月刊ブリージングストレッチ令和6年2月号・・・・極陽(ごくよう)の一年が始まります | 「チンパンのブログ」

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(陽中の陰)

 2月4日から本格的に2024年の氣が動き出します。今年は十干は甲(きのえ)、干支は辰、九星は三碧木星(さんぺきもくせい)。つまり天地人の氣が全部陽性になる極陽(ごくよう)の年です。

 

 良くも悪くも、これまで潜象(せんしょう)=内部的な兆し として進行していた要素が、一氣に表面化し、伸長しやすい年になります。

 

 前回の甲辰(こうしん)の年、1964年には、東京オリンピックと言う陽のイベントが開催。日本はオリンピックを境に、ますます経済的な発展を遂げました。

 

 

 その前の甲辰は1904年。日露戦争開始の年です。戦争は極陽の社会現象です。アジアの新興国家日本が、ヨーロッパでも歴史の古い国のひとつ、ロシアと激突しました。

 

 甲は発芽しようとした芽が殻を破ろうとしている姿の象徴。あるいは新芽がまだ寒い外氣に耐える姿でもあります。

 つまり、新旧衝突を表します。まさしく日露戦争です。

 

 日本は苦戦しながらも、何とかきわどい勝利に持ち込みます。

 戦後は西洋列強の仲間入りをし、ますます勢力を伸ばして行きます。陽一辺倒です。

 

 イケイケになった日本は、アメリカと戦争してボロ負けしました。日露戦争から約40年後です。

 思い上がると滅びの道を突き進むのは、人も国も同じです。

 

 

 2024年も、世の中全体が陽!陽!で騒然としやすい年になる可能性が高いですが、そんな時こそ自分の中に「陰」を持ちましょう。太極図にある、「陽中の陰」を体現しましょう。

 

 瞑想などで「静けさ」を追求する時間を持ち、時には酵素断食で消化管を空にし、人には「譲る」氣持ちを少しでもいいから持ちましょう。

 

 あなた一人の息と心が鎮まるだけでも、世界に良い影響を与えます。

 

 

(肩甲骨を立てる)

 2月と言えば、花粉症が始まるシーズンです。今年は暖かいので、1月に発症する人も多かったですが。

 

 ブリージングでは毎年言っていることですが、肩甲骨の固さが花粉症の大きな原因です。

 1月に後頭骨が開き、2月に肩甲骨が開き、3月に骨盤が開いて春モードの身体になります。

 

 しかし、現代人は肩甲骨と肋骨が癒着している人が多いため、開こうとする肩甲骨が引っ掛かります。

 その引っ掛かりを解消するために、クシャミや涙、鼻水で身体が肩背部を緩めようとするのが花粉症です。

 

 

 肩甲骨の体操は、今までたくさん紹介しているので、今回は肩甲骨を立てる体操を一つだけ紹介します。

 

 左手指先で右胸鎖関節に触れます。右腕は斜め下45度で体側に垂らし、右胸鎖関節から外旋させます。

 すると肝臓と深い関係を持つ、右肩甲骨が立ちあがって、右の背中に入って行きます。

 

 肩甲骨と肋骨が癒着している人は、普段肩甲骨が寝ています。その結果、いつも猫背の巻き肩になっています。

 

 肩甲骨が寝たまま、『肩甲骨剥がし』の施術を受けても体質は改善しません。肩甲骨が立つと、連動して寝ていた仙骨=骨盤も立ってきます。

 

 

 右腕を体側に近づけて、左手で右の二の腕をつかみます。二の腕は残したまま、左肘から先だけを外旋から解放します。

 これですごく右肩が落ちます。

 

 左肩甲骨も同様にして立てたら、両腕同時に外旋させましょう。立位でやってもいいです。

 聖母マリアの宗教画で、よくこういうポーズが出て来ます。『聖母のポーズ』と呼んでもいいくらいです。

 

 氣功にも、こういう站椿功があります。「ウルトラの母」もこういうポーズを取っていました(笑)。

 

 

   肩甲骨が立つと、自然にバストアップします。肩甲骨が寝たまま胸だけいじっても無駄です。

 猫背も巻き型も解消されないから胸は垂れる一方です。

 

 『しあわせを引き寄せるカラダ』のP58~61に『超簡単なバストアップ法』が紹介されています。

 

 縦マクラを胸椎上部・中部に当てて仰向けに寝るだけですが、これも寝ていた肩甲骨を立てる効果があるので、その面からも期待できます。

 

 

 

(名前の力)

 今年は元旦から地震があったため、「次はどこに地震があるんだろう」と心配する人が増えました。

 しかし、災難に意識がフォーカスしすぎるのも良くありません。

 

