ブルックナーを聴こう第2部
~巨匠たちのブルックナー⑥~
第6回:カール・ベーム
カール・ベームのブルックナーも定評があって、過去から名盤といわれていた録音がいくつかありました。私は、今まであまりベームのブルックナーにピンとくるものが無くて、どうかなぁ…と思っていたので、この際聴きなおしてみようと思って、このCDを取り出しました。発売当時より一貫して評価の高い録音だと思います。
【CDについて】
作曲:ブルックナー
曲名:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 第2稿ノヴァーク版 (67:37)
演奏:ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1973年11月、ウィーン Sofiensaal
CD:F00L-23067(レーベル:LONDON、原盤:DECCA、販売:ポリドール)
【曲について】
版の問題がいろいろと話題に上るブルックナーですが、この第4番も例外ではなく、数々の版があり、演奏されています。その中で現在最も一般的なのが、この第2稿ノヴァーク版となっています。第1稿を大幅に改定し、第三楽章は全く異なる音楽となりました。この第2稿についても、細かく手が加えられた結果、終楽章の異なる版が存在します。
【演奏について】
この演奏は、ブルックナーの第4番で一番最初にLPを買った録音だと思います。古典派の音楽とか一通り聴いて、ブルックナーという作曲家がいるらしいということで、こちらに進んできました。小学校の時の音楽室に、大作曲家の写真が並べられていたのですが、せいぜいブラームスくらいまでで、それ以降の作曲家の肖像が無く、ブルックナー(マーラーも)は未知の作曲家だったのですね。まぁ、一般の小学校でブルックナーというのは難しいと思います。従って、このあたりの曲は敷居がワンランクアップします。
それで、買って見た2枚組のLPですが、まぁ聴けませんでしたねぇ…。その後もいろいろレコード紹介の本を読んで、ブルックナーはベームがいいということで、さらに学生時代も第7番にトライしたのですが、結局訳が判らず、長い間ブルックナーを封印してしまいました。その後いろいろな指揮者の演奏を聴いてやっと馴染んできたのですが、そんなブルックナーアレルギーを起こしてしまったベームの演奏、久しぶりに聴いてみます。
ゆっくりしたテンポで始まり、そのまま美しく盛り上がっていきます。適度なバランスで、淀みなく流れるような、大きなうねりが、ウィーンフィルの美しい音で演奏されています。これは、先日聴いたヨッフムのように、ゴツゴツと積み上げた形ではなく、その対極にあるような、あくまでも流麗な美しい演奏なのですね。私は、批評をいろいろ読んだ結果かもしれませんが、ベームって硬派なイメージを持ってみましたが、この演奏を聴きつつ、こういうオーケストラ全体のバランスがとてもいい、流麗な音楽を作っていくのだ、というイメージになんとなく変わってきました。といっても、盛り上がっていく部分の構築感はしっかりあります。指揮者とウィーンフィルが一体となって作り上げたセッションという感じがします。確かに大変素晴らしい演奏でした。
【録音について】
この録音は素晴らしいと思います。そもそもDECCAの録音は素晴らしいのですが、このバランスのいいウィーンフィルの音は、大変レベルが高いと思いました。初期CDで聴いていますが、最新のSACDで聴くと凄いだろうなと思います。
【まとめ】
なんだか、ごちゃごちゃブルックナーとの馴初めを書きましたが、最初に拒否反応を起こした演奏に、年を経て戻ってきましたという感じです。これはベームの偉大な遺産の一つでもあり、録音芸術としても素晴らしい遺産だと思います。
購入:不明、鑑賞:2023/09/27(再聴)









