月刊ブリージングストレッチ令和5年10月号・・・・「氣功の秋」(丹田特集) | 「チンパンのブログ」

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(秋は氣功の季節)

 9月、10月は骨盤がグングン締まって行きます。体育の日あたりが締まりのピークです。

 骨盤が引き締まるほど動きやすくなるので、『スポーツの秋』には身体的な根拠があります。

 

 その一方で、内側に向かって引き締まる分、精神的には内向しやすくなります。

 夏は発散の季節のため、開放的な氣持ちになるのは自然なことですが、秋はしんみりと落ち着いた氣持ちになるのが普通です。

 

 『芸術の秋』『読書の秋』と言われる由縁です。内向的になる分、感性が高まるからです。

 氣の感覚を高めるのも秋が向いています。ブリージング的には『氣功の秋』です。

 

 

 内臓で言うと、秋は肺の季節でもあります。氣には色んな種類がありますが、体内のすべての氣を統括しているのが肺です。だから肺は胴体の最上部にあります。

 

 肺は息と一緒に氣を下げます。肺は息を下げることしか出来ません。人が亡くなる直前だけは、肺が誤作動を起こして息が突き上げます。

 『ヒッ!ヒッ!』と喉で息をする末期の呼吸がそれです。最後に『息を引き取って』ご臨終になります。

 

 

 ブリージングは氣功がメソッドの柱になっていますが、初心者は『氣』をイメージすることが難しいため、指導者は『息』『呼吸』を誘導します。

 

 息なら万人が感じやすく、息の流れと氣の動きは重なる面が多いからです。

 

 氣功でも呼吸法が内丹(ないたん)と言って、重要な技法として位置づけられています。

 

 

(丹田)

 もともと日本には丹田と言う言葉はありませんでした。明治までは下丹田のことを肚と呼んでいました。大正時代に中国の影響で丹田が流行りました。

 

 そもそも丹田とは何でしょうか?薬を生み出す田んぼのことです。

 ブリージングでは、『必要な薬はすべて自分の中にある』と教えていますが、そこに関わって来るのが丹田です。

 

 人体には丹田が3つあります。下腹部にあるのが下丹田、胸が中丹田、眉間が上丹田です。

 

 下丹田は野生。生命力や自然治癒力を司ります。実体としては小腸です。昔、脳内ホルモンがブームになりましたが、小腸からもホルモンがたくさん出ます。

 

 下丹田が出来て来ると、「元氣」が満ちます。アントニオ猪木さんが言っていたように、「元氣=エネルギーがあれば、何でもできる」んです。

 

 そして下丹田が強い人は「落ち着き」があります。

 

 

 中丹田は「感じる力」「感性」と関係が深いです。中丹田が強い人は人を引き付ける魅力を発揮します。芸能人に多いです。

 テクニシャン=業師でもあります。

 

 中丹田が形成されると感情的にも安定します。「平氣」=大祓で言う「平らけく」の心境になれます。

 

 

 そして「上丹田」は知性の丹田。受験秀才やITビジネスの経営者は、上丹田が出来ている人が多いです。

 作家や芸術家も上丹田タイプ。

 

 ただし、上ばかり開発されると生命力や感性が不足してアンバランスになるため、ブリージングでは丹田も下から開発していきます。

 

 

 日本文化は丹田という言葉はメジャーではなかったけれど、丹田を刺激するグッズを経験的にたくさん開発していました。

 帯を締めれば下丹田が刺激され、タスキをかければ中丹田が開き、ハチマキを締めれば上丹田が活性化すると言う具合です。

 

 しかし、本当はこうしたグッズに頼らなくても丹田がいつも働く身体になった方が良いです。

 達人とは、ある意味では丹田に達した人のことを言います。

 

 

(腸の浄化)

 実は女性の場合は子宮と言う、下丹田足り得る臓器が実在します。だから女性は男性より肉体的にも精神的にもタフです。もともと実在するから特に修行も不要です。

 

 断食は子宮を持たない男性が、小腸を浄化して、下丹田という仮の子宮に変換するメソッドでした。

 

 しかし、現代女性は子宮に筋腫などをつくって苦しんでいる大変な時代です。男女共にお腹の浄化は必須です。

 だからブリージングでは毎日の16時間酵素断食を薦めています。

 

 そして定期的に24時間酵素断食を行なえば、腸はかなり浄化されます。

 

 

 酵素断食と並行して、骨盤の歪みも取っていきましょう。骨盤が歪むと当然、下丹田も歪みの影響を受けます。

 ワイパー体操で骨盤の歪みを修正します。

 

 正座仰向け寝万歳などでお腹を伸ばすことも有効です。

 按腹(あんぷく)で鳩尾も緩めましょう。

 鳩尾が固い人ほど、頭が余計な情報でいっぱいになり、食べ過ぎでお腹が詰まっています。それがまた余計に鳩尾を固くすると言う悪循環になります。

 

