですが、麻生さんの高級バーや安倍首相の3500円の高級カツカレーの話と一緒でルサンチマン的な要素が内包されていておかしいというならご機嫌取りの為にリストまで作り接待する方もどうなのと思っているからで、これは②の圧力もそうですが判定への介入自体は判定の信用性を損なう由々しきなものですが相手がいて成り立っていることを山根さん個人の問題としてとらえるのは難しいのではないのか、圧力(忖度という指摘もある。)をかけられたからと判定に手を加えたなら、それは審判員としての資質に欠けるということであり連盟の体質という話にならないといけないと思います。
③については憲法の観点(憲法14条など)から私は思案に暮れていて、例えばアメリカは移民に関することで州議会が移民排除に直結する法案を可決して制定したが当時のオバマ率いる連邦政府(中央政府)は、それは違憲やでと州議会(アリゾナ州など)の制定を連邦地方裁判所に提訴して差し止め命令が出ている。これは移民ということで賛否両論はあったと思うけど、これがマフィアに関する事ならアメリカでも反対する人は少ないというポリコレ的(ポリティカル・コレクトネス)な要素が含まれている事案で同情値で優先順位が決まったりするところがあり、状況次第で変化もするというのは現在の移民の境遇を見ればわかりますし、この前、日本でも政治家のLGBTは生産性がないという話があったように、いつ自らが対象になるかわからない思慮をめぐらすことが必要なもので二―メラーの「彼らが最初共産主義者を攻撃した時」の詩に通じるものがある。一方で私たちの社会生活を脅かす反社会的集団の犯罪を制圧して秩序を維持するのは国家の責任ということも一理あるのも確かだから、どこまで制限が許されるのか、場合により国は都道府県の暴力団排除条例に対して憲法14条の立場に立つ必要性があったのではないか、日本の裁判所からは住居の立ち退きは暴力団排除条例により合憲であると判決も出ていて、その判決の理屈はヤクザ組織から抜け出ることは可能で、そこで生きる必要はないということらしいのだが、そこで生きる必要はないというのはあらゆるものに当てはまるので、この判決はそこでしか生きられないということに関して無理解なのではないかと感じます。関係というのも若い時に知り合いとなり数十年来の兄弟的な親睦の仲という話もあり。その話が事実で犯罪に加担していないなら、そうしたものを制限するのは範疇を越えているのではないかということが思案に暮れる理由だから軽はずみなことは言えないので保留
「法人格を持つスポーツ団体のトップが反社会的勢力との関係性を認めた。報道によれば、男性は約10年前に引退しており、現在は関係はないという。日本ボクシング連盟が加盟する日本スポーツ協会では、16年11月に反社会的勢力との交流を禁じるガイドラインを策定している。過去の事実が規定に触れるとは言えないが、道義的な問題は残る。」 (日刊スポーツ)
こういうことから私は、裁量の方向に問題がはらんでいるということは、その通りだと思いますが、それを助長させてきたのは連盟の体質にもあり、体質とは前にも一度罪と罰に書きましたが
「為政者であろうと指導者と呼ばれようと、支配者の存在しない社会は、
あったためしがないのである。だから、それをする人を選ぶときは必ず、
その人々が権力を濫用しようにもできないような
制度を整えておくことが必要だ。」 マキャヴェリの政略論から
権力を濫用しようにもできないような制度を整えて置くことが必要なのに終身会長とあるように連盟自体がそういうものを許して望んでいるというところにある。それはこのメモに書いていますが
「日本人は制度を欧米から持ってきたが独特の価値観を持っていてイデオロギーや神よりも人間関係(村社会的な)を求め重んじるところがある」グレゴリークラークのユニークな日本人から
プロの方でも2011年プロ側の不正経理アウトレージがあったり会長選挙の紛糾はやはり派閥争いでボクシングのお笑い集合知の数人が「ボクシング界の天皇を亀田陣営が怒らせたからボクシング界では生きられない」みたいなことをSNS上で陶酔的に書いているのを何度か見かけたことがありますが、(本人さんが口にしているのを見た記憶は私はございません)ボクシング界隈が独裁(山根事案)を望んでいて親和性があるのではないのか、接待リストなど連盟自体が人治を望んでいたということがあっても不思議ではない。自浄努力でそうした体質を変えるというのは結構なのですが、今回の告発の目的は山根さん降ろしなのか、それとも日本ボクシングを再興する会が目標に掲げているような再興なのか、目標によって得られる評価(満足度)も変わってくるけど、もし目的が後者なら体質を変えたところで目標の再興は難しいのではないのか。
①国体ボクシング毎年開催の復活
