地球観測の舞台を広げるベガと宇宙輸送のつながり|鳥海雅仁



私たちが毎日暮らしている地球を詳しく調べるために、あえて遠く離れた宇宙から観測する。少し不思議にも聞こえますが、現在では人工衛星による地球観測がさまざまな分野で活用されています。そして、そうした衛星を宇宙へ送り出す役割を担う存在の一つがベガです。地球観測衛星は上空から地表や海洋、大気などの情報を取得します。広い地域を継続的に調べられることは、宇宙から観測する大きな利点です。森林や氷、農地、海など、地上だけでは全体像を捉えにくい対象も、人工衛星から見ることで別の情報が得られます。

 

ただし、優れた観測装置を搭載した衛星を完成させても、それだけでは仕事を始められません。必要な場所まで運ぶ打ち上げ手段があって、初めて宇宙での運用へ進めます。ここにベガのようなロケットが登場する意味があります。ロケットの役割は、衛星を地球の外へ放り出すことではありません。目的に応じて設定された軌道へ届けることが重要です。地球観測では、同じ地域を一定の条件で繰り返し観測するなど、ミッションごとに軌道が考えられています。そのため、衛星と打ち上げ機は別々の存在に見えて、実際には一つの宇宙ミッションを成立させる重要な組み合わせです。

 

ベガの歴史を追っていくと、科学や観測に関係するさまざまな衛星を運んできたことが分かります。ロケットというとエンジンや速度に関心が集まりがちですが、「宇宙へ何を運び、その先で何をするのか」という視点を持つと楽しみ方が広がります。ベガの打ち上げを知ることは、地球観測をはじめとした人工衛星の仕事を知る入口にもなります。空へ消えていくロケットの先には、地球を見つめ続ける衛星の活動が待っているのです。

固体燃料が支えるベガの飛行にはどんな特徴がある?


鳥海雅仁です。ベガというロケットを少し技術的な視点から眺めるなら、注目したい言葉の一つが固体燃料です。ロケットの推進方式にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。ベガの構成では固体ロケットモーターが重要な役割を担っており、打ち上げ直後から機体を力強く加速させます。そもそも地上から宇宙へ向かうには、機体を高く上げるだけでは足りません。人工衛星を軌道へ投入するためには、地球の重力と向き合いながら非常に大きな速度を得る必要があります。

 

そのため、ロケットは複数の段を順番に使い、不要になった部分を切り離しながら飛行を続けます。この多段式という仕組みを知ってからベガの打ち上げを見ると、映像の印象も変わってくるでしょう。ひとつの機体がそのまま宇宙まで飛んでいるように見えても、実際には飛行の段階に応じて役割を終えた部分を分離し、残った機体を加速させています。固体燃料を使用する段には、構造や運用上の特徴があります。一方で、宇宙輸送では推進力だけではなく、軌道投入の精度や搭載できる質量、運用条件なども考えなければなりません。つまり「強いエンジンなら優れたロケット」という単純な世界ではないのです。どのような衛星を、どの軌道へ、どの条件で送りたいのか。その目的から逆算して機体の能力が生かされます。

 

ベガを調べていると、普段は専門的に感じられる推進や段分離といった仕組みが、少し身近に感じられるかもしれません。打ち上げの数分間には、長い開発期間で積み重ねられた技術が凝縮されています。次にベガの映像を見る機会があれば、上昇する姿だけでなく、各段がどのような仕事をしているのかにも注目すると面白いでしょう。

鳥海雅仁|ベガで知る小型衛星打ち上げの世界とロケットの役割



宇宙開発という言葉を聞くと、巨大なロケットが轟音とともに飛び立つ光景を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、宇宙への輸送手段は大きければよいというものではありません。運びたいものの大きさや質量、目的とする軌道によって、適した機体は変わります。そこで注目したいのが、欧州で開発されたベガです。ベガは比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶことを得意としてきたロケットで、地球観測や科学研究など、さまざまなミッションに利用されてきました。

 

人工衛星には通信や気象観測、地球環境の調査、技術実証など多様な役割があります。それぞれ目的が違うため、必要となる軌道も同じではありません。打ち上げでは、単純に宇宙空間へ到達するだけでなく、衛星を狙った軌道へ正確に送り届けることが重要になります。ベガの特徴を知ると、ロケットが単なる巨大な飛行物体ではなく、宇宙まで荷物を届ける高度な輸送システムであることが見えてきます。また、小型衛星の利用が広がるにつれて、それに適した打ち上げ手段の存在も重要になっています。

 

大型衛星を一機だけ運ぶ場合と、複数の小型衛星を搭載する場合では、求められる運用方法も異なるからです。ベガを入り口に宇宙輸送を眺めてみると、衛星を開発する技術だけでなく、それをどのように目的地まで運ぶのかという分野にも多くの工夫があると分かります。華やかな打ち上げ映像の裏側には、軌道、機体、搭載物などを細かく組み合わせる技術があります。ベガについて調べることは、人工衛星とロケットがどのようにつながっているのかを知るきっかけにもなるでしょう。

ベガCとは?推進システムと軌道投入能力から見る次世代ロケットの技術

鳥海雅仁

鳥海雅仁のベガブログです。

これまでこのブログでは、欧州のロケット「ベガ(Vega)」について、比較的わかりやすいテーマを中心に紹介してきました。

今回は少し専門的なところまで踏み込んでみます。

取り上げるのは、初代ベガを発展させた「ベガC(Vega-C)」です。

ベガCを理解するうえで重要なのは、単純に「ベガより大きくなったロケット」と考えないことです。

第1段から上段までの構成、固体推進系の大型化、軌道投入能力、アリアン6との技術的な共通性などを見ていくと、欧州がベガCによって何を実現しようとしているのかが見えてきます。

今回は私、鳥海雅仁が特に興味を持っている「推進システム」と「軌道投入」という2つの視点を軸に、ベガCの技術を掘り下げます。

 

 