 下丹田がスカスカだからこそ、情報と食べ物で手っ取り早く満たそうとします。

 

 意地悪な人も鳩尾が固い。しあわせで氣が満ちている人は、意地悪したり、他人をコントロールしたがりません。

 

 

 

(外丹と内丹)

 酵素断食で腸がキレイになってきたら、いよいよ下丹田の形成です。丹には外丹と内丹があります。漢方薬は外丹です。そして呼吸が内丹。両方やった方がいいです。

 

 ブリージングは医院ではないので漢方薬は処方しませんが、お味噌汁を薦めています。お味噌汁を飲むと半日間、腸=下丹田が温かいです。お粥も良いです。現代人は腸が冷えている人が多すぎるので、内側から温めることが大事です。

 

 

 ブリージングで薦める内丹は氣入丹田法(きにゅうたんでんほう)です。やり方はシンプルです。

 

 正座で定印(女性は右手下、左手上で親指同士の腹を合わせます。男性は左手下、右手上で親指同士の腹を合わせます)を組んで内観しながら、鼻から吸った息を鳩尾まで入れます。

 

 

 続いて吐く息を下腹部に落として行きます。呼吸はすべて鼻呼吸です。

 

 もちろん息は肺にしか入りませんが、イメージ=意念が大事です。

 普通の人にとっては、呼吸はただの酸素と二酸化炭素の交換ですが、『空なる氣』=すべてをかなえるエネルギーを下丹田に取り込むのが氣入丹田法です。

 

 ここを『確信を持って』イメージ出来る人ほど、願いがかなっていきます。

 

 

 定印はやや傾けて掌を下腹部に向けます。続けて行くうちに、掌も下腹部もポカポカと温かくなっていきます。

 

 氣入丹田法はやっただけの効果があります。習慣にすると基礎体温が上がって、代謝が良くなります。

 病氣の二大原因=消化不良と排泄不良は、別名代謝不良です。だから代謝が上がれば、自然に病氣と縁遠くなっていきます。

 

 下丹田が温かくなるほど、小腸からホルモンが出て、精神的にも安定します。安心を超えた大安心の境地を目指しましょう。

 

 

 イメージ出来る人は、下腹部にローソクがあると仮想してもいいです。

 ローソクの内側の青い炎は心を、外側の赤い炎は肉体を元氣にしてくれます。

 

 呼吸と共に炎が大きくなっていくと意念しましょう。

 

 腸がキレイで温かい人ほど、氣入丹田法も早く上達します。冷え性の人はなかなか温かくならないので、足をしっかり使って肉体レベルで循環を良くすることも必要です。

 

 

(笑いの行法)

 ブリージングストレッチの源流のひとつである沖ヨガには、『笑いの行法』がありました。

 文字通りお腹を抱えて大笑いする行法です。恥ずかしくて笑えないと沖正弘先生にぶっ飛ばされたそうです。

 

 沖先生がインドの山中で修行していた時、狼に襲われそうになったことがありました。

 沖先生は樹の上に逃れましたが狼はずっと下で待ち構えています。

 

 沖先生が大笑いしたら、狼はびっくりして逃げて行ったそうです。

 こうした経験から学んで、『笑いの行法』が生まれました。

 

 

 あるお弟子さんは、地上数メートルの高さから、『笑いながら跳びおりろ』と命じられたそうです。

 すごく怖かったけれど、沖先生の方がもっと怖いので(笑)、夢中で笑いながら飛び降りました。すると怪我ひとつしなかった。

 

 あとで沖先生から『ようやく呼吸が分かったようだな』と声をかけられたそうです。

 笑いは呼吸法だったのです。

 

 人は笑っている間、ずっと息を吐き続けています。笑い過ぎると苦しくなるのは、笑っている間は息を吸えないからです。

 でも、笑うことで確実に呼吸が変わって心身共に元氣になります。

 

 

 大笑いすると、お腹が痛くなることもあります。それだけ腹筋を使っている証拠です。

 健康のために腹筋運動をする人は多いですが、腹筋ばかりやり過ぎると猫背になります。

 

 腹筋には大笑い出来るだけの筋力があれば、健康法としては十分なのです。

 それ以上鍛えるのは趣味の領域です。

 

 

 下丹田も大笑いすると強くなります。二十年ほど前から、西洋医学でも『笑うことは免疫力を高める』ことが常識になりました。難病の患者に喜劇を見せるなどの療法も普通に行われています。

 

 西洋医学では笑いと免疫の関係を脳神経とホルモンから説明しますが、東洋医学的には下丹田=小腸です。小腸からもたくさんホルモンが出ます。

 

 

(仙骨)

 骨盤は骨格の中心ですが、骨格のそのまた中心が仙骨です。人は仙骨を外すと即死すると言われているほど重要な骨です。

 

