とりにとろです
今回は開発に非常に時間がかかったカスタムについて説明します。
時間がかかった原因はおそらくこれまで誰も作ったことの無いカスタムだからです。
ですので、今回はその経緯も含めて説明しますので長い記事になってしまいます。ご了承ください
それでは始まり始まり~
前回とりにとろは「ハンドガンをメインウェポンとして使用できるぐらい強化したい」と書きましたがそれにはどうすれば良いか?
1つめはアサルトライフルなどのすでにメインウェポンとして使われているものの能力を取り入れる方法。
2つ目は全く新しいハンドガンならではの能力を開発する方法。
前者はまえに紹介したサムライエッジのフルオートカスタムなどです。
今回は後者の方法を取ることにします。
と、いうわけで題名通り、今回は固定スライドモードとセミオートを使い分けられるようにします。
目標としては、通常時はセミオート射撃で戦い、敵陣地内に潜入する時などは固定スライドモードにすることで極端な消音戦闘を行えるようにします。
メタルギアのゲームに出てきたMk22 ハッシュパピーなんかはそうですね。
ゲーム内ではセミオートに切り替えることは出来ませんが、スライドロックをかけている状態ではコッキングで手動装填を行う必要がある代わりに、ハンドガンとしては最高の消音射撃をすることができます。
今回もブローバックガスガンを素体としてカスタムするので固定スライドモード時はコッキングを行う必要がありますが、それを補ってあまりあるメリットが期待できるでしょう。
では、まず最初にシンプルな方法を試してみましょう。
つまりは実銃と同じようにスライドロックレバーをつくって強制的にスライドを固定します。
ですが、その力にスライドが耐えきれるかわかりませんので実験してみましょう。
スライドを手で押さえながらM92Fを撃ってみます。
・・・無理です。はじき飛ばされました。
シリンダー内にはシリンダーバルブというパーツがありまして、これによって弾が発射された直後からガスの力はすべてピストンを押してスライドをブローバックすることに使われます。
ですので、もしスライドロックレバーを使って強制的にスライドを固定した場合、スライドかレバーのどちらかが力に耐えきれず破損してしまうでしょう。
シリンダーバルブを固定することも出来なくはありませんが、戦場で即座にモードを切り替えることは難しいでしょう。
よってこの方法は放棄します。
次にとりにとろが考えたのは「通常の固定スライドガスガンと同じ機構を取り入れる」方法です。
つまり、ハンマーがバルブを叩いた後すぐにバネの力でハーフコック位置まで戻すことによって、ガスを一瞬だけシリンダー内に送り込み、その後すぐにガス供給を絶つことでブローバックさせない方法です。
とりあえず実験としてバネをハンマーの前につけて撃ってみます。
おおっ!!
「ぼすっ」っというかなり小さな音とともに弾がブローバックせずに発射されました!
ですがこのままでは戦場で使うのはあまりにも不便でしょう。
ですがここからアプローチしてみます。
閑話休題
ちょっと長くなってきたので、休憩がてら少し関係のない話をしましょう。
ガスブローバックガンを買ったばかりの頃、とりにとろはガスガンの仕組みなどさっぱり分かりませんでした。
あるとき、マガジンバルブを叩いた後にバルブノッカーはどのようにしてガスの供給をストップさせるのか気になりまして・・・
バルブノッカーがバルブを叩いた後にバルブの上方に向かってすべり、バルブを押さなくなると思ったんです。
んで、実験してみようと思い、
スライドを外した状態でM92Fのトリガーを引いてみたんです。
・・・知っている方はもうお分かりですね?
ガスブローバックガンはスライドがハンマーを押した時にバルブノッカーも後ろに下がることでガスの供給を停止させています。
ですからスライドを外した状態でガス満タンのマガジンのバルブを叩いたら・・・
当然生ガスを顔面に食らいました。
それから暫くして、ようやくガスガンの仕組みを大雑把に知り、ひどく赤面したわけです。
閑話終了
ではいよいよ本格的に研究を開始します。
ここで思いついたものが冒頭でちらっと出てきた「サイレントシア」なるものです。
ハンマーの前にバネをはさむ代わりにバネを組み込んだシアを作成し、これを組み込むことで固定スライド射撃をおこないます。
この方法ならばトリガーを引く角度によってモードの切り替えが可能なので、実戦性も高いでしょう。
と、いうわけで早速作ってみました。
こちらが作ってみたサイレントシアです。
比較用においてあるのは10セント硬貨ですね。
適当なバネと金属で作り、薄いスチール板でスプリングを固定しました。が、ちょっとこのままだと組み込むには厚すぎるかな?と思い、ちょっとだけ改良しました。
んで、改良したのがこちら
真ん中に芯を入れて、それでスプリングを固定することでさっきよりは薄く作れました。
あ、比較用に置いてあるのは50AE弾の薬莢です。デザートイーグルとかで使う弾ですね。
えーと、ではこれを組み込んでみます。
これで前にサムライエッジのフルオートカスタムの時の画像にあった、フルオートシアのとなりの不自然なすき間が説明できます。
つまりはサイレントシアを入れる為のすき間です。
ってなわけで早速組み込んだ状態で撃ってみます。
・・・が、
ブローバックしてしまいました・・・
どういうことかと思い、中を見てみると・・・
サイレントシアスプリングがハンマーの力に負けて押しつぶされていました・・
良い線いっていると思っていたんですが、この太さでこれ以上強いバネを手に入れるのは難しそうだったのでいったんこの方法を放棄します。
ではどうしよう・・・っと思って考えついたのが「じゃあハンマー側にスプリングをつけてしまえ」方式
さっきと違い、スプリングをハンマーに取り付けます。
メリットとして、より大きくて強いバネを取り付けるスペースを確保できるでしょう。
というわけで作ってみた
ハンマーの根元に見える銀色のパーツがスプリングです。
また、さっきのサイレントシアは使っているうちに歪んできたのでもうちょい堅い金属でサイレントシアを作ってみたのがこちら
んでんでんで、これらを組み込んだサムライエッジを撃ってみました!!
