ショパン:バラード第1-4番/舟歌/幻想曲 ツィマーマン (1987) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:ショパン

曲名:バラード第1番ト短調 op23 (9:33)

   バラード第2番ヘ長調 op38 (7:43)

   バラード第3番変イ長調 op47 (7:26)

   バラード第4番ヘ短調 op52 (11:54)

   舟歌 嬰ヘ長調 op60 (8:54)

   幻想曲 へ短調 op49 (13:59)

演奏:ツィマーマン(p)

録音:1987年7月 ビーレフェルト

CD:F32G 20258(レーベル:DG、発売:ポリドール)

 

【曲について】

ショパンのバラード集は、手頃な長さにいろいろな内容が詰まっているので、私はショパンのピアノ曲の中でも最も聴く機会が多いような気がします。だいたいCDはこの4曲が続けて入っていて、他にスケルツォが入っていたり、舟歌などの単独の曲が入っていたりというパターンですが、バラードの4曲はいつも1番から順に聴いていくことになるので、いつの間にか4曲セットの組曲ように感じてきました。

 

【演奏について】

昔から、見慣れたジャケットのツィマーマンのCDですが、私は手にするのも聴くのも初めてです。どうやら、私はツィマーマンはバーンスタインとのブラームスの協奏曲第1番、第2番しか聴いたことが無いようです。それもきっとバーンスタイン目当てで聴いたのでしょうねぇ…。そういう意味では、ブーニンもほぼ聴いたことがないし、キーシンやポゴレリッチは後年になって少しだけですかね。

 

それは思うに、当時はアルゲリッチやポリーニの全盛時代で、まだまだホロヴィッツやルービンシュタインやリヒテルが身近だった時代。アラウやブレンデルもいましたし、アシュケナージもですね。CDの新譜は2800円していた時代です。買うものが限られる若年層だった頃は、廉価版の巨匠>新譜の新人という図式が明確に成り立っていたのでしょう。いくらショパンコンクールで優勝したからと言って、評価の固まっていない若手に対して、ホイホイ手を出そうという気にはならなかったのですね(笑)。という感覚が抜けないまま、この世代のピアニストをほとんど聴かないまま来てしまったようです。

 

そういえば、ブーニンは東京に住んでますし、ツィマーマンは東京に家を持っていている?ようですが、この世代の二人は、1990年代前半の東京の雰囲気に出会っているのでしょうか。当時はTOKIOは活気のある魅力的な街だったと思ったりします。ただ、これはこっちが歳をとって懐かしんでいるだけのことで、現実の東京はそれほど変わっている訳ではないですが…。と話が長くなりましたが、CDを聴いてみます。

 

バラードの第1番。美しいニュアンスをつけて、輝かしい音で演奏されています。技巧的な印象は表に出ず、情緒あふれる美しい演奏が溢れていますね。ちょっと第1番だけまず聴いてみるか…と思って聴き始めたら、思わず最後まで聴いてしまいました。曲に合わせて、それぞれの魅力が引き立つような演奏をされていると思いました。第4番も素晴らしいです。そんな感じで、とても魅了される演奏でした。まさに天上の音楽のようです。

 

【録音について】

問題ない録音とは思いますが、完璧でもないと思うので、ツィマーマンはもっと究極の録音を目指したかったのではないか?と思ったりしました。

 

【まとめ】

ツィマーマンは、最近ピアニストとしての引退宣言をされたようです。今後どうなるかというところですが、せめて残された遺産は楽しんでいきたいと思います。最近のシューベルトD960はまだ聴いていないので、是非聴いてみたいと思います。

 

購入:2023/12/08、鑑賞:2024/02/14

 

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