 仙骨はヨガで言う、ムーラダーラチャクラ(第一チャクラ)に当たります。生命力を司る根源のチャクラです。

 ムーラダーラチャクラが開発されている人は、元氣で稼ぐ力もバリバリです=現世利益。

 

 下丹田はスヴァデイシュターナチャクラ(第二チャクラ)の位置にあります。

 このチャクラはムーラダーラチャクラと比べて精神面の安定の要素が強いです。

 

 だから仙骨を無視して下丹田の開発ばかりやっていると、肚は座っているけれど、お金と余り縁のない人生になるリスクがあります。

 「武士は食わねど高楊枝」が典型です。 

 

 身体は下から開発して行く方がリスクが低く、確実なので、下丹田強化に先行・並行して仙骨も鍛えましょう。

 

 仙骨を鍛えるには、まず仰向け寝のバウンドによる仙骨締め。

 ヨガではバッタのポーズが良いです。

 相撲の腰割(四股の形に骨盤を下げる。上体は床と垂直をキープ)も効きます。

 四股を踏むと下丹田も強くなります。

 

 仙骨が強くなると下丹田も強化されていきます。

 

 

(開合と腕周天)

 掌同士をこすり合わせると、掌から指先にかけてジ~ン!とします。

 

 向かい合わせた左右の掌をゆっくり離していくと=開(かい)、磁石のN極とS極が引っ張りあうような感覚があります。

 

 左右の掌を近づけると=合(ごう)、磁石の同極が反発し合うような感覚がある筈です。

 開合の動作を繰り返して行くと、ますます感覚がハッキリしてきます。手が色々なことを感じられるセンサーになります。

 

 

 左掌を右掌から数センチの位置まで近づけたら、右前腕にも近づけます。

 決して直接左腕に触れないように注意しましょう。

 

 慣れて来るほどに、右掌だけでなく、右前腕にも触れられているような感覚が生じる筈です。温かい感覚が生じることも多いです。

 

 右の二の腕、右胸まで左掌を動かしていきます。

 左掌にも、肉体の身体を包む、『氣の身体』のようなモノが存在していることが、何となく感じられるかも知れません。

 

 

 もともと脳は、どこからどこまでが自分の身体かということを厳格に区別していません。

 

 だからたとえば車の運転が上手な人は、車を自分の身体のように自在に操れます。『車幅感覚』がリアルに感じられるので、狭い場所に駐車しても、壁でこすってしまうことがありません。

 

 野球も名バッターであるほど、バットを自分の手の延長のように一体化しています。脳がそのように訓練されているからです。

 

 私たちも開合などの訓練を繰り返して行けば、脳が『氣のボディ』をリアルに感じるようになる筈です。

 

 

 胸の真ん中まで達したら、右掌で左胸、左の二の腕、左の前腕、左の掌をサーチしていきます。

 一周したら、同じルートをまた辿ってもいいし、逆方向にやってもよいです。『腕周天(うでしゅうてん)』という訓練法です。

 

 同じ自分の腕や胸でも、感じやすいところと、感じにくい所がある筈です。感じにくい所は、内部の流れが詰まっています。

 

 腕周天を繰り返して行くうちに、感じる部分が増えていきます。グイグイ引っ張るストレッチよりも腕や胸、肩回りが柔らかくなっていきます。

 

 胸も柔らかく、温かくなるほど、中丹田=感じる丹田が育っています。

 

 

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(虎徹のワン!ポイントコメント)

 ブリージングスタッフ・ふじじろう先生のペットの虎徹です~。

 写真は、胸やお腹をナデナデされているボクです。ヨガによると、動物にもチャクラがあるそうです。

 動物の頭のチャクラ=一番上のチャクラが、人間の仙骨=一番下のチャクラに相当するとのことです。

 

 でも、動物にも丹田があるのでしょうか?

 丹田は肉体と霊体を結んでいるとも言われています。死ぬと丹田が抜けるので、その分だけ微妙に体重が軽くなるとの説もあります。

 動物も生きているから、丹田があっても不思議ではありません。

 

 

 丹田の話は、まだまだ深く、今回の記事で触れられた内容はそのほんの一部です。

 

 武道などで言う「統一体」とは、丹田から動ける身体とも言えます。強いのに柔らかく、軽やかだけれど重いと言う、矛盾した動きが可能な身体になります。いわゆるスーパーボディです。

 

 ブリージングストレッチの源流のひとつである沖ヨガでも、下丹田をとても重視していました。これだけだと知性が不足するので、眉間の仏性(ぶっしょう)を開発することも重視したそうです。

 

 氣功では三調=調身・調息・調心によって、丹田を開発することを目指します。仏教だと三密。

 

 Different paths we took. Here we are together again.

 方法に若干の違いがあっても、目指すところはみな同じなようです~。

 

 

                                               つづく