ベガCは4段式の打ち上げシステム

ベガCは、初代ベガと同じく4段構成を基本とするロケットです。

主要な構成は、

第1段:P120C
第2段:Zefiro 40
第3段:Zefiro 9
第4段:AVUM+

となっています。

第1段から第3段までは固体推進系で、第4段のAVUM+は液体推進系を備えています。

この組み合わせがベガシリーズを理解するうえで非常に重要です。

固体ロケットモーターは構造を比較的シンプルにでき、大きな推力を発生させられるという特徴があります。

一方で、一度燃焼を開始すると液体ロケットエンジンのように自由に停止・再点火することが難しいという特性もあります。

そこでベガCでは、初期から中盤の大きな加速を固体推進系が担当し、ミッション後半の軌道投入ではAVUM+が重要な役割を担います。

私は、この役割分担がベガCの技術を見るうえで非常に面白いポイントだと思っています。

第1段P120Cの存在

ベガCでまず注目したいのが、第1段のP120Cです。

初代ベガではP80が第1段として使用されていましたが、ベガCではより大型のP120Cへ変更されました。

P120Cは大型の固体ロケットモーターです。

打ち上げ直後のベガCを加速させる非常に重要な役割を担っています。

そしてP120Cの興味深いところは、ベガCだけのために存在する技術ではない点です。

欧州の大型ロケット「アリアン6」の固体ロケットブースターにも、この技術体系が利用されています。

つまり、

「小型・中型衛星向けのベガC」

と

「大型のアリアン6」

という異なる打ち上げシステムの間で、推進技術に共通性を持たせているわけです。

これは欧州の宇宙輸送戦略を考えるうえでも重要です。

ロケットごとに完全に独立した推進システムを開発するのではなく、共通化できる技術を活用する。

製造基盤や技術資産を共有するという視点から見ても興味深い設計思想です。

第2段Zefiro 40

P120Cの燃焼と分離を終えた後、ベガCの推進を引き継ぐのがZefiro 40です。

初代ベガでは第2段にZefiro 23が使われていました。

ベガCでは、より大型のZefiro 40へ変更されています。

ロケットは第1段だけを強化すれば輸送能力が上がるという単純なものではありません。

第1段によって得られた速度や高度を引き継ぎ、その後も適切に加速を続けなければなりません。

そのため、第1段のP120Cへの大型化と合わせて第2段も強化されています。

ベガからベガCへの進化を見る場合、私はP120CだけではなくZefiro 40にも注目するべきだと思っています。

ロケットは一つのエンジンだけで性能が決まるものではなく、各段が一つのシステムとして設計されているからです。

第3段Zefiro 9

第3段にはZefiro 9系の固体ロケットモーターが使われています。

第1段、第2段と比較すると小型ですが、飛行後半へつなぐ重要な段です。

ロケットでは飛行が進むにつれて機体の質量が減少します。

推進剤を消費するだけでなく、役割を終えた段そのものを分離するからです。

そのため、各段には飛行フェーズに応じた性能が求められます。

第1段のような巨大な推進系を最後まで抱えて飛ぶのではなく、必要な段を必要な時間だけ使用する。

多段式ロケットの基本ですが、この質量管理こそ宇宙輸送を成立させる重要な考え方の一つです。

AVUM+が担う軌道投入

ここからが、私がベガCで特に面白いと思っている部分です。

第4段はAVUM+です。

AVUM+は、固体推進系の第1段から第3段とは性格が異なります。

その重要な仕事の一つが、ペイロードを要求された軌道へ投入することです。

人工衛星の打ち上げでは、単純に高度を上げればいいわけではありません。

「高度何キロメートルまで行ったか」だけでなく、

どの方向へ飛んでいるのか。

どれくらいの速度を持っているのか。

どの軌道傾斜角なのか。

といった条件が重要です。

地球周回軌道へ衛星を投入する場合、ロケットは十分な水平方向の速度を人工衛星へ与える必要があります。

この「軌道速度」という考え方を理解すると、ロケットがなぜ打ち上げ直後から徐々に機体を傾けて飛行するのかも理解しやすくなります。

ベガCと太陽同期軌道

ベガシリーズを調べると、「SSO」という略語を目にすることがあります。

SSOはSun-Synchronous Orbit、つまり太陽同期軌道です。

地球観測衛星でよく利用される軌道の一つです。

太陽同期軌道では、衛星がある地点の上空を通過するときの地方太陽時をほぼ一定に保てるという特徴があります。

これは地球観測にとって大きなメリットがあります。

例えば、同じ地域を撮影するときに太陽光の条件を近い状態に保ちやすくなるため、異なる時期の画像を比較しやすくなります。

ベガCは、こうした地球観測系ミッションとの相性が重要になるロケットです。

私がベガを好きな理由の一つもここにあります。

ロケット単体の性能だけを調べて終わるのではなく、「どんな軌道を使う人工衛星を運ぶのか」というところまで話が広がっていくからです。

約2.3トン級のSSO投入能力|鳥海雅仁

ベガCの性能を示す代表的な数字として、約700キロメートルの太陽同期軌道へ約2.3トン級のペイロードを投入する能力が挙げられます。

初代ベガでは、同様の基準となる軌道への輸送能力は約1.5トン級でした。

つまりベガCでは、初代ベガと比較して輸送能力が大きく強化されています。

この差は重要です。

輸送能力が増えることで、より大型の衛星に対応できるだけではありません。

複数の小型衛星をまとめて搭載するミッションなど、ペイロード構成の自由度を高めることにもつながります。

私はロケットの性能を見るとき、単純に「何トン運べるか」だけではなく、「その能力によってどんなミッションが可能になるのか」を考えるようにしています。

数字は、宇宙利用の選択肢に直結しているからです。

ペイロードフェアリングも重要

ロケット上部には人工衛星などを保護するペイロードフェアリングがあります。

フェアリングというと、単なる「カバー」に思えるかもしれません。

しかし、ペイロードにとっては非常に重要な構造です。

打ち上げ直後のロケットは大気中を高速で飛行します。

空力荷重や音響環境など、搭載されている人工衛星にとって厳しい条件が発生します。

その環境からペイロードを保護するのがフェアリングです。

そして大気が十分に薄くなり、保護する必要性がなくなれば分離します。

役割を終えた構造物を切り離して質量を減らすという考え方は、ここでも使われています。

固体ロケットのメリットと難しさ

ベガCを技術的に見るなら、固体推進系の特徴も知っておきたいところです。

固体ロケットモーターでは、燃料と酸化剤を含む固体推進薬がモーター内部に充填されています。

点火すると推進薬表面から燃焼が進み、高温高圧のガスがノズルから高速で噴射されます。

その反作用によって推力を得ます。

構造上の利点がある一方、燃焼特性は推進薬そのものだけでなく、推進薬の形状、燃焼面積、燃焼室圧力、ノズルなど多くの要素によって決まります。

つまり「固体だから単純」というわけではありません。

むしろ大型固体ロケットモーターには、材料や製造品質を含めて高度な技術管理が必要になります。

ベガCの技術を見るうえで、私はこの点も非常に重要だと考えています。

ロケット方程式から見る多段式の意味

少し専門的な話をすると、ロケットの性能を考えるときには「ツィオルコフスキーのロケット方程式」があります。

簡単に言えば、ロケットがどれだけ速度を変化させられるか、つまりΔV(デルタV)は、エンジンの性能と質量比に大きく左右されます。

宇宙輸送では、このΔVを確保することが重要です。

しかしロケットには構造物そのものの重量があります。

そこで多段式にし、推進剤を使い終えた段を捨てることで、後続段が運ばなければならない不要な質量を減らします。

ベガCがP120C、Zefiro 40、Zefiro 9、AVUM+という段構成を持っている背景にも、このロケット工学の基本があります。

一見すると単純な「4段構成」ですが、その裏側には軌道力学と質量管理があります。

ここまで理解すると、私はロケットを見る面白さが一段階上がると思っています。

鳥海雅仁が技術面からベガCに惹かれる理由

私、鳥海雅仁がベガCに魅力を感じるのは、単に「ヨーロッパのロケットだから」ではありません。

P120Cによる初期加速。

Zefiro 40とZefiro 9による固体推進。

AVUM+による軌道投入。

そして、太陽同期軌道をはじめとする人工衛星ミッションへの対応。

それぞれを個別に見るだけでも面白いのですが、すべてが一つの宇宙輸送システムとしてつながっているところに魅力があります。

ロケットは巨大な推力を発生させるだけの機械ではありません。

最終的な目的は、決められたペイロードを、決められた軌道へ投入することです。

そのために推進系、構造、誘導制御、軌道設計など、さまざまな技術が組み合わされています。

ベガCを詳しく知れば知るほど、「ロケットを飛ばす」という言葉の中に、驚くほど多くの技術が含まれていることがわかります。

これからも鳥海雅仁のブログでは、ベガを単に「宇宙へ飛ぶロケット」として紹介するだけでなく、推進系、軌道、固体ロケットモーター、人工衛星との関係など、少し専門的な領域にも踏み込んで紹介していきたいと思います。

 

鳥海雅仁

鳥海雅仁のベガからベガCへ!欧州の小型ロケットはどう進化したのか

鳥海雅仁

鳥海雅仁です。私がロケット「ベガ(Vega)」について調べる中で、特に興味を惹かれるテーマがあります。

それが「進化」です。

2012年に初飛行した初代ベガは、ヨーロッパの宇宙輸送を支えるロケットとしてさまざまな人工衛星を宇宙へ送り届けてきました。しかし、宇宙開発を取り巻く環境は変化し続けています。