・・・・・・が
ちくしょー!!まだブローバックしてしまいます。
やっぱりスプリングの力が足りません。
考えてみれば当たり前で、サイレントシアはてこの原理でハンマースプリングの力をかなり強く受けてしまうので、並大抵のスプリングじゃあ耐えきれないでしょう。
ここらでだんだんヤケクソで無我夢中になり、セレクターと連動させてゴム板を出し入れさせたり、もういっそハンマーに緩衝剤を収納するスペースを作ってやろう、などと支離滅裂な考えをし始めましたが・・・まあ当然実現はしませんでした。
おしまい
と、なる予定だったんですが・・・
偶然のいたずらが起こったんです
もうだいぶM92Fのサイレントシア計画は放棄されかけてきた頃でした。
たまたますこし興味を持ったKSC製 M9A1を購入してみたんです。
すこし分解してみて、デコッキングの仕組みに感心している時です。
「へ~、セレクターをセフティ位置まで下げると連動してバルブノッカーが持ち上がることでシアが外されてハンマーが落ちてもバルブノッカーがバルブの上にずれて、バルブを叩かなくてすむのか~
・・・・・・ん?
まてよ?バルブノッカーが上にずれるってどっかで聞いたことあるぞ?
はい、ここで閑話休題を読んでいない方は読んでみてください。
ひょっとすると、もしかすると、
昔のバカな勘違いを利用して、一瞬だけガスをシリンダーに送り込むことが出来るかもしれません。
要は、バルブノッカーがバルブの上の端っこを叩くようにすることで、バルブノッカーは叩いた後にすぐに上方にずれて、ガス供給を断つ、つまりは昔の勘違いをまるまる再現してみるということです。
というわけで、実験してみます。
セレクターをセミオートとセフティの中間あたりで固定して、撃ってみます。
「ぼすっ」
ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!
というのが第一感想です。
ここにたどり着くまでに実に2年。
様々なパーツを作り、試行錯誤した結果が、「何もパーツを作らなくても出来る」となってしまったわけです。
まあなんだかんだ言って嬉しかったので、M9A1のセレクターにサイレントポジションを削りました。
最初はサムライエッジと同じように、ただ凹みをつけるだけだったのですが、どうもkscのM9のセレクターについているスプリングはかなり強力だったようで、少しの衝撃でセミオート位置まで動いてしまうので、
上の写真のように組み込もうとしたのですが、パーツと接着剤が力に負けて外れてしまったのであきらめて、ただ削るだけで妥協しました。
ついでに、せっかくスライドロックをつけるのならばと思い、サイレンサーを着けれるようにしようと思いましたが、サイレンサー用バレルはお高いのと、kscの製品なのでマルイなどの14ミリ径のサイレンサーが着けられないという理由から、自作することにしました。
出来たものがこちら。
アンダーマウントレールにマルイのフラッシュライトをつけています。
サイレンサー用のネジは、マルイ製のL96用サイレンサーアダプターを削って、強力な接着剤を使い固定しました。
では全体像はこちら
これがセフティ(デコック)
射撃の動画はYOU TUBEにアップしています。
リンクを貼っておきます。
こちら
では今回はこの辺りで終了です。
ですが最後に一つだけお聞きください。
とりにとろは結局「サイレントシア」の作成をまだ成功させていません。
今回は最初の目標は達成しましたが、このカスタムが可能なのはこれと同じデコッキングシステムを搭載しているハンドガンだけです。
ハーフコックまでしかデコックできないkscのUSPや、マルイのSIGではこのカスタムは行うことが出来ないのです。
ですが、とりにとろの目標はあくまで「ハンドガンをより多くの人に実戦性を持って運用して欲しい」ということです。
なので、とりにとろは今後も「サイレントシア」の作成に挑戦します。
サイレントシアならば、基本的にどんなガスブロハンドガンにも搭載可能なはずです。
もし、このブログを見て、サイレントシアの作成に挑戦してみようと思った方。
完成したらとりにとろにも是非教えてください。
完成すればハンドガンの地位は大きく向上するかも知れません。
以上です。
では長~い長~いお話はこれで終了です。皆さん本当にお疲れ様でした。
結局カスタムに必要なことは極端に少なく済みましたね。
まだ確かめていませんが、マルイのM9A1でも同じことが可能な気がします。
次に何を書くかはまだ決めていませんが、場合によっては次はハンドガンを少し離れて、ボルトアクションエアーライフルについて書くかも知れません。
それでは、ここまでおつきあい頂き、本当にありがとうございました。
それでは