②選抜大会の例年通りの開催
③東京オリンピックでのボクシング競技除外の動きを阻止できるように、運動を行っていきます。
④ 選手ファースト 選手が最高のパフォーマンスを発揮できるように最適な環境を整えることを第一に考えています。
どうしてかというと再興の会のHPを見に行くと国体が隔年開催になったことに強い憤りがあるようで、もしそれが反旗の動因となっていたとしても連盟側が出している国体の隔年開催についてと国民体育大会 実施競技選定の評価表というものに少し目を通しましたが連盟の説明は道理が通っており肝心のガバナンスについては評価上位のスポーツと大差(いいかげんな評価表だとは思う)ないことから、いくら山根さんが清廉潔白で天使のような人物でも女子の推進と競技会の開催、運営協力という#1母体の大きさ(補助金=資金力)が影響するものの向上は難しく、つまり体質を変えたところで動因の可能性である隔年開催の原因の改善は#2難しい。また、③のボクシング競技除外の動きについても「IOCから五輪除外 を示唆されているボクシング」の記事には「AIBAの#3ガフル・ラヒモフ はヘロインの売買に関わるウズベキスタンの代表的な犯罪者の一人」「不明朗運営 財政面の透明性」と統括団体のガバナンスを問題視されているとあり、山根さんの件でもこうなのに何か山根さんがかわいらしく見えてくる件を修正して除外の動きを阻止できるのでしょうか?そしてご機嫌取りの為に接待する連盟の中の人が変わって善い人になったとして、こういう方々相手に渡り合っていけるのか?疑念が生じます。東京オリンピック招致に日本の調査チームは違法性はないとしているがイギリスの新聞ザ・ガーディアンは不正があったとしていて判然とはしていないけれども熾烈なロビー活動は存在していて、表向きは綺麗ごとを言っていても結局、裏ではパワーゲームですからね。
#1
小中学校のクラブ活動や習い事が影響大で、それは長い期間のロビー活動などの活動のたまものと言えば、その通りで、同じように出来なかったことは運営能力の欠如であるということも、その通りではあるが頭部に打撃あたえるという特殊性のある競技なので同じようにできるかは?で不利な点は多い。ちなみに第1期、2期 実施競技選定基準には女性の推進はないから、第三期から導入されたのかな?
#2
私にはいい加減な評価表に見えているようにちょちょいと手を加えると改善しているように見せれることもできるのでは、でもそれって潔癖じゃないよね。
#3
ブラザーズサークルという犯罪組織とつながりがあるとしてアメリカ財務省から金融制裁を受けているが、どの国でも犯罪では逮捕されておらず犯罪組織と結びついている証拠も出ていないと、これらに対して名誉棄損の訴訟を起こしているようです。
それを考えると自助努力で体質を変えたところでボクシング自体の凋落はどうしようもない気がしますし、そもそも環境がまるで違う他競技と比べて、それが評価になること自体がおかしいと思いますけど女性の推進もどうなんでしょう。おじさんの立場からは子供たちの将来の為にというのならクラブ活動の時間を勉強に回した方が賢明だよとアドバイスしたくなる。
山根さんが辞任したとして後のガバナンスはどうなるのであろうか?今回の件の反省を生かしてまず選挙になることが考えられる、これは良いことだが広聴かつボトムアップ型の組織になった場合、イデオロギーで結びついていればうまく機能するかもしれないが人治が抜けきれずに隔年開催になった根本原因の改善も上手くいかずに毎年開催にならないと、また不満が出てきて異見は進捗を悪くするであろう。それは後退を意味する。トップダウンはどうであろうか、トップダウンは今回のように裁量の方向を間違えると独善になるデメリットがあるが権力を濫用しようにもできないような制度を整えたうえで裁量の方向を間違えない有能なトップが君臨すると繁栄する場合がある。最近では赤字でホンハイに身売りしV字回復したシャープがその例だ、以前は数億円の事業も責任の所在をはっきりしないまま行っていたものをホンハイの社長は300万以上はすべて社長自ら決算して事業に関与するというトップダウンで黒字化に成功している。
自分たちの問題を組織内で解決せずに外部、それも社会的制裁に委ねた組織が悪政としても呉越同舟をまとめていた?旗頭を失うと残るのは船頭のいない呉越同舟、優秀なトップの登場が待ち望まれるところだが、優秀なトップなら負け戦には乗りたがらないだろうと言われれば、せやなというほかない。繁栄と潔癖の為に改革をと口では簡単にいえるけど痛みに耐えて改革しても痛みで壊れてしまったら何のための改革だったとなるからモヤモヤ感は残る。
追伸
沈みかけている船から大慌てで逃げ出そうとしている理事、と分かりやすいですね。