ブリージング流損得論 | 「チンパンのブログ」

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(ブログの登場メンバー)

                                     
「チンパン」 ブリージングメソッドを分かりやすく伝えるため、日々猿知恵を絞っている。



「杏子(あんこ)」 長年にわたってチンパンの問答相手をつとめる。もはや腐れ縁と諦めているようである。



「虎徹(こてつ)」 ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペット・柴犬オス。

記事を知的でキュートなコメントで締めてくれる。

 

 

 

「私の職場の同僚は、仕事への能力も熱意もないため、その負担が全部私にかかっています。

 

 これで給料がほとんど同じなのは、おかしくないかと思います。

 私は丸損で、同僚は丸得ではありませんか?

 

 こんな氣持ちのまま一年を終えたくないので、ブリージング流損得論とも言うべきモノがあったらお聞かせください。

 

                                                     二宮損得」

 

 

「相談者さんの悩みは、働く人の普遍的な悩みだよね。チンパン君も経験あるでしょ?」

「そのとおり。

 

 詳細は避けるが、いわゆる『煮ても焼いても食えないような人』と組まされて、負担を負わされることは何度も経験している。

 

 その時は相談者さん同様に、『これで給料が同じなのはおかしくないか?』と思ったものである。下手をすると、相手の方がたくさん給料を貰っている場合さえあった」

 

「でも、その『どうしようもない人たち』と、ず~っと一緒に仕事をしてた訳じゃないんだよね?

 

 どんな職場にだって異動や定年があるから」

 

「これまたその通り。

 

 優秀な人と組んだ時は、大変楽チンであった。自分が氣づかなかった仕事まで、言わなくてもドンドンこなしてくれる。

 

 結局チンパン自身の仕事がきつくても、楽であっても、給料は大して変わらなかった(残業した分は別)」

 

「つまり、数年間スパンで平均すると、バランスは取れているってこと?

 

 するとチンパン君自身だけに話を限れば、公平って言えば公平と言えるかもね。

 

 

 でも相談者さん自身は、同僚が丸得している(ように見える)ことが不満なんでしょ?

 この問題はどうすればいいの」

 

「どうしようもありません(笑)。しょせん他人は変えられない。

 

 チンパンも過去、『煮ても焼いても食えない人』と何度も衝突したけれど、相手は最後の最後まで、どうしようもないままだった」

「バッサリだね(笑)」

 

「そして優秀な人はどこまでも優秀だった。人間には出来・不出来がある以上、仕方がないことである。

 

 本人が『変わりたい』と本氣で願わない限り、端がどんなに働きかけても無駄」

 

「馬を川に連れて行くことは出来ても、水を飲ませることは出来ない って言うもんね」

「相談者さんが不満を晴らすことだけを望むのなら、その同僚に一発お見舞いすれば済む話。

 

 少なくとも氣分だけはスッキリするであろう(笑)」

「それこそ何の解決にもならないじゃん!相談者さん自身が職場に居づらくなっちゃうよ。

 

 でも確かにどうしてもその同僚が嫌だったら、相談者さんが仕事を変えるしかないんだよね」

 

 

「だが新しい職場で、また同じようなタイプが現れない保証はない。

 

 チンパン自身の経験を振り返っても、どうしようもない人とようやく縁が切れたと思ったら、また同じような人・もっと酷い人が現れたことが何度かあった。

 

 天は人の口を借りてモノを言う。何かを学ぶ必要があるから、その嫌な人の姿を通してメッセージをくれるのである。

 

 その学びが終わるまでは、どうしようもない人との出会いも尽きることはない。

 

 思えば、優秀な人と組んだ時よりも、ダメな人と組んだ時、その後始末をしなければならない時の方が、仕事の力・問題解決力は身に着いた。

 

 実は、今も諸事情で他人の仕事分までチンパンがやる羽目になっているのであるが、昔ほど心が揺れることはない。

 それは、自分ならやり遂げられると言う自信と見通しがあるから。

 

 昔、似たような状況に立たされた時に大騒ぎしていたのは、今思えばクリアできる自信が無かったからである。

 器もそれだけのモノだった。

 

 もちろん今でもその誰かさんについての毒は吐いているが(笑)、やるべき仕事には心を込めて臨んでいる。チンパンの最善を尽くすのみである」

 

「いいんじゃない、毒くらい吐いたって。

 毒を吐かないチンパン君なんて、チンパン君じゃないよ(笑)」

 

 

「先日、ブリージングの某講座で、

 『人生も半ばを過ぎたら、<恩返し>をテーマにして生きなければならない。

  いい歳をして、まだ貰いたい などと考えているのは論外』

 

 というお話を、古久澤先生から伺った。このお話はチンパンの腑に落ちた。

 

 振り返れば、チンパンの若い頃は、どう考えても給料分に働きが達していなかった。

 それでも、ちゃんと他の人と同じように給料を払ってくれた。

 

