My Story Ⅳ

~セラピスト編~

 

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この頃、世間ではコロナが騒がれ始める。
仕事の方は淡々とこなしていたが
音楽は完全にストップしてしまっていた。


音楽再開のために、

どうしたら良いのかをひたすら話し合う日々。
そんな中、楽団のプロデューサーと

指揮者の意見が食い違い
対立し始める。


その対立を治めるために奔走するも
努力虚しく、ある日突然プロデューサーが

楽団を辞めると言い出す。
あとはよろしく、と丸投げして去っていった

プロデューサー。



その時、私の中で「プツリ」

と何かが切れる音が聞こえたような気がした。



あ、私もうダメだ。

もうこれ以上頑張れない、頑張りたくない。
今までこの楽団に尽くしてきたことは

なんだったのか。


今まで自分を犠牲にして楽団に捧げてきた。
でもそれは、だいぶ無理をしていて
心の声にフタをしてしまっていたのだ。
もう純粋に「音楽」を楽しめなくなっていた。


このままだと

音楽が嫌いになってしまいそうな気がして



「私も辞めます」



と、10年続けた楽団と距離を置くことにした。


それと同時に、システムエンジニアも辞めて、
リラクゼーション業界に転職することを決意。


そんなにもガラッとキャリアチェンジを

決意した理由は、


「周りの人の身体の辛さ、
心の疲れを開放してあげられるようになりたい」



と思ったから。


システムエンジニア時代、
心が病んで退職してしまう人が多く

(自分もそう)
退職までいかなくても、

かなりボロボロになりながら
働いている人が多かった。



そんな人たちを間近で見てきて、
この人たちを救ってあげたいと思ったから。


これまで自分がデスクワークをしてきて
肩こりやストレートネックなど

身体の辛さを感じていた。

 


首こりを放置した結果

「ぎっくり首」になって

丸1日ベッドから起き上がれないこともあった。

 


そんなことがキッカケで

マッサージに通うようになり
マッサージに行くたびに癒されて

心まで軽くなることに感動して
 


私も周りの人を癒してあげたい!

笑顔にしてあげたい!
と思ったから。



リラクゼーション業界に

転職することを決めてから
マッサージについて色々と調べた。



もともと手湿疹がひどかったため
できれば手を使わないでできる方法が

良いなぁと思っていた矢先、
何やら「足だけを使ってやる」

マッサージがあるということを知った。

 


『これだ』


 

ひとまず受けてみよう!

とその日のうちに予約を入れ

足ふみ整体を体験してみることに。

 


実際に施術を受けてみると

足でやっているとは思えないほど

繊細で柔らかい、

でもずっしり深くまで入り込んでくる圧に

心地よさを感じた。



この気持ちよさに感動した私は
この技術を身につけたい!

とお店に転職。
そして2ヶ月で資格を取得し、

お客様デビュー。



スクールの先生からもお客様からも

「センスが良い」と褒められ
だんだんと施術に自信をつけていく。


家族にも施術をしてあげたりして
この身ひとつで人を癒せることに

とても感動した。



システムエンジニア時代よりも

給料は半分近くにまで減ったけど



人の笑顔をこんなに近くで見れて、

ありがとうと言われる。
改めてこの仕事はすごいな、と感じていた。



一方で

お店での勤務を続けていくうちに
段々と会社の体質や考え方に

疑問を抱くように。


ずっとここで働きたいとは思わない。


どうせやるなら、

将来は自分のお店を持ちたいな
とぼんやり考えていた私は



1年という区切りでお店を退職し
自分で【レンタルサロン開業】

という形でやっていこうと決意したのだった。


 

    

次へ続く