(梅雨時は腎の季節)
6月は湿氣が多いので、腎が重要です。
梅雨時に限らず、腎は生命のライフラインです。たとえばオシッコが出なくなったら、人は死にます。
体内の氣血水のすべてを腎が監督しています。腎は肝とタッグを組んで、肝臓が解毒した老廃物のデトックスを受け持ちます。
骨も腎がコントロールしています。
腎のバロメーターがウエストだと言うのが、ブリージングの常識です。ウエストをつかんでみて、厚みや弾力に左右差がある人がほとんどです。
腎は二つありますが、厚くて固いウエスト側の腎が疲れています。腰痛も同じ側がなりやすいです。
片膝立ちの肋骨上げも、ウエストが固くて厚い側を念入りにやりましょう。
蹲踞(そんきょ)で胸前で合掌します。
合掌した手を上下左右に動かすとバランスが崩れそうになります。
その揺らぎの中で、なおバランスを保とうとすることで、足の五指が刺激されて腎の疲れが取れます。
片足蹲踞で片足開脚になります。そのまま前屈すると、足裏=腎と、内腿=肝が刺激されます。
内腿には肝経だけではなく、脾経、腎経も走っているので、体内の水はけがよくなります。
梅雨時は『梅雨冷』と言って身体が冷えやすいです。梅雨冷は身体の外側は熱く感じるのに、内側は冷えていると言う、内外差の冷えです。
冷えにも上下差や、左右差があります。
赤ら顔の人は、一見元氣ですが、内側が冷えています。放っておくと年々突然死のリスクが高まるので、しっかり冷えを抜きましょう。
ぬるま湯での半身浴を長めに行いましょう。
梅雨時は汗をかくことも体調管理のポイントなので、前後開脚も無理のない範囲でやりましょう。
太腿の裏側は発汗ラインです。
水はけのよい身体にしましょう。
(梅雨時は消化器も大事)
6月は消化器の時期でもあります。梅雨時に食中毒が多いのは、消化器の疲れから来ている面もあります。
食中毒の予防には梅干しがいいです。白砂糖やハチミツが入っていない、昔ながらの梅干しを毎日食べましょう。
梅雨時は食欲が落ちるのが正常なので、ダイエットのチャンスです。6月に食欲旺盛な人は元氣と言うより鈍感です。
割座の仰向け寝万歳で、膝を遠くに向かってバウンドさせます。脾経が刺激されます。
鳩尾とお臍のラインを引き離していくイメージです。
このラインが縮んでいると、左右の腸腰筋も折れてしまうので、身体の動きの質が格段に落ちます。
ヨガの太陽礼拝の姿勢で万歳です。万歳すると肩も一緒に上がってしまいやすいですが、肩は下げて腕だけ上げます。
胸椎を反らせて顔を斜め上に向けます。梅雨空の向こうに輝く太陽をイメージしましょう。
骨盤は大地に向かって沈めて行きます。肋骨と骨盤が引き離されると、お腹に収まっている内臓がすべて元氣になります。
そして、合掌合蹠体操などで内腿を使いましょう。
内腿が貧弱になると、太腿前面を固めて守ろうとします。
太腿前面は胃経なので、食べてストレスを誤魔化しやすくなります。性格も図々しくなります。
アスリートで胸と大腿四頭筋がたくまし過ぎる選手は二流です。大腿四頭筋はブレーキの筋肉なので、あらゆる動きが鈍くなります。
胸板も暑すぎると、腕の操作を邪魔します。見た目と機能は違います。
(運身)
身体を動かすことは、単なるエクササイズではありません。身体を動かすことを通して、自分の運命を運んで行くからです。
これを運身(うんしん)と言います。
運命を他物に委ねてどこかへ向かうことを、運転と言います。車の運転を考えれば分かりますね。
自分の身体ひとつでゴールに向かって歩むことを、運動と言います。
経営者やリーダーが、組織を繁栄に向かう方向に導くことを運営と言います。
全部、動かすことです。特に肝心なのは背骨を動かすことです。
氣功では、「背骨は最大のDNA」と呼ばれているからです。
背骨には自分だけでなく、先祖代々の情報まですべて書き込まれていると教える先生も居ます。
しかし、現代人は背骨を脊柱=ただの柱 とのみ認識し、動かそうと言う発想がほとんどありません。
これが運命がなかなか好転しない理由のひとつです。
動くことが大事だと言っても、自分探しのようにウロウロしても、運命は変わりません。自分も見つかりません。
自分の進むべき方向を決めて、そちらに向かって動き続けることで運命も決まって行きます。
その過程で、自分が創られて行きます。自分とは、探すものではなく、創るものです。
(体側の縮み)
身体の機能が低下して行くのは、加齢だけでなく、緊張と縮みも大きな原因です。特に体側と内腿が縮みます。
加えてお尻の下部が貧弱になることで、ますます衰えがすすみます。
体側の縮みを取る体操を紹介します。
まず四つん這いになります。両手は肩の真下、膝は股関節の真下にセットします。
左の体側を縮めて、右の体側を伸ばします。首は背骨の延長で左に伸ばします。
胴体を伸ばす・縮めるの動きです。
左の肩越しに左のお尻が見えるでしょうか?