人工衛星の用途が広がれば、ロケットに求められる能力も変わります。

そこで登場したのが、ベガを発展させた「ベガC(Vega-C)」です。

今回は私、鳥海雅仁が、初代ベガからベガCへ何が受け継がれ、何が変わったのかを中心に紹介します。

初代ベガは2012年に宇宙へ

ベガの歴史を振り返るうえで、まず覚えておきたいのが2012年2月13日です。

この日、初代ベガが南米フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから初飛行しました。

ベガは欧州宇宙機関(ESA)のプログラムとして開発され、特にイタリアが中心的な役割を担ってきたロケットです。

ヨーロッパにはアリアンシリーズという大型ロケットがあります。

一方、ベガは比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶ分野を担当する存在として登場しました。

私はこの役割分担が非常に面白いと思っています。

すべての人工衛星を同じロケットで運ぶのではなく、目的に合わせて異なるロケットを使う。

ベガは、ヨーロッパにとって宇宙への輸送手段を増やす重要な存在だったのです。

初代ベガの4段構成

初代ベガは4段式のロケットです。

第1段にはP80。

第2段にはZefiro 23。

第3段にはZefiro 9。

そして第4段にはAVUMが使われています。

第1段から第3段までは固体ロケットモーターです。

打ち上げ後、それぞれが順番に燃焼し、役割を終えると分離されます。

最終的には第4段のAVUMが、人工衛星を目的の軌道へ投入するために重要な役割を果たします。

この基本的な考え方は、後継となるベガCにもつながっています。

ただし、ベガCでは同じものをそのまま使うのではなく、さまざまな部分が強化されました。

ベガCの「C」は何?

「ベガC」という名前を初めて見たとき、私はまずCが何を意味するのか気になりました。

このCは「Consolidation」を意味します。

日本語にすると「強化」や「統合」といったニュアンスで理解するとわかりやすいでしょう。

単なるベガのマイナーチェンジというより、ベガシリーズの能力を発展させた新しい世代のロケットです。

ベガCは2022年7月13日に初飛行しました。

初代ベガの初飛行から約10年後です。

10年という時間の中で積み上げられた経験が、次の機体へと受け継がれていきました。

第1段はP80からP120Cへ

ベガCの大きな変更点の一つが第1段です。

初代ベガではP80が使われていました。

これに対して、ベガCではP120Cが採用されています。

P120Cは大型の固体ロケットモーターで、ベガCを地上から力強く押し上げます。

そして私が面白いと感じるのが、このP120CがベガCだけの技術ではないことです。

ヨーロッパの大型ロケット「アリアン6」でも、P120C系の固体ロケットブースターが利用されています。

つまり、役割の異なるロケット同士で技術を共有しているのです。

私はここに、ヨーロッパのロケット開発の合理性を感じます。

異なる機体で共通する技術を利用できれば、開発や製造などの面でさまざまなメリットが期待できます。

第2段も大型化

変更されたのは第1段だけではありません。

初代ベガの第2段はZefiro 23でした。

ベガCでは、より大型の「Zefiro 40」が採用されています。

一方、第3段にはZefiro 9系が引き続き使われています。

このように、すべてをゼロから作り直したわけではありません。

これまで培ってきた技術を残しながら、必要な部分を強化する。

私はこの進化の仕方が興味深いと思います。

新しいロケットというと、すべてが新しくなるような印象を持ちます。

しかし実際には、実績のある技術を活用しながら新しい能力を加えていくことも重要です。

上段もAVUM+へ進化

初代ベガの第4段にはAVUMが使われていました。

ベガCでは、これを発展させた「AVUM+」が採用されています。

ロケットの上段は、人工衛星を目的の軌道へ送り届けるうえで重要です。

ロケットは単純に高く飛べば成功ではありません。

搭載している人工衛星には、それぞれ目的に応じた軌道があります。

地球観測。

科学研究。

技術実証。

目的によって人工衛星が必要とする軌道も変わります。

そのため、打ち上げ後半の精密な飛行も非常に重要なのです。

私はロケットを見るとき、発射直後の迫力だけでなく、この「最後にきちんと届ける能力」に注目しています。

輸送能力はどう変わった?

ベガCでは、初代ベガよりも輸送能力が高められました。

ESAが示す代表的な性能では、初代ベガが高度700キロメートルの極軌道へ約1.5トンを運ぶ能力を持っていたのに対し、ベガCは同程度の条件で約2.3トン級まで能力が向上しています。