 『引きこもり』や『ニート』と言う言葉が流行語になると、実際に働かない人が増えました。『うつ病』もそうです。

 名前は力を持つので、マイナスの事象に名前をつけると、その事象を引き寄せやすくなります。

 

 『私は~病なんです』と自己紹介する人は、なかなか病氣が治りにくい傾向があります。その人の意識の中では、私=~病になっているからです。

 

 しかし、病氣はその人の『状態』であって、その人の『存在』ではありません。

 もっと言えば、多くの病氣は『老廃物の蓄積』に過ぎません。ただの老廃物だと思えば、恐怖心も薄らぎます。

 

 医者でもないのに、やたらと病氣や病名に詳しい人は、それだけ病氣の世界にチャンネルが合いやすくなります。

 不幸も同様です。わざわざ不幸に関心を持たないようにしましょう。不幸な事象にいちいち名前をつけるのはやめましょう。

 

 どうせ名づけるなら、夢や志などのプラスの事に名前をつけましょう。それだけ実現しやすくなります。

 

 

 昔の人は、本当の名前を教えませんでした。相手に運命を握られてしまうからです。

 大ヒットしたジブリアニメの『千と千尋の神隠し』も、主人公は千尋という本名を奪われて、代わりに千と言う名前を与えられますが、本当の名前を忘れなかったので、無事に現世に戻って来れました。

 

 現実の世界でも、本当の名前を取り戻すことで、その人の魂が甦った例があります。

 フランスの心理学者、フランソワーズ・ドルトは、フレデリックと言う子供の治療を頼まれます。

 

 フレデリックは良家のおぼっちゃんでしたが、7歳になってもトイレに一人で行けず、言葉もろくに覚えられない状態でした。

 

 実はフレデリックは施設から養子に貰われた孤児で、施設ではアルマンと呼ばれていました。養子になったのは本当に幼い時なので、本人も自分がそう呼ばれていたことを忘れていましたが。

 

 ある日フランソワーズ・ドルトが裏声であらぬ方向を見て、「アルマン」と何度も呼びかけた所、フレデリックの眼に生き生きとした光が宿りました。

 

 

 フレデリックは養子になった時に、アルマンという名前と一緒に過去も切り捨て、良家のお坊ちゃんとして別の人格として生きることを強制されたのです。

 養親は善意でやったことですが、その子の潜在意識には耐えがたいことでした。

 

 そのため、発達障害のような状態を、自ら作り出していたのです。アルマンという忘れていた名前を思い出して以降、フレデリックの状態は目覚ましく改善し、症状や問題行動は全部消えたそうです。

 『自分はこの世界に居ていいんだ』と言う、自己肯定感が魂の底から湧いて来たからです。

 

 フランソワーズ・ドルトの呼びかけは、一種の催眠です。フレデリックを変性意識に入れることで治療しました。

 

 名前を呼ぶことには、これほどの力があります。私たちも自分の身体に語り掛けましょう。

 

 『肝臓さん、毎日働いてくれてありがとう』『膝さん、いつも支えてくれてありがとう』などと内言でいいいから話しかけると、きっと身体は答えてくれます。これも立派な健康法です。

 

 

(体側を伸ばそう)

 右の体側が縮むと、肝臓の働きが悪くなるため、ますます花粉症が酷くなります。体側の縮みを判定・改善する簡単な体操があります。

 

 膝立ちで両腕を体側に垂らします。

 左腕を左足に沿わせて下ろして行き、床に左手指先が楽に着くでしょうか?

 中途で左腕が止まる人は、右の体側が縮んでいます。精神的には怒りっぽくなります。

 

 この動きは、『右の体側を伸ばすと同時に、左の体側を縮める動き』=伸ばす・縮める の動きです。

 

 床に左手指先が着いても、身体を捻じったり倒したりして、無理に指先を着けるのも不可です。

 

 ちなみに、右手が床に着かない場合は、左の体側が縮んで、消化器の働きが悪くなっています。精神的にはクヨクヨし勝ちになります。

 

 

 壁やカーテンを背にして立ち、左腕を左足に沿わせて下ろして行き、左手指先が左膝に届くでしょうか?膝立ちでやったのと同じ動きです。

 背中が壁やカーテンから離れたら、捻じれている証拠です。

 

 立位でも、膝立ちでも左右均等に体側を伸ばせるようになりましょう。

 

 

 四つん這いでも行えます。四つん這いから、右手を左手の左側に置きます(指の向きは対称)。左の肩越しに左足を見に行きます。

 右体側が伸びて、左側が縮みます。

 

 左体側を伸ばして、右体側を縮める体操も五分に行ると良いです。

 

 一見シンプルな体操ですが、意外と出来ないことが分かります。それだけ肋骨が固まっているということです。

 『出来ているつもり』が一番怖いです。

 

