1973年の春.
大学生時代に暮らしていた金沢から,急行「大社」に乗り,倉吉線のC11撮影に出かけたことがあります.
急行「大社」は,
名古屋から来る急行と敦賀駅(福井県)と連結し,
小浜線に入り,日本海に沿って出雲まで西に向かうというもの.
この「大社駅」は 2代目で,
1924年に改築された純日本風の木造平屋建て.
駅舎内に入ると,タイムスリップします.
1990年当時の鉄道運賃表示板も残っています.
山口までは3,810円(普通乗車券).
2017年現在は,10,150円です.
大社駅は,山陰本線からの盲腸線の終着駅.
線路の向こうが出雲大社です.
駅構内に,D51 774号機が保存されていました.
本機は,1942年製造で1975年に廃車.
その後,出雲大社神苑に保存されていましたが,
2001年に現在地に移転したとのこと.
保存状態はあまり良くはありませんが,
ホームに停車というものは見たことがないので,貴重です.
100年近く前に建てられた駅舎,
冬の雪にも負けないで,当時の姿を残してくれています.
駅の事務室は,喫茶店になっていました.
お店の方のご厚意で,撮影させていただきました.
こちらは貴賓室.
観光案内所の窓口も,時代を感じさせてくれます.
清算所も,出雲大社を模した造り.
開業当時の時刻表も,そのまま掲示されています.
すべて普通列車の時刻.
駅舎を出たところにも,時代を感じさせるベンチがあります.
ホームには,ウサギのイラストが描かれた踏台も・・・
大切に残したいと願う,駅舎でした.