見えない人は右の体側が縮んでいます。右の肝臓の機能が低下しています。
右の体側を縮めて右のお尻を見に行きます。左の体側が縮むと、消化器の機能が低下しています。
お尻が見えないのは、首の緊張・コリもあります。首の左側が固くなると、新しいことを覚える力が下がります。
首の右側が固くなると、思い出す力が衰えます。
この体操をやり込むほどに、ウエストのぜい肉が取れます。
身体の敏捷性も甦って来ます。
この体操はキューティーハニー体操の補強・布石にもなります。
腰幅に立って腰を少し落とし、交差した両手を太腿前面に置きます。
左右の体側を交互に伸ばしながら、肩越しにお尻を見に行きます。
この体操は腎臓に効きます。全身の関節を絞って、関節に溜まった老廃物を絞り出してくれます。
ウエストが引き締まります。
長座でその場歩きも効きます。左右の股関節に交互に体重を乗り換えます。やはり伸ばす・縮めるの動きです。
縮める側のお尻は完全に床から浮かせます。伸ばす側の股関節でしっかり床を捉えます。
この姿勢でしばらく静止してもよいです。40分静止できるほどコントロールできる人は、いくら食べても太らないでしょう。
(夏至)
2024年の夏至は、6月21日です。骨盤がマックスに開くのが夏至。
夏至と冬至、春分と秋分の節目の時期は運氣が大きく動きます。
夏至を過ぎると骨盤は閉じ始めます。つまり、身体はもう冬に向かい始めます。
「陽極まって陰になる」境目の日が、夏至です。
骨盤が開いているので、夏至の前後は激しい運動は控えましょう。
七夕でまた変わります。季節の変化に応じて、陰陽を調和させましょう。
病氣とは、身体が陰陽のどちらかに過剰に傾くから起きます。
夏至は陽が過剰になる時期なので、下半身=骨盤を基礎のストレッチで穏やかに整えるとバランスが取れます。
下半身は身体を支える陰の存在だからです。陰の経絡を整える簡単な体操を紹介しましょう。
内踝のすぐ上に、三陰交(さんいんこう)と言うツボがあります。脾・腎・肝の3つの陰の経絡が交わる重要なツボです。
内踝と膝の中間に漏谷(ろうこく)と言うツボがあります。尿のお通じを良くするツボです。
どちらのツボも、座位になって反対側の足の踵で踏むことが出来ます。
内腿はオシッコのラインなので、梅雨時はしっかり刺激しましょう。
90年代から2000年代初期のブリージングストレッチでは、古久澤先生が生徒さん全員の足を揉んだそうです。
すごく顔がむくんでいた生徒さんが居ましたが、足を揉んだ後に、ずっとトイレから帰ってこなかった。
戻ってきたら、顔が一回り小さくなっていたそうです。顔のむくみは腎から来ていると言うことです。
オシッコを出すことは、これほど大事なんです。
体操が終わった後、履いて来たブーツがブカブカになった女性も居たとのことです。
三陰交や漏谷のツボを刺激して、左右の脚足で痛さが違うと感じる人も多いでしょう。
腎経は左右差があります。腎の疲れ具合に左右差があるほど、痛みにも差が出ます。
西洋医学では、「腎臓は二つあるから、一つ取っても大丈夫だ」と主張しますが、漢方では腎は左右で役割りが違います。
左側は甘いモノを摂った老廃物の排泄を、右側は動物性たんぱく質と塩氣の排泄を受け持つと言うのが漢方の考え方です。
内臓にも陰陽があります。心臓や肝臓は一つしかないから陽性ですが、腎臓や肺は二つあるから陰性です。それぞれに意味があります。
夏至の話に戻ると、夏至を挟む一週間の内に恵方参りしておくとよいです。
今年は三碧木星(さんぺきもくせい)の年なので、恵方は真東です。
自宅や職場から見て、東にある神社に参拝しましょう。
恵方参りは、夏至冬至、春分秋分の時期に行うと効きが違います。
(リンク)
ブリージング本院の、YouTube動画配信はこちらです。
ブリージング本院のインスタグラムとラインの登録はこちらです。
Instagram → ブリージング本院インスタグラム
LINE → ブリージング本院ライン
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。
写真は、虹の夏の空をバックにしたボクのスナップです。
夏越の大祓に参拝する方も多いでしょう。神社に自分の名前を書いた人型を持って行くと、お祓いしてくれます。
紙は神に通じます。紙に自分の手で書く=火久 ことで、エネルギーが宿ります。
勉強もスマホやパソコンの画面でするよりも、紙に自分の手で書いた方が頭が良くなります。
人型は自分の身体にこすりつけましょう。これであなたの情報が移って行きます。
更に息を吹きかけます。息は自分の心と書きます。だから息を吹きかけることが大事なんです。
息と呼吸は違います。現代人は生きるために、かろうじて呼吸しているだけなので、不調だらけです。
今日より始めて、息を磨きましょう。
大祓は言葉によって邪氣を祓う、風の祓です。
人はみな、心の底に、真心=真澄の心を持っています。しかし、異心によって真心が曇っています。
真心以外はすべて、異心です。異心を祓えば、敬い、慎み、戒めの心が甦って来ます。
さらに加えて、体操で身の祓を行なうと完璧です。
体操とは、身滌(みそぎ)なのです~。
つづく
次回の記事更新は、令和6年6月16日予定です。