 伸ばす・縮めるの動きが上達するほど、肋骨が柔らかくなり、肩甲骨もフリーになるので、花粉症も楽になります。

 消化器や肝臓も本来の働きが出来るようになるので、体調が良くなります。

 

 リンパの流れも良くなるので痩せます。呼吸も深くなり、感情も安定します。感情の乱れが、ガンの最大の原因です。

 地道な体操こそがあなたを変えてくれます。

 

 

(一利を興すは、一害を除くに如かず)

 歳を取って来ると、当然若い頃ほどパワー=筋力が出せなくなります。

 世間の常識では、筋力が衰えたことが原因と考え、筋トレに励んで筋力をアップしようとします。

 

 しかし、それは根本的な解決にはなりません。

 

 筋肉は本来的には収縮=縮む働きしか出来ません。ニュートラルな状態の筋肉が縮む過程でパワーが出ます。

 若者の筋肉は弾力に富んでいるので、収縮させてもすぐ元の長さまで戻ります。

 

 けれども、歳を取って来ると弾力が無くなって来るので、だんだん縮めた筋肉が完全に元の長さに戻らなくなっていきます。

 だから常に筋肉が中途半端に縮んだ状態が普通になります。

 

 握力が一番分かりやすいです。パーの手をグーにする過程で握力が発揮されるのに、中途半端なパーしか作れなくなっているので、握力がそれだけ出なくなります。

 

 握力アップのために筋トレをすると、屈筋=縮める筋肉がますます強化されるので、更に短縮が進みます。逆効果です。

 

 それよりも手指反らしなどの体操で、思い切り五指を開くと、パーを創る力が回復します。

 すると、その場で握力が上がります。筋肉の短縮が解消されたからです。

 

 この原理は、全身の筋力アップに当てはまります。

 

 

 ヨガには『磨く』と言う発想があります。外部からプラスを取り入れるよりも、緊張や歪みなどの内部のマイナス・ブレーキを外してやることで、身体の本来の能力が発揮できるという考え方です。

 

 健康面もサプリメントや薬を飲むより、身体の乱れを整えることで、自然治癒力を回復することを目指します。

 

 

 この考え方は仕事にも役立ちます。

 中国の政治哲学には、『一利を興すは、一害を除くに如かず(いちりをおこすは、いちがいをのぞくにしかず)』と言う思想があります。耶律楚材(やりつそざい)と言う名宰相が提唱したそうです。

 

 

 仕事も政治も、プラスのことをひとつ始めることは、マイナスのことを一つ無くすことに及ばない という考え方です。

 ヨガの『磨く』という思想と同じですね。

 

 250年以上続いた江戸幕府を創った徳川家康も、耶律楚材の教えを実行したそうです。

 織田信長や豊臣秀吉などの、革命児が最後は失敗した、行き詰った姿を見て学んだのでしょう。

 

 

 氣功でも、体質改善を図るには、スワイショウなどで少しずつ邪氣を捨てて行った方が安全です。ただし時間がかかります。

 これを瀉法(しゃほう)と言います。

 

 縦に身体を揺すったり、捻じったりしてプラスの氣を入れる補法(ほほう)は、上手く行けば、短期間で体質が変わります。 

 プラスの氣でマイナスエネルギーを身体から弾き飛ばす方法だからです。

 ただし反動も出る場合があります。

 

 

 マイナスを削る方法を主体に、プラスを適度に取り入れていくことが現実的でしょう。

 みなさんも、自分の体質改善、仕事、お金の問題、対人関係などに当てはめて考えてみてください。

 

 

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(虎徹のワン!ポイントコメント)

 ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

 写真は、毛布にくるまれたボクです。

 

 毛布にくるまれたボクの身体を真心とすれば、毛布は異心(ことごころ)です。

 神道では、人は本来清らかな真心そのものの存在だが、我欲などの異心に何重にもくるまれている と考えます。

 

 罪とは「包む」ことに通じます。その罪穢れ・異心を祓うことで、真澄の真心が現れます。

 

 ヨガの「磨く」と言う発想と似ていますね~。

 

 

 詐欺師は道端に落ちていた石ころでも、磨いて磨いて磨き抜きます。

 すると、その石ころは輝きを放ちます。

 

 その輝きに魅せられて、高いお金を払って買う人さえ出て来ます。

 やっていることは悪ですが、「磨く」ことには、これだけの威力があることも教えてくれます。

 

 

 みなさんも磨いてください。何を磨くかですって?

 脊椎を中心にした、自分の身体に決まっています。身体がすべてのベースだからです。

 

 脊椎を動かして罪穢れを祓い、瞑想で天地の氣を充填しましょう。

 

 2024年は色々あると思われますが、

 

 Tough times bring opportunity.    ピンチはチャンスです~。

 

 

                                            つづく

 

                                   次回更新は2月18日予定です。