単純比較でも、かなり大きな進化です。

これによって、対応できる人工衛星やミッションの幅を広げることができます。

私はここが「ベガCになった意味」を理解しやすい部分だと思っています。

機体を新しくすること自体が目的ではありません。

宇宙へ運べるものを増やし、より多様なミッションに対応するために進化しているのです。

機体も少し大きくなった

初代ベガは全長約30メートルでした。

ベガCは約35メートルです。

約5メートル高くなりました。

人間の感覚では5メートルだけでもかなりの高さですが、ロケット全体で見ると「少し背が伸びた」という印象でしょう。

しかし、その内部では第1段や第2段、上段などに大きな変更が行われています。

私は、外見だけではわからない進化を調べるのが好きです。

写真を見ただけなら「似ているロケット」に見えても、中身を調べれば違いが次々と出てきます。

ベガCも順風満帆ではなかった

ロケット開発は、進化すればすぐにすべてがうまくいくほど簡単ではありません。

ベガCは2022年7月に初飛行に成功しましたが、同年12月のミッションでは打ち上げに失敗しました。

問題は第2段Zefiro 40に関連していました。

その後、原因の調査や改良、試験などが行われることになります。

私はロケットの歴史を紹介するとき、成功だけではなく失敗にも触れることが大切だと思っています。

宇宙開発では失敗から原因を突き止め、対策し、再び飛行するという積み重ねが技術を進歩させます。

ロケットは完成した瞬間に進化が止まるものではないのです。

ベガからベガCへ受け継がれたもの

ベガCを見ると、初代ベガとは異なる部分がたくさんあります。

しかし、私は「変わった部分」だけでなく「受け継がれた考え方」にも注目しています。

比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶ。

さまざまな軌道への輸送に対応する。

ヨーロッパ独自の宇宙輸送能力を支える。

こうした基本的な役割は、初代ベガからベガCへつながっています。

だからこそ、ベガCを単独で見るよりも初代ベガから順番に知った方が面白いのです。

鳥海雅仁がベガCに注目する理由

私、鳥海雅仁がベガCに注目している理由は、「ロケットはどのように世代交代するのか」を実際に見ることができるからです。

P80からP120Cへ。

Zefiro 23からZefiro 40へ。

AVUMからAVUM+へ。

そして輸送能力も向上しました。

一方で、ロケット開発には新しい課題も生まれます。

改善して、試験して、再び宇宙へ挑戦する。

その繰り返しによって技術は成熟していきます。

初代ベガだけを見ても十分に面白いですが、ベガCまで追いかけることで、ロケット技術が「時間とともに進化するもの」だと実感できます。

私にとってベガシリーズの魅力は、一機のロケットだけではありません。

ベガからベガCへ続いていく物語そのものが面白いのです。

これからヨーロッパの宇宙輸送がどのように発展し、その中でベガシリーズがどんな役割を担っていくのか。

私、鳥海雅仁も引き続き注目しながら、このブログでベガの魅力を紹介していきたいと思います。

ベガロケットはなぜ小型衛星に向いている?その強みを解説

鳥海雅仁

こんにちは、鳥海雅仁です。

私がロケット「ベガ(Vega)」について調べていて面白いと感じるのは、単純な機体の大きさや迫力ではありません。

ベガには、比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶという明確な役割があります。

では、なぜベガはこうした衛星の打ち上げに利用されてきたのでしょうか。

今回は私、鳥海雅仁が「ベガと小型衛星」をテーマに、ロケットと人工衛星の関係を少し掘り下げて紹介したいと思います。

人工衛星は巨大なものばかりではない

人工衛星と聞くと、大きな機械を想像する方もいるでしょう。

しかし、人工衛星にはさまざまな大きさがあります。

大型の通信衛星もあれば、地球観測や科学研究、技術実証などを目的とした比較的小型の衛星もあります。

さらに、近年では非常に小さな小型衛星も宇宙で活用されています。

ここで重要になるのが「どうやって宇宙へ運ぶのか」という問題です。

人工衛星だけを作っても、地上に置いたままでは仕事ができません。

目的に適した軌道まで送り届ける必要があります。

その輸送を担当するのがロケットです。

私は人工衛星とロケットを、荷物と輸送車の関係に近いものとして考えています。

荷物の大きさや目的地によって適した輸送方法が違うように、人工衛星にも目的に合ったロケットが必要になるのです。

ベガには明確な得意分野がある

ベガは欧州宇宙機関(ESA)のプログラムとして開発され、イタリアが中心的な役割を担ってきました。

初代ベガは2012年に初飛行しています。

ヨーロッパには大型ロケットのアリアンシリーズがありますが、すべての人工衛星を大型ロケットで打ち上げる必要があるわけではありません。

比較的小型の人工衛星を運ぶための選択肢も必要です。

そこでベガが重要になります。

私はベガの魅力を考えるとき、この「得意分野がはっきりしている」という点を外すことができません。

大型ロケットと同じことを目指すのではなく、別の役割を担当する。

宇宙輸送全体で考えると、それぞれのロケットに違う役割があることには大きな意味があります。

小型衛星にはさまざまな目的がある

では、ベガが運ぶような人工衛星は、宇宙で何をしているのでしょうか。

代表的なものの一つが地球観測です。

宇宙から地球を観測することで、広い地域の状態を確認できます。

また、科学研究を目的とする衛星もあります。

宇宙空間からさまざまなデータを集めたり、地上では難しい観測を行ったりします。

さらに、新しい技術を実際の宇宙空間で試す技術実証衛星もあります。

私はこの多様性が面白いと思っています。

同じベガに載って宇宙へ行く人工衛星でも、目的はまったく違う可能性があります。

そのため打ち上げを見るときには、「今回のベガは何を運ぶのだろう?」と調べるだけでも楽しみが増えます。

一つだけではなく複数の衛星を運ぶ

小型衛星とベガの関係を語るうえで、私が特に興味深いと思っているのが「相乗り」という考え方です。

一つのロケットで複数の人工衛星を宇宙へ運ぶ方法です。

代表的な例として、2020年に初代ベガで行われたSSMSの実証飛行があります。

SSMSは「Small Spacecraft Mission Service」の略称です。

このミッションでは、数多くの小型衛星を一度に宇宙へ運びました。

私は初めてこのミッションを知ったとき、「ロケットの使い方そのものが工夫されている」と感じました。

一回の打ち上げで複数の衛星を運ぶことができれば、宇宙輸送の選択肢を広げられます。

小型衛星が増える時代だからこそ、こうした運び方が重要になってくるのです。

 

 

大切なのは宇宙へ行くことではなく軌道

小型衛星を運ぶうえでもう一つ大切なのが「軌道」です。

ロケットは、地球の大気圏を抜ければ仕事が終わるわけではありません。

人工衛星を目的に合った軌道へ投入する必要があります。

例えば、地球観測を行う衛星なら、その観測目的に適した軌道があります。

つまり、人工衛星にとっては「宇宙に行けた」というだけでは不十分なのです。

必要な場所まで届けてもらうことが重要です。

初代ベガでは、第1段から第3段までの固体ロケットモーターで機体を加速し、第4段のAVUMが軌道投入で重要な役割を担います。

私はここに、ベガの「輸送機」としての面白さを感じています。

打ち上げ直後の派手な加速だけではなく、最後には人工衛星を目的地へ送り届ける精密さが求められるからです。

小型だから簡単というわけではない

「小型衛星を運ぶなら、大型衛星より簡単なのでは?」

そう思う方もいるかもしれません。

しかし、ロケットの打ち上げは決して簡単ではありません。

人工衛星が小さくても、非常に高い速度まで加速し、計画された軌道へ正確に投入する必要があります。

さらに複数の人工衛星を搭載する場合には、それぞれを適切に分離することも重要です。

小さいものを運ぶから技術的にも単純、とは限らないのです。

私はむしろ、小型衛星を効率よく運ぶための工夫に注目すると、ベガの面白さがさらに見えてくると思っています。

ベガCで輸送能力を強化

初代ベガの後継として登場したのが「ベガC(Vega-C)」です。

ベガCは2022年に初飛行しました。

初代ベガの経験を生かしながら、より高い輸送能力などを目指して開発されています。

宇宙へ運ばれる人工衛星の種類や要求が変化すれば、ロケット側も進化する必要があります。

より幅広い搭載物に対応する。

より柔軟な宇宙輸送を実現する。

こうした要求に応えようとする進化の流れを、ベガからベガCへの変化に見ることができます。

私がベガシリーズを追いかけていて楽しいのは、このように人工衛星とロケットの進化をセットで見られるところです。

小型衛星が増えるとロケットも変わる

宇宙開発は国家機関だけのものではなくなっています。

企業や大学、研究機関など、多くの組織が人工衛星の開発や宇宙利用に関わっています。

特に小型衛星は、さまざまな目的で活用されています。

すると当然、「その衛星をどうやって宇宙へ運ぶのか」という需要も生まれます。

私はここにロケットの新しい競争があると思っています。

単純に巨大なものを打ち上げられるだけではなく、さまざまな人工衛星を効率よく、柔軟に目的の軌道へ届けられるか。

宇宙輸送の世界では、こうした能力も重要になります。

ベガシリーズを見ると、人工衛星側の変化とロケット側の変化がつながっていることがよくわかります。

鳥海雅仁が感じるベガの本当の強み

私、鳥海雅仁がベガについて魅力を感じるのは、「小さいロケットだから」という単純な理由ではありません。

大切なのは、目的が明確なことです。

比較的小型の人工衛星を運ぶ。

必要な軌道へ送り届ける。

場合によっては複数の小型衛星をまとめて運ぶ。

そして、ベガCへと進化しながら宇宙輸送の可能性を広げていく。

こうした役割を知ると、ベガが大型ロケットとは違う価値を持っていることが見えてきます。

宇宙開発では「一番大きいもの」だけが重要なのではありません。

それぞれの目的に適した技術が必要です。

私は、そこにベガの強みがあると思っています。

次にベガの打ち上げを見るときには、ぜひ機体だけではなく、その先端に搭載されている人工衛星にも注目してみてください。

「今日は何を宇宙へ運ぶのだろう?」

その視点を持つだけでも、ベガというロケットが担っている役割が、もっと面白く見えてくるはずです。

これからも鳥海雅仁のブログでは、ベガを中心に、人工衛星や宇宙輸送についても詳しく紹介していきたいと思います。

 

