フランク・ドビュッシー・フォーレ ヴァイオリン・ソナタ:ティボー/コルトー (1927/9) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

曲名:①フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調 (26:42)

   ②ドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタ (11:27)

   ③ドビュッシー/ミンストレル(前奏曲集第1巻より)Hartmann編 (2:03)

   ④フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op13 (21:44)

   ⑤フォーレ/子守歌(組曲「ドリー」より)op56-1 (2:28)

演奏:ティボー(vn)、コルトー(p)①-④、ヤノポーロ(p)⑤

録音:1929年5月28日 パリ Salle Chopin①

   1929年4月7日 ロンドン Small Queen's Hall②③

   1927年4月23日 ロンドン Kingsway Hall④

   1944年5月29日 パリ Studio Pelouze⑤

CD:CDH 7 63032 2(レーベル:EMI、販売:EMI Records)

 

【曲に関して】

フランス・ベルギーの3曲のヴァイオリン・ソナタ集。これらの曲はいろいろな組み合わせでCDになっていますが、これも代表的な組み合わせだと思います。フランクのヴァイオリン・ソナタは、フランクの作品の中で最もよく演奏される作品の一つ。イザイの結婚祝いとして作曲され献呈されました。数あるヴァイオリン・ソナタの中でも大傑作のひとつです。

 

【演奏についての感想】

百年の時を越えて、未だに聴かれ続けているティボー=コルトーの歴史的名盤。1929年の録音です。心配した音も、1989年のデジタルリマスタリングですが問題なく聴くことができます。今ではもっと最新のリマスタリングが出ていると思います。さて、一曲目はフランクのヴァイオリン・ソナタ。このがっちりした構成感と哀愁のメロディに包まれた曲は、私の最も好きなヴァイオリン・ソナタの一つなのですが、もうこれは、冒頭から素晴らしいですね。ティボーのヴァイオリンはどちらかというと、ぺなっとして連綿と美音が流れていくという感じに思いましたが、この曲とあまりに合いすぎて、背筋がゾクゾクしました。

 

コルトーのピアノも、なんというか名人芸を感じるというか、日本には演歌、フランスにはシャンソンなんて言葉が出てきそうな感じで、フランクのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリンとピアノが渡り合う場面が多いだけに、芸術のぶつかり合いが繰り広げられているようで、壮観なのでした。ドビュッシーは、私はこの3曲の中では、あまり聴かない方に入るのですが、こちらはピアノがドビュッシーらしい雰囲気の曲ですね。コルトーのピアノの雰囲気がとてもいいです。

 

小品を一曲置いて、最後はフォーレ。この曲も大好きですが、こちらはフランクのような強烈なインパクトまでは感じませんでしたが、それはきっと陰影の強い曲と流れていくような曲の違いとか、ヴァイオリンとピアノの曲の中での関係性とかなんとか、この二人の組み合わせと、曲想のマッチングの差ではないかと思います。これだけ1927年なので、録音の差もあるのかもしれません。最後は1944年のドリーの子守歌。これだけスクラッチノイズが大きく目立ちました。

 

【録音について】

周期的な雑音などもありますので、板起しの音源だと思います。1929年という年代なのですが、ストレスなく明瞭に聴くことができます。1927年のフォーレの方は、少々音がきつい感じがしました。

 

【まとめ】

かなり昔に買ったCDだと思いますが、聴くのは初めてだと思います。しかし、100年聴き続けられている演奏という事で、その内容の充実ぶりは素晴らしい演奏でした。ここまで来ると、永遠に語り継がれるという世界に入っていますね。

 

購入:不明、鑑賞:2023/08/01