背骨を伸ばせば、身体が甦る | 「チンパンのブログ」

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「チンパン」 ブリージングメソッドを分かりやすく伝えるため、日々猿知恵を絞っている。



「杏子(あんこ)」 長年にわたってチンパンの問答相手をつとめる。もはや腐れ縁と諦めているようである。



「虎徹(こてつ)」 ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペット・柴犬オス。

記事を知的でキュートなコメントで締めてくれる。

 

 

「冷房が入る時期になると、体調不良になります。

 それも年々程度が酷くなっているように感じます。対策はないでしょうか?

 

                                             冷房を恐れる女」

 

 

「戸外は炎天下でも、建物や電車の中は冷房でキンキンに冷えている。日本の夏は異常な冬だもんね。自律神経がおかしくなっちゃうよ。

 

 しかもエアコンの冷氣は下に溜まっちゃうから、頭と足の温度差=冷えもドンドン進行しちゃう」

 

「現代人は体重や身体の横幅ばかりを氣にするが、どんな太った人でも縦幅よりも横幅が長い人はいない。

 これは縦のエネルギーの流れこそが生命力の根源であることを意味している」

 

「縦のエネルギー循環を回復させることこそが、健康法の大原則。でも現代人は歩かないから足が冷える一方。

 

 まずは冷えを抜くことだよね。誰でも簡単に出来るのが足湯。そして末端の体操。

 

 

 足裏の土踏まずを反対側の踵で踏んじゃう。これだけで足指と踵の血行がかなり回復するもんね。

 足指と踵が冷えると、骨盤内部も冷えちゃうし。内臓で言うと小腸も冷えるから免疫がガタ落ち」

 

「土踏まずは下腹部と横隔膜の血行にも関わる。内臓で言うと消化器。

 一番痛い位置に踵をセットして膝を回すと、踵がドリルのように土踏まずにめり込んでいく。

 ツボで言うと土踏まずは湧泉(ゆうせん)と言う腎経の重要なツボ。氣功では湧泉から地の氣が出入りすると教えている」

 

「踵を踏んだまま、手で膝をすくって両膝の内側をくっつけると、脛の外側の足の甲が伸びちゃう。

 足の甲は冷えの急所。ここを刺激すると足がポカポカするんだよね。横隔膜の働きも良くなるし。

 

 

 続いてアキレス腱周辺に逆足の足首を乗せて正座。余裕がある人はお尻を左右に揺らす。

 痛くてとても耐えられない!って人は、両手を前に着いて体重を逃がしてもOK。

 

 ゆっくりと体重を開放すると、足先にドッ!と血が流れてポカポカ。

 わざと血液を止めて、一氣に開放することで血管内の冷えや老廃物を流し去る、血液循環療法の一種だよね」

 

 

「相談者さんの体調悪化が年々酷くなるのは、身もふたもない言い方をすれば、老化現象。

 人は暖かく生まれ、冷たく固くなって死んでいく。

 

 加齢と共に手足は胴体にめり込んで縮んでいく。だから肩こりや腰痛、腕のしびれ、膝痛などの不調が出て来る。

 男性の場合は性器もめり込んでいく。

 

 更に加齢が進むと椎間板が縮むので、背骨も縮んでいく。即ち身長が縮んでいく。

 

 医者も体重増加にはシビアだが、身長が縮むことについては『老化現象だから自然なことです』と氣にもしない」

 

「でも、背骨からは全身への神経が出ているから、背骨が縮んで圧迫されていくのは由々しき事態なんだよね。

 圧迫された神経は異常な刺激を受けて、手足や内臓に異常な命令を出しちゃうから。だから身体の働きが狂っていっちゃう。

 

 西式健康法は背骨と腸を整えることが健康の絶対条件だもんね。それはブリージングでも変わらない」

 

「そのとおり。背骨が縮むこと自体が腰痛の原因にもなる。難病とされる脊椎間狭窄症も、身長が縮まないと絶対になれない。

 

 背骨が縮むほどに肋骨も下垂して落ちて来る。その分挟まれてお腹が出て来る。歳を取って飛び出してくるのはお腹の肉と目。ほかは縮む一方。

 

 肋骨が縮むことで内臓も圧迫されて機能が低下する。消化力も排泄力もガタ落ちする。即ち基礎代謝が低下するので

ますます太りやすくなるし、生活習慣病も近づく。

 

 更に肋骨の大半は肺なので呼吸も浅くなる。胸の動きも固くなるので体温調整力が下がる、胸は天然のエアコン」

 

 

「対策としては、内転筋を使うことだよね。太腿前側の筋肉もある程度必要だけど、内転筋は骨盤底につながる下半身の背骨とも言うべき筋肉だから。

 

 内腿を斜め下=螺旋状にさするだけでも内転筋が少し目覚めちゃう。

 

 横に寝て休日のおとうさんのような姿勢になったら、上の膝は直角に曲げて、下の足は背骨の延長でまっすぐ伸ばす。

 下の足を上がるところまで上げて(膝はまっすぐ伸ばす)、10秒キープ。あるいは10回バウンド。

 余裕がある人は上げた足で円を書いたり、数字の8の字を描いてもOK。

 足先じゃなくて付け根から動かすことがポイント」

 

「立ちあがってみると、やった側の肩が下がって、重心が親指側の脛骨(けいこつ)に乗ってきていることが分かる。

 

 やらない側は小指側の腓骨(ひこつ)に体重が逃げている。腓骨は脛骨の4分の1の太さしかない。こんな細い骨に体重がかかったら折れてしまう。

 

 折れないのは周りの筋肉が固まって補強しているから。つまり日常生活で筋トレをしているようなもの」

「ダイエットで痩せても、足だけ太いままなのはそのためだよね。

 

 筋肉に引っ張られてO脚も進行するし。O脚も冷えの原因になるんだよね。どんどん熱も力も外に逃げて行くから。

 

 

 内腿の間にタオルを挟んで落とさないように前後に歩くのもグッド。タオルが落ちるのは、生命力や若さ、排泄力も衰えている証拠。

 続けていると足もポカポカしてくるもんね。不足・不満なのは足に氣や血が満ちていないから。

 今の自分の思考や感情は、今の身体の状態の制約を受けている。だから身体が変われば頭も心も連動して変わっちゃう。

 

 タオルを挟んだまま雑巾がけ。

 正座になってタオルを外しても、内腿に割りばしが吸い付くような感覚が残って温かいよ。

 骨盤も温まるから、小腸=十二指腸(広い意味では小腸の一部)から安心ホルモンが出ちゃう。病氣治しには安心が不可欠。小腸が丹田。

 

 女性は子宮という実体の丹田があるけれど