鳥海雅仁のベガと日本のロケットは何が違う?特徴をわかりやすく比較
こんにちは、鳥海雅仁です。
ヨーロッパのロケット「ベガ(Vega)」について調べていると、私はよく「日本のロケットとは何が違うのだろう?」と考えます。
日本にもH3やイプシロンSなど、それぞれ異なる目的を持つロケットがあります。一方、ヨーロッパではベガシリーズが小型・中型衛星の宇宙輸送を担ってきました。
同じ「ロケット」という名前でも、開発された地域や目的、機体構成はさまざまです。
今回は私、鳥海雅仁が、ベガと日本のロケットを比べながら、それぞれの特徴について紹介します。
まず知っておきたいベガの特徴
ベガは、欧州宇宙機関(ESA)のプログラムとして開発されたロケットです。
特にイタリアが中心的な役割を担い、初代ベガは2012年に初飛行しました。
初代ベガの全長は約30メートル。
比較的小型の人工衛星を宇宙へ運ぶことを得意としてきました。
そして、初代ベガの後継として登場したのが「ベガC(Vega-C)」です。
ベガCでは輸送能力の向上などが図られ、ヨーロッパの宇宙輸送を担うロケットとして開発が続けられてきました。
私がベガに興味を持つ理由の一つは、この明確な役割です。
何でも運ぶ万能型というより、「この分野を担当する」という個性が感じられます。
日本にはH3ロケットがある
日本の代表的なロケットの一つがH3です。
H3は、JAXAと三菱重工業が開発した大型の基幹ロケットです。
ここでベガとの違いが見えてきます。
初代ベガが比較的小型の人工衛星を得意としてきたのに対して、H3はより大きな輸送能力を持つロケットです。
そのため、ベガとH3を単純に「どちらが優れているか」で比較するのは適切ではありません。
担当する仕事が違うからです。
私はロケットを比較するとき、この点を大切にしています。
大型トラックと小型トラックを比較して「どちらが優れているか」と聞いても、運ぶ荷物によって答えは変わります。
ロケットも同じなのです。
大きさを比べるとかなり違う
機体の大きさにも違いがあります。
初代ベガは全長約30メートルです。
一方、H3は構成によって違いがありますが、全長はおよそ60メートル級になります。
単純な高さで考えると、H3は初代ベガのおよそ2倍です。
写真を別々に見ると、どちらも巨大なロケットに見えます。
しかし数字を並べてみると、かなりサイズが違うことがわかります。
私も初めて大きさを比較したとき、「ロケットという同じカテゴリーでも、これほど違うのか」と驚きました。
ただし、ベガが小さいから性能が低いという意味ではありません。
それぞれ目的に合わせて設計された結果、大きさにも違いが生まれているのです。
ベガと日本の固体ロケット
ベガと比較する対象として、私がもう一つ興味深いと思うのが日本の固体ロケットです。
日本では、イプシロンシリーズなどの固体燃料を中心としたロケット開発が行われてきました。
初代ベガも、第1段から第3段に固体ロケットモーターを採用しています。
第1段がP80。
第2段がZefiro 23。
第3段がZefiro 9です。
そして第4段には液体推進系を備えたAVUMがあります。
このように見ると、ヨーロッパのベガと日本の固体ロケットには、「固体ロケットモーターを活用する」という共通点があります。
もちろん機体設計や運用方法などは異なります。
それでも、離れた地域でそれぞれ固体ロケット技術を発展させているというのは、ロケット好きとして興味深いところです。
打ち上げ場所も大きく違う
ベガと日本のロケットでは、打ち上げる場所も当然違います。
ベガは、南米フランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられてきました。
一方、日本の大型ロケットでは、鹿児島県にある種子島宇宙センターがよく知られています。
私はロケットについて調べるとき、宇宙基地を見るのも楽しみの一つです。
ロケットは工場で作って終わりではありません。
最終的には打ち上げ拠点まで運ばれ、発射設備と組み合わされ、宇宙へ向かいます。
さらに、宇宙基地の場所には地理的な条件も関係します。
どの方向へ打ち上げられるのか。
周囲の安全をどのように確保するのか。
目的とする軌道に適しているのか。
ロケットだけを見ていると気づきにくいのですが、打ち上げ場所まで含めて宇宙輸送システムなのです。
国際協力という点にも違いがある
ベガの大きな特徴が、ヨーロッパの国際協力です。
ベガはESAのプログラムとして進められ、イタリアを中心に複数の国々が関わってきました。
ヨーロッパには多くの国があり、それぞれの技術や産業を組み合わせながら宇宙開発を進めています。
一方、日本のH3ではJAXAと三菱重工業が中心的な役割を担っています。
私はこの違いにも、それぞれの地域の特徴が表れていると感じます。
ヨーロッパは国境を越えた協力。
日本は国内の宇宙機関と企業による開発。
どちらも宇宙への輸送能力を確保するという目的を持ちながら、その実現方法には違いがあります。
ベガCと日本のこれから
現在の宇宙開発を見るうえでは、初代ベガだけでなくベガCにも注目する必要があります。
ベガCでは、第1段にP120C、第2段にZefiro 40などが採用され、初代ベガから輸送能力の向上が図られました。
日本でもH3など新しい世代のロケットが活躍しています。
さらに小型衛星向けの宇宙輸送についても、さまざまな開発や計画があります。
世界では人工衛星の用途が広がり、民間企業による宇宙利用も活発になっています。
そのためロケットには、単純な打ち上げ能力だけでなく、コストや打ち上げ頻度、柔軟性など、さまざまな要素が求められます。
私はこれから、ロケット同士の競争だけでなく「どのロケットがどんな役割を担当するのか」という点がさらに面白くなっていくと思っています。
比較するとベガの個性が見えてくる
ベガだけを見ていると、それが普通に感じられることがあります。
しかし、日本のロケットと比較するとベガの個性がよく見えてきます。
約30メートルという初代ベガのサイズ。
固体ロケットモーターを中心とした構成。
比較的小型の人工衛星を運ぶ役割。
ESAを中心とした国際的な開発体制。
そして南米フランス領ギアナからの打ち上げ。
これらを組み合わせたものが、ベガというロケットです。
日本のロケットには日本の特徴があり、ヨーロッパのベガにはベガの特徴があります。
私は、この違いを知ることこそ世界のロケットを調べる面白さだと思っています。
鳥海雅仁が世界のロケットを比較して思うこと
私、鳥海雅仁はベガが好きですが、「ベガが一番だから他のロケットは必要ない」という見方はしていません。
むしろ逆です。
さまざまなロケットが存在するからこそ、それぞれの個性が見えてきます。
大型衛星を運ぶロケット。
比較的小型の人工衛星を運ぶロケット。
固体燃料を活用するロケット。
液体燃料を中心とするロケット。
国際協力で開発されるロケット。
一つの国を中心に開発されるロケット。
それぞれ異なる考え方で「宇宙へ物を運ぶ」という同じ難題に挑戦しています。
ベガと日本のロケットを比べてみると、宇宙開発に唯一の正解があるわけではないことがよくわかります。
目的が違えば、ロケットの形も変わります。
技術も変わります。
打ち上げ場所も変わります。
そこが、私がロケットを追いかけ続けたくなる理由です。
これからも鳥海雅仁のブログでは、ベガを中心に、ときには日本や世界のロケットとも比較しながら、宇宙輸送の面白さを紹介していきたいと思います。