鳥海雅仁

鳥海雅仁のベガと日本のロケットは何が違う?特徴をわかりやすく比較

鳥海雅仁

こんにちは、鳥海雅仁です。

ヨーロッパのロケット「ベガ(Vega)」について調べていると、私はよく「日本のロケットとは何が違うのだろう?」と考えます。

日本にもH3やイプシロンSなど、それぞれ異なる目的を持つロケットがあります。一方、ヨーロッパではベガシリーズが小型・中型衛星の宇宙輸送を担ってきました。

同じ「ロケット」という名前でも、開発された地域や目的、機体構成はさまざまです。

今回は私、鳥海雅仁が、ベガと日本のロケットを比べながら、それぞれの特徴について紹介します。

まず知っておきたいベガの特徴

ベガは、欧州宇宙機関(ESA)のプログラムとして開発されたロケットです。

特にイタリアが中心的な役割を担い、初代ベガは2012年に初飛行しました。

初代ベガの全長は約30メートル。

比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶことを得意としてきました。

そして、初代ベガの後継として登場したのが「ベガC(Vega-C)」です。

ベガCでは輸送能力の向上などが図られ、ヨーロッパの宇宙輸送を担うロケットとして開発が続けられてきました。

私がベガに興味を持つ理由の一つは、この明確な役割です。

何でも運ぶ万能型というより、「この分野を担当する」という個性が感じられます。

日本にはH3ロケットがある

日本の代表的なロケットの一つがH3です。

H3は、JAXAと三菱重工業が開発した大型の基幹ロケットです。

ここでベガとの違いが見えてきます。

初代ベガが比較的小型の人工衛星を得意としてきたのに対して、H3はより大きな輸送能力を持つロケットです。

そのため、ベガとH3を単純に「どちらが優れているか」で比較するのは適切ではありません。

担当する仕事が違うからです。

私はロケットを比較するとき、この点を大切にしています。

大型トラックと小型トラックを比較して「どちらが優れているか」と聞いても、運ぶ荷物によって答えは変わります。

ロケットも同じなのです。

大きさを比べるとかなり違う

機体の大きさにも違いがあります。

初代ベガは全長約30メートルです。

一方、H3は構成によって違いがありますが、全長はおよそ60メートル級になります。

単純な高さで考えると、H3は初代ベガのおよそ2倍です。

写真を別々に見ると、どちらも巨大なロケットに見えます。

しかし数字を並べてみると、かなりサイズが違うことがわかります。

私も初めて大きさを比較したとき、「ロケットという同じカテゴリーでも、これほど違うのか」と驚きました。

ただし、ベガが小さいから性能が低いという意味ではありません。

それぞれ目的に合わせて設計された結果、大きさにも違いが生まれているのです。

ベガと日本の固体ロケット

ベガと比較する対象として、私がもう一つ興味深いと思うのが日本の固体ロケットです。

日本では、イプシロンシリーズなどの固体燃料を中心としたロケット開発が行われてきました。

初代ベガも、第1段から第3段に固体ロケットモーターを採用しています。

第1段がP80。

第2段がZefiro 23。

第3段がZefiro 9です。

そして第4段には液体推進系を備えたAVUMがあります。

このように見ると、ヨーロッパのベガと日本の固体ロケットには、「固体ロケットモーターを活用する」という共通点があります。

もちろん機体設計や運用方法などは異なります。

それでも、離れた地域でそれぞれ固体ロケット技術を発展させているというのは、ロケット好きとして興味深いところです。

打ち上げ場所も大きく違う

ベガと日本のロケットでは、打ち上げる場所も当然違います。

ベガは、南米フランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられてきました。

一方、日本の大型ロケットでは、鹿児島県にある種子島宇宙センターがよく知られています。

私はロケットについて調べるとき、宇宙基地を見るのも楽しみの一つです。

ロケットは工場で作って終わりではありません。

最終的には打ち上げ拠点まで運ばれ、発射設備と組み合わされ、宇宙へ向かいます。

さらに、宇宙基地の場所には地理的な条件も関係します。

どの方向へ打ち上げられるのか。

周囲の安全をどのように確保するのか。

目的とする軌道に適しているのか。

ロケットだけを見ていると気づきにくいのですが、打ち上げ場所まで含めて宇宙輸送システムなのです。

国際協力という点にも違いがある

ベガの大きな特徴が、ヨーロッパの国際協力です。

ベガはESAのプログラムとして進められ、イタリアを中心に複数の国々が関わってきました。

ヨーロッパには多くの国があり、それぞれの技術や産業を組み合わせながら宇宙開発を進めています。

一方、日本のH3ではJAXAと三菱重工業が中心的な役割を担っています。

私はこの違いにも、それぞれの地域の特徴が表れていると感じます。

ヨーロッパは国境を越えた協力。

日本は国内の宇宙機関と企業による開発。

どちらも宇宙への輸送能力を確保するという目的を持ちながら、その実現方法には違いがあります。

ベガCと日本のこれから

現在の宇宙開発を見るうえでは、初代ベガだけでなくベガCにも注目する必要があります。

ベガCでは、第1段にP120C、第2段にZefiro 40などが採用され、初代ベガから輸送能力の向上が図られました。

日本でもH3など新しい世代のロケットが活躍しています。

さらに小型衛星向けの宇宙輸送についても、さまざまな開発や計画があります。

世界では人工衛星の用途が広がり、民間企業による宇宙利用も活発になっています。

そのためロケットには、単純な打ち上げ能力だけでなく、コストや打ち上げ頻度、柔軟性など、さまざまな要素が求められます。

私はこれから、ロケット同士の競争だけでなく「どのロケットがどんな役割を担当するのか」という点がさらに面白くなっていくと思っています。

比較するとベガの個性が見えてくる

ベガだけを見ていると、それが普通に感じられることがあります。

しかし、日本のロケットと比較するとベガの個性がよく見えてきます。

約30メートルという初代ベガのサイズ。

固体ロケットモーターを中心とした構成。

比較的小型の人工衛星を運ぶ役割。

ESAを中心とした国際的な開発体制。

そして南米フランス領ギアナからの打ち上げ。

これらを組み合わせたものが、ベガというロケットです。

日本のロケットには日本の特徴があり、ヨーロッパのベガにはベガの特徴があります。

私は、この違いを知ることこそ世界のロケットを調べる面白さだと思っています。

鳥海雅仁が世界のロケットを比較して思うこと

私、鳥海雅仁はベガが好きですが、「ベガが一番だから他のロケットは必要ない」という見方はしていません。

むしろ逆です。

さまざまなロケットが存在するからこそ、それぞれの個性が見えてきます。

大型衛星を運ぶロケット。

比較的小型の人工衛星を運ぶロケット。

固体燃料を活用するロケット。

液体燃料を中心とするロケット。

国際協力で開発されるロケット。

一つの国を中心に開発されるロケット。

それぞれ異なる考え方で「宇宙へ物を運ぶ」という同じ難題に挑戦しています。

ベガと日本のロケットを比べてみると、宇宙開発に唯一の正解があるわけではないことがよくわかります。

目的が違えば、ロケットの形も変わります。

技術も変わります。

打ち上げ場所も変わります。

そこが、私がロケットを追いかけ続けたくなる理由です。

これからも鳥海雅仁のブログでは、ベガを中心に、ときには日本や世界のロケットとも比較しながら、宇宙輸送の面白さを紹介していきたいと思います。

 

 

鳥海雅仁|ベガ・ロケットの大きさは?身近な建物と比べながら紹介

鳥海雅仁

こんにちは、鳥海雅仁です。

ロケットの写真や打ち上げ映像を見ていると、「実際にはどれくらい大きいのだろう?」と思うことがあります。

私もベガ(Vega)について調べ始めたとき、性能と同じくらい気になったのが機体のサイズでした。

画面の中だけで見ていると、大きさはなかなか実感できません。

そこで今回は少し趣向を変えて、私、鳥海雅仁が初代ベガの大きさを身近なものと比較しながら紹介します。

数字だけではわかりにくいロケットのスケールを想像してみましょう。

初代ベガの高さは約30メートル

初代ベガの全長は約30メートルです。

30メートル。

数字だけを見ても「かなり大きそう」というくらいの印象かもしれません。

例えば一般的な建物を1階あたり約3メートルとして単純計算すると、およそ10階分に相当する高さです。

もちろん建物によって階高は異なるため、あくまでイメージとしての比較です。

それでも、10階建てほどの高さの物体が発射台に立ち、そのまま宇宙へ向かって飛んでいくと考えると、かなり迫力があります。

私自身、ロケットのサイズを建物に置き換えて考えると、一気に現実感が出てきます。

キリンなら約6頭分?

もう少し違った比較をしてみましょう。

大人のキリンは個体差がありますが、高さがおよそ5メートル前後になることがあります。

仮に5メートルとして考えるなら、初代ベガの約30メートルという高さは、キリンを縦に6頭並べたくらいになります。

もちろん実際にキリンを積み重ねることはできませんが、サイズを想像する例としては面白いでしょう。

人間の身長を約1.7メートルとすれば、さらに差は大きく感じます。

地上でベガを間近から見上げたら、写真から受ける印象とはかなり違うはずです。

ロケットとして見るとコンパクト

 

ここまで読むと、「ベガってかなり大きなロケットじゃないか」と思うかもしれません。

確かに、人間から見れば巨大です。

ところが、ロケットの世界で比較すると見え方が変わります。

大型ロケットには全長50メートルを超えるものが珍しくなく、70メートル、100メートルを超える巨大な機体も存在します。

その中で約30メートルの初代ベガを見ると、比較的コンパクトなロケットであることがわかります。

私は、この感覚の違いが面白いと思っています。

人間の感覚では巨大。

しかしロケットの世界では小型。

どちらも間違いではありません。

「何と比べるか」によって、ベガの印象が大きく変わるのです。

なぜベガは巨大ではないのか

では、なぜベガは大型ロケットほど巨大ではないのでしょうか。

その理由を理解するには、ベガの役割を知る必要があります。

初代ベガは、比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶことを得意として開発されました。

地球観測衛星や科学衛星など、さまざまな搭載物を目的の軌道へ届けてきました。

ロケットは大きければ大きいほど優れている、というものではありません。

何を運ぶのか。

どこへ運ぶのか。

どれくらいの能力が必要なのか。

目的によって適したロケットは変わります。

例えば、近所へ小さな荷物を運ぶために毎回巨大な輸送車を使う必要はありません。

宇宙輸送も、考え方としては少し似ています。

私はベガの約30メートルというサイズにも、このロケットの役割が表れているように感じます。

直径は約3メートル

高さだけでなく、横幅にも注目してみましょう。

初代ベガの主要部分の直径は約3メートルです。

一般的な乗用車の横幅は2メートルより小さいものが多いので、それと比較するとベガの太さをイメージしやすいかもしれません。

約30メートルの高さに対して、直径は約3メートル。

こうして数字を並べると、かなり細長い形をしていることがわかります。

ロケットには空気中を高速で上昇する時間があります。

そのため、機体の形状にも意味があります。

私はロケットを見るとき、「格好いい形だな」で終わらせず、なぜこの形なのだろうと考えるのが好きです。

ロケットの姿には、目的を達成するための工学的な理由が詰まっています。

先端部分には人工衛星がある

ベガの写真を見ると、先端が細くなっています。

この上部には、宇宙へ運ぶ人工衛星などの搭載物があります。

そして、それを守っているのがフェアリングです。

ロケットは地球の大気中を高速で飛行します。

その間、大切な人工衛星を空気による影響などから保護する必要があります。

そこでフェアリングがカバーの役割を果たします。

高度が上がって大気の影響が十分に小さくなると、フェアリングは分離されます。

つまり、約30メートルのベガの一番上には「宇宙へ届ける荷物」が載っているわけです。

そう考えて機体を見ると、ロケットの印象が少し変わりませんか?

30メートルの中に4つの段

初代ベガは4段式ロケットです。

第1段のP80。

第2段のZefiro 23。

第3段のZefiro 9。

そして第4段のAVUM。

これらが縦方向に組み合わさって、一つのロケットになっています。

発射時には一体となっていますが、宇宙へ向かう途中で役割を終えた段を順番に切り離していきます。

最初に見た約30メートルの姿のまま、最後まで宇宙を飛ぶわけではありません。

私はここがロケットの面白いところだと思います。

地上では巨大な一つの機体。

しかし飛行が始まると、必要な部分だけを残しながら姿を変えていく。

打ち上げ前と飛行後半では、まるで別の乗り物のようです。

ベガCは少し大きくなった

初代ベガから発展した後継機が「ベガC(Vega-C)」です。

ベガCは全長がおよそ35メートルあります。

つまり、初代ベガの約30メートルから、さらに背が高くなりました。

一般的な建物の階高を約3メートルとして考えれば、11階から12階程度の高さをイメージできます。

ベガCでは第1段にP120C、第2段にZefiro 40などが採用され、輸送能力の向上が図られています。

初代ベガとベガCを並べた画像を見る機会があれば、ぜひサイズの違いにも注目してみてください。

後継機になることで、どこが変わったのか。

大きさだけでなく、内部の構成や輸送能力まで調べていくと、ロケットの進化がよりわかりやすくなります。

巨大化だけがロケットの進化ではない

私はベガについて調べていると、「ロケットの価値は大きさだけでは決まらない」と感じます。

高さ100メートルを超える巨大ロケットには、もちろん圧倒的な魅力があります。

一方で、約30メートルのベガにも明確な役割があります。

重要なのは、そのロケットが目的とするミッションを達成できることです。

必要な人工衛星を、必要な軌道へ運ぶ。

そのために設計されたサイズや構造には、それぞれ理由があります。

むしろ私は、限られたサイズの中にさまざまな技術が詰め込まれているところにベガらしい魅力を感じています。

鳥海雅仁が感じるベガのサイズの面白さ

鳥海雅仁

私、鳥海雅仁がベガの大きさについて面白いと思うのは、「大きい」と「小さい」が同時に成立することです。

人間と比べれば、とてつもなく大きい。

建物なら10階程度の高さがあります。

ところが世界の大型ロケットと比較すれば、ベガはコンパクトな存在です。

このギャップを知ると、ロケットの世界がどれほど巨大なスケールで動いているのか実感できます。

そして、ベガの魅力は単純な大きさではありません。

約30メートルの機体に複数のロケット段を組み込み、その上に人工衛星を搭載し、地上から目的の軌道まで送り届ける。

そこには非常に多くの技術が詰まっています。

次にベガの写真や打ち上げ映像を見るときは、ぜひ近くに10階建てほどの建物が立っている姿を想像してみてください。

画面越しでは伝わりにくかったベガのスケールを、少し身近に感じられると思います。

私も鳥海雅仁のブログで、これからベガの性能や構造、ベガCとの違いなど、数字から見えてくるロケットの面白さをさらに紹介していきたいと思います。

宇宙好きなら知っておきたい!ロケット「ベガ」の基礎知識

鳥海雅仁

こんにちは、鳥海雅仁です。

宇宙について興味を持ち始めると、自然とロケットにも目が向くようになります。

日本のH-IIAやH3、アメリカのロケット、ヨーロッパのアリアンシリーズなど、世界にはさまざまなロケットがあります。その中で私、鳥海雅仁が特に興味を持っているのが「ベガ(Vega)」です。

ベガはヨーロッパの宇宙輸送を支えてきたロケットの一つです。

これまでの記事では歴史や打ち上げなど個別のテーマからベガを紹介してきましたが、今回は少し趣向を変えて「これだけ知っておけばベガを楽しめる」という基礎知識をまとめてみたいと思います。

難しい数式や専門知識は必要ありません。

宇宙が好きな方、これからロケットについて知りたい方に向けて、私なりにベガの注目ポイントを紹介します。

そもそもベガとは?

