ブラームス:交響曲第1番 ミュンシュ指揮 パリ管弦楽団 (1968) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

ブラームスの交響曲 ①
前回までに、ブルックナー交響曲を順番に聴いていったので、今回はブラームスにしました。ちょっと、コメント欄で背中を押されたこともあります(笑)。ブルックナーほど集中して聴いたことがないので、聴いてみるCDは普通の選択になると思います。というか、名盤と言われるCDを4枚、改めて聴いてみたいと思います。

【CDについて】
作曲:ブラームス

曲名:交響曲第1番ハ短調 op68 (47:42)

演奏:ミュンシュ指揮 パリ管弦楽団
録音:1968年1月8,12日
CD:TOCE-3037(レーベル:EMI、販売:東芝EMI)

 

【曲について】

ブラームスは、ベートーヴェンの交響曲を意識するあまり、交響曲の作曲には極めて慎重でした。この交響曲は特に推敲が重ねられ、着想から完成までに21年という歳月を要したと言われています。完成した1876年。ブルックナーは交響曲第4番の第1稿を既に書き上げている時代ですね。ベートーヴェンの交響曲を受け継いだ名作として聴衆に受け入れられますが、まさに第四楽章は、ベートーヴェンの第9番を思わせるものとなっています。

 

【演奏について】

この録音は、かつて名曲名盤企画では、トップを走り続けていた往年の名盤ということになります。いかにもドイツ的なこの曲に、なぜフランスのオーケストラが?というのが不思議な所ではあります。私はその往年の時代にはこの演奏は聴いてはいなかったのですが、ある時期、やはり名演を聴いてみようという事で買ったのだと思います。改めて聴いてみたいと思います。

 

特徴的な、重い出だしで始まるこの曲、この演奏は本当にずっしり重々しく始まります。ティンパニーの音がズシンズシンと特徴的だと思いました。テンポも全体的にゆったりしていて、溜めて溜めて…という雰囲気でしょうか。鋭い切れのいい演奏とは対照的な、図体の大きく見える演奏ですね。輪郭をあまりはっきりさせず、全体的に大きく見せているという感じなのかもしれません。オーケストラが重厚長大であった時代の雰囲気と、再起したパリ管がミュンシュを迎えた熱気がどんどん伝わってくる演奏です。

 

第二楽章、第三楽章は比較的穏やかなメロディの流れる部分ですが、このあたりはなかなか美しい表情で進んでいきます。透明感というよりは、ゆったりと流れるような美しさ。そして、第四楽章。ここも第一楽章と同じで、ゆったりと引っぱって行く感じです。そこまで?というくらい、じっくり溜めて行っていますね。そして、ベートーヴェンの第9のように、歓喜のコーダに向けて駆け上って行きました。当時の真っ向勝負な巨大なオーケストラの表現を楽しめる演奏だと思いました。ティンパニーの迫力が印象に残りました。

 

【録音について】

古い録音ではありますが、奥行きのある録音で、オーケストラ全体の音がよく捉えられていると思いました。

 

【まとめ】

長年名盤と言われてきた演奏でした。熱気と迫力を感じる演奏。今やコンパクトに、切れ味鋭い演奏が多い中で、古き良き時代のオーケストラの迫力を感じることができました。

 

購入:不明、鑑賞:2023/08/23(再聴)