 トラブルや衝突も何度も起こしたが、上司や先輩、周りの人たちが後始末してくれた。

 そのことに感謝することなく、

 

 『上司なんだから、先輩なんだから、相手が悪いんだから、当たり前だ』

 と思っていた」

 

「チンパン君も、相当『どうしようもないヤツ』だったんじゃないの(笑)?」

「だから世の中は順番なのである。

 

 返しきれるとは思えないが、少しずつでも恩返しをしなければならない。

 

 

 チンパンが仕事の負担をかぶった人々・現在かぶっている人も、これっぽっちもチンパンに感謝していないだろうが(笑)、それはどうでもいいこと。

 そもそも他人に感謝を期待するのは、虚しいことである」

 

「ブリージングに大きな影響を与えた、沖ヨガ創始者の沖正弘先生は、

 

 『~してやった』と言うヤクザ根性を持つな 

 

 って、厳しく戒めているもんね。

 

 『あなたに何をしてあげたんだから、お返しに~をしてください』

 って要求するのは、間違いなく運氣も信頼も落としちゃうよ。

 

 沖先生は『くれくれ』という乞食根性も嫌っているし」

 

「ヤクザ根性と乞食根性は、間違いなく不幸に直結する道。

 『誰も何もくれない』と最初から思っていた方が氣楽。

 

 

 相談者さんは、同僚が丸得しているように思えて、面白くないのだろうが、本当に得しているのかどうかは分からない。

 

 人生の晩年まで、クレクレタコラのように生きて来た人を知っている。

 その人は笑いの止まらない人生を生きていると思ったら大間違いである。

 

 『あの人は、私にこれだけしかしてくれなかった』などと不平不満ばかり言っている毎日。

 自分はもっといい目を見れた筈だ と思っている。

 

 経済的にも、健康面も、交友関係も先細りして行く一方。

 それは全部他人のせいだと主張している」

 

「貰うことばかり考えている人生は悲しいね」

 

「相談者さんは、目に見える存在=同僚 だけを見るのではなく、その同僚の背後にある『見えない世界』=氣の世界・エネルギーの世界 を観てほしい。

 

 目に見える世界の損得は、見方を変えれば引っくり返ることなどザラ。

 

 自分は何を今まで与えられて来たのか、自分はお返しに何を与えることが出来るのか?が定まれば、スッキリした氣持ちで新しい年を迎えられることであろう。

 

 読者のみなさんも良いお年を」

 

 

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(虎徹のワン!ポイントコメント)

 ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

 写真は、オヤツが欲しくて『お手』の芸をするボクです。

 ペットと言えども、タダでは美味しいオヤツにありつけないのです。

 

 

 ブリージングが重視している『易経(えききょう)』にも、損得についての卦があります。

 『山沢損(さんたくそん)』と『風雷益(ふうらいえき)』の卦です。

 

 損の卦が、益=得の卦より先に来ている点がミソです。

 

 まずは自分が提供出来るモノを与えて=損をしないと、利益=得は得られません。

 この世でタダで動くのは地震だけです(梶原一騎先生の名言)。

 

 息も吐くから吸えるし、氣も出すから入ってきます。タライに入った水を押すと、反動でもっとたくさん水が戻ってきます。

 

 もちろん、自分の身の丈と言うモノがあるので、何もかも与えてしまって、自分の生活や仕事が成り立たなくなるほど与えるのは論外です。

 与えるにもほどの良さがあります。

 

 そして相手や世の中が欲しくもないモノを与えても、有難迷惑なだけです。望まれるモノを提供できることがキモです。

 こういうことが自然に分かるのが『氣が効く人』と言います。

 

 

 必要なモノを必要な時に、必要なだけ与えれば、相手や社会を潤し、やがて益となって自分に返ってきます。

 『山沢損』が『風雷益』に転化したのです。

 

 自分の利益は追求して良いのですが、我欲ばかりになると、どこかで破綻して損に転換します。それも大損です。

 どこかで『世のため・人のため』と言う視点を忘れなければ、小さな損とより多くの得を繰り返して、長く儲けることが出来ます。

 

 身体を練りつつ『易経』に学べば、そうした消息が分かってきます。

 

 

 いつも『与える』と言う観点を忘れないようにしたいものです。

 

 ケネディ大統領の伝説の就任演説にも、

 

 Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.

 国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何を出来るかを考えてください。

 

 と言う名言があります。

 

 国民の義務(納税など)と、国が保障する国民の権利はメダルの裏表です。

 権利ばかり要求するとアナーキーなエゴイズムになり、義務ばかりではファシズムになります。

 どちらも健全な姿ではありません。

 

 

 最悪な人相になる一番の方法は、自分の得だけ考えて生きることです。

 人相が最悪になったら、その後にどんな人生が待っているかは、火を見るより明らかです。

 心当たりがある人は、自戒しましょう~。

 

 

                                                つづく

 

                                           次回更新は1月7日予定です。