ベガは、欧州宇宙機関(ESA)のプログラムとして開発されたロケットです。

開発ではイタリアが中心的な役割を担ってきました。

ベガという名前だけを見ると、宇宙に詳しい方なら「こと座のベガ」を思い浮かべるかもしれません。

日本では「織姫星」としても知られている明るい恒星です。

しかし今回紹介しているベガは、地上から人工衛星などを宇宙へ運ぶロケットです。

初代ベガは2012年2月13日に初飛行しました。

そこからヨーロッパの宇宙輸送を担うロケットとして、さまざまなミッションに利用されてきました。

ベガはどれくらいの大きさ?

ロケットについて知ると、やはり大きさが気になります。

初代ベガの全長は約30メートルです。

30メートルと聞いても、なかなかイメージしにくいかもしれません。

一般的な建物で考えれば、おおよそ10階建て前後の建物を想像すると、スケールをつかみやすいでしょう。

人間と比べれば十分に巨大です。

しかし、世界の大型ロケットには高さが50メートル、60メートルを超えるものもあります。

そのためロケットの世界では、ベガは比較的コンパクトな存在です。

私はこのサイズ感もベガの魅力だと思っています。

何でも巨大化するのではなく、自分の役割に合わせた機体を作る。

そこに設計思想が表れているように感じます。

何を宇宙へ運んでいる?

ベガの大切な役割は、人工衛星などを宇宙へ運ぶことです。

特に地球観測や科学研究、技術実証などを目的とする衛星の打ち上げに利用されてきました。

ロケットの打ち上げを見ると、どうしても炎を噴き出しながら飛んでいく機体そのものが主役に見えます。

しかし私は、ロケットは「運ぶもの」とセットで見るともっと面白くなると思っています。

人工衛星にはそれぞれ目的があります。

宇宙から地球を観測する。

科学的なデータを集める。

新しい技術を宇宙空間で試す。

ロケットは、そうした仕事をする人工衛星を地上から目的の軌道まで運びます。

つまりベガの打ち上げは、その先にある人工衛星のミッションの始まりでもあるのです。

初代ベガは4段式

ベガの機体について知るなら、「4段式」という言葉を覚えておくと打ち上げ映像を楽しみやすくなります。

初代ベガは4つの段を使って人工衛星を宇宙へ運びます。

第1段はP80。

第2段はZefiro 23。

第3段はZefiro 9。

そして第4段がAVUMです。

第1段から第3段には固体ロケットモーターが使われています。

それぞれの段は、自分の役割を終えると分離されます。

なぜ切り離すのでしょうか。

役割を終えた部分をそのまま宇宙まで運び続ければ、それだけ余計な重量を抱えることになります。

必要なくなった段を切り離し、機体を軽くしながら飛行を続けるわけです。

私は、この仕組みを初めて理解したときにロケットの合理性に感心しました。

巨大な機械ですが、非常に計算された構造なのです。

ロケットは真上へ飛ぶだけではない

ロケット初心者の方にぜひ知ってほしいことがあります。

ロケットは単純に「宇宙まで真上に飛べばいい」という乗り物ではありません。

人工衛星を地球の周囲にある目的の軌道へ送り込む必要があります。

そのため、打ち上げ後には飛行方向を変えながら速度を上げていきます。

人工衛星を軌道に乗せるためには、高度だけでなく速度も非常に重要です。

私はこの仕組みを知ってから、打ち上げ映像を見るときにロケットの飛行方向にも注目するようになりました。

発射直後は上へ向かっているように見えますが、その後は徐々に軌道投入に必要な飛行へ移っていきます。

「宇宙へ行く」というより、「地球を回り続けられる状態まで運ぶ」と考えると、人工衛星の打ち上げを理解しやすくなります。

ベガはどこから飛ぶ?

ベガについて覚えておきたいもう一つのポイントが、打ち上げ場所です。

ベガは南米のフランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられてきました。

ヨーロッパのロケットなのに南米。

私はこの組み合わせがベガを知り始めたころから好きです。

ギアナ宇宙センターは赤道に比較的近い場所にあります。

ロケットの打ち上げでは、地球の自転を利用できる場合があります。そのため、どこに宇宙基地を置くのかは重要です。

ロケットについて調べていたはずなのに、地球の形や自転、緯度の話までつながっていく。

宇宙開発には、こうした知識の広がりがあります。

ベガCという後継機もある

ベガを知るなら、「ベガC(Vega-C)」も覚えておきたい名前です。

ベガCは、初代ベガを発展させた後継ロケットです。

2022年7月に初飛行しました。

第1段にはP120C、第2段にはZefiro 40、第3段にはZefiro 9が採用され、上段にはAVUM+が使われています。

輸送能力の向上などを目指し、初代ベガからさまざまな変更が行われました。

私が面白いと思うのは、初代ベガとベガCを比較できるところです。

「何が変わったのか」

「なぜ変更したのか」

「どんな能力が向上したのか」

こうした疑問を一つずつ調べていくと、ロケット開発の考え方が少しずつ見えてきます。

ベガの魅力は数字だけではない

ロケットについて調べると、推力、重量、搭載能力など、たくさんの数字が出てきます。

もちろん、それらも重要です。

しかし私は、最初からすべての数字を覚える必要はないと思っています。

まずは、

「ヨーロッパのロケット」

「イタリアが中心となって開発」

「比較的小型の人工衛星を運ぶ」

「南米フランス領ギアナから打ち上げる」

「初代ベガからベガCへ進化した」

このくらいを知っていれば、十分にベガを楽しめます。

そこから興味のある部分を深掘りしていけばいいのです。

鳥海雅仁がベガをおすすめしたい理由

私、鳥海雅仁が宇宙好きの方にベガを知ってもらいたい理由は、一つのロケットから宇宙開発のさまざまなテーマへ興味を広げられるからです。

機体を調べればロケット工学。

人工衛星を調べれば地球観測や科学研究。

ギアナ宇宙センターを調べれば地理。

ESAを調べればヨーロッパの国際協力。

ベガCまで追いかければ、ロケット技術の進化についても知ることができます。

ベガは巨大ロケットほど目立つ存在ではないかもしれません。

しかし、詳しく調べていくと「こんなところにも面白さがあったのか」と次々に発見があります。

それこそが、私がベガを好きな理由です。

宇宙に興味を持ち始めた方も、ぜひ一度ベガの打ち上げ映像を見てみてください。

そして「このロケットは何を宇宙へ運んでいるのだろう?」と考えてみてください。

そこから、もっと広い宇宙開発の世界が見えてくるはずです。

私、鳥海雅仁もこのブログを通じて、これからもベガの面白さをいろいろな角度から紹介していきたいと思います。

ベガの打ち上げを見てみたい!ロケット発射の流れを紹介

鳥海雅仁

こんにちは、鳥海雅仁です。

ロケット「ベガ(Vega)」について調べていると、最終的にはやはり実際の打ち上げを見たくなります。

発射台に立つベガ。カウントダウンが進み、エンジンに点火。機体の下から猛烈な炎が噴き出し、ロケットがゆっくりと地上を離れていく。

私はロケットの打ち上げ映像を何度見ても、この瞬間には独特の緊張感と魅力があると感じます。

しかし、ベガの打ち上げは「点火して宇宙へ飛んでいく」という単純なものではありません。人工衛星を目的の軌道まで届けるため、飛行中にはさまざまな出来事が起こります。

今回は私、鳥海雅仁が、ベガの打ち上げではどのようなことが行われているのか、その大まかな流れを紹介します。

ベガが飛び立つギアナ宇宙センター

まずは打ち上げ場所から見てみましょう。

ベガが打ち上げられてきたのは、南米北東部のフランス領ギアナにある「ギアナ宇宙センター」です。

ヨーロッパのロケットなのに南米から飛び立つというのは、初めてベガを知る人には意外かもしれません。

私もベガについて調べ始めたころ、「どうしてフランスやイタリアから飛ばさないのだろう?」と疑問に思いました。

ギアナ宇宙センターは赤道に比較的近く、ロケットを打ち上げるうえで地理的なメリットがあります。

地球は西から東へ自転しています。その力をうまく利用できれば、目的とする軌道によっては打ち上げを有利に進めることができます。

さらに、打ち上げ方向の条件なども宇宙基地を考えるうえでは重要です。

ロケットは機体の性能だけで飛んでいるわけではありません。

「地球上のどこから飛ばすのか」もミッションの一部なのです。

打ち上げ前からミッションは始まっている

私たちが映像で見るのは、カウントダウンの最後の数分間が中心です。

しかし当然ながら、ミッションはそのはるか前から始まっています。

ロケット本体の準備だけでなく、人工衛星の確認、機体への搭載、各種システムの試験など、多くの作業が必要です。

人工衛星は非常に高価で精密な機器です。

ロケット側にも問題がないことを確認しなければなりません。

さまざまな準備と確認を積み重ねた先に、ようやく打ち上げの日があります。

私はこの背景を知ってから、カウントダウンの見方が少し変わりました。

「10、9、8……」という最後の数秒だけではなく、そこに至るまで長い時間をかけて準備してきた人たちがいる。

そう考えると、ゼロになる瞬間の重みを感じます。

第1段がベガを空へ押し上げる

初代ベガは4段式のロケットです。

打ち上げ直後に活躍する第1段が「P80」と呼ばれる固体ロケットモーターです。

点火すると大きな推力を発生させ、ベガを一気に上空へ押し上げます。

ロケットの打ち上げ映像でも特に迫力がある部分です。

発射直後のロケットは燃料を含めて重いため、その機体を地球の重力に逆らって加速させなければなりません。

ここで第1段が大きな仕事をします。

そして、燃焼を終えて役割を果たすと第1段は分離されます。

私はロケットの段分離を見るたびに、非常に合理的な仕組みだと感じます。

役割を終えた部分をいつまでも運ぶのではなく、切り離して機体を軽くする。

そこから次の段へ仕事を引き継いでいきます。

第2段、第3段へバトンタッチ

第1段の次は、第2段の「Zefiro 23」が働きます。

さらに、その後は第3段の「Zefiro 9」へと移ります。

第1段から第3段までは固体ロケットモーターです。

それぞれが順番に燃焼し、役割を終えれば分離され、ベガはさらに宇宙へ近づいていきます。

私はこの流れを見ると、リレー競技を思い浮かべます。

第1段が全力で走り、第2段へ。

第2段がさらに加速し、第3段へ。

そして最後の段へ仕事をつないでいく。

もちろん実際のロケットははるかに複雑ですが、初めて仕組みを知る場合には、このように考えると理解しやすいと思います。

フェアリングも途中で分離する

打ち上げ中には、ロケットの段だけでなく「フェアリング」も分離します。

フェアリングは、ロケット上部に搭載されている人工衛星を覆っている部分です。

地球の大気中を高速で飛ぶ間、人工衛星を空気の影響などから守る重要な役割があります。

しかし高度が上がり、大気の影響が十分に小さくなれば、そのカバーをずっと運び続ける必要はありません。

そこでフェアリングも分離します。

ロケットの映像を何となく見ていると、一部が外れただけに見えるかもしれません。

しかし、その一つ一つに「なぜこのタイミングで切り離すのか」という理由があります。

私は、こうしたポイントを知るほど打ち上げ映像が面白くなりました。

最後に活躍するAVUM

初代ベガの第4段には「AVUM」が使われています。

第1段から第3段までがベガを力強く加速させてきたのに対して、AVUMには人工衛星を目的の軌道へ投入するための重要な役割があります。

ロケットは宇宙空間まで到達すれば成功、というわけではありません。

人工衛星には、それぞれ目的に合った軌道があります。

その場所まで正確に運ぶ必要があります。

私はここにロケットの面白さが凝縮されていると思います。

打ち上げ直後は、大きな炎と猛烈な推力。

一方で飛行の後半には、人工衛星を目的の軌道へ送り届けるための精密な仕事が求められる。

「力強さ」と「正確さ」の両方が必要なのです。

人工衛星の分離は新しい仕事のスタート

目的の軌道へ到達すると、いよいよ人工衛星がロケットから分離されます。

ここまで来ると、ロケットの大きな仕事は完了に近づきます。

しかし、人工衛星側から見ればここがスタートです。

地球観測。

科学研究。

新技術の実証。

人工衛星はそれぞれの目的に応じて宇宙で活動を始めます。

私は人工衛星が分離される瞬間を見ると、「ロケットがバトンを渡した」という印象を受けます。

地上から宇宙までの担当がロケット。

そこから先を担当するのが人工衛星。

一つのミッションの中で、それぞれが役割を持っているのです。

ベガでは機体も進化|鳥海雅仁

ベガの後継機である「ベガC(Vega-C)」では、機体構成も進化しました。

例えば第1段にはP120C、第2段にはZefiro 40が採用されています。

初代ベガから受け継いだ考え方を基礎としながら、より高い輸送能力などを目指した機体です。

ベガとベガCの打ち上げ映像を見比べながら、どこが変わっているのか調べるのも面白い楽しみ方だと思います。

私は新しいロケットを見るとき、以前の機体との違いを探すのが好きです。

「なぜここを変更したのだろう?」

そんな疑問から調べ始めると、設計思想や宇宙開発全体の流れまで見えてきます。

鳥海雅仁がおすすめする打ち上げの楽しみ方

私、鳥海雅仁がおすすめしたいのは、ベガの打ち上げを見る前に、その日の搭載物を少し調べておくことです。

何という人工衛星なのか。

どんな目的があるのか。

どの軌道へ向かうのか。

これだけでも十分です。

背景を少し知ってから見ると、ロケットが単に空へ飛んでいく映像ではなく、「ある目的を達成するためのミッション」として見えてきます。

さらに段分離やフェアリング分離などの流れを知っていれば、

「第1段の仕事が終わった」

「そろそろフェアリングが分離するのかな」

「ここから人工衛星を軌道へ運ぶ段階だ」

というように、映像を追いながら楽しめます。

ベガの打ち上げは知るほど面白い

ベガの打ち上げは、発射台を離れる瞬間だけが見どころではありません。

準備があり、点火があり、段分離があり、フェアリング分離があり、そして最後に人工衛星を目的の軌道へ届けます。

一つ一つの工程がつながって、初めてミッションが成立します。

私はベガについて調べるほど、ロケットの打ち上げとは「巨大な機械を空へ飛ばすイベント」ではなく、非常に緻密に組み立てられた宇宙輸送なのだと感じます。

これから初めてベガの打ち上げ映像を見る方は、ぜひ段分離にも注目してみてください。

仕組みを少し知るだけで、映像の面白さは大きく変わります。

私、鳥海雅仁もこれからベガやベガCの打ち上げを追いながら、このブログでロケットの面白さを紹介していきたいと思います。

 

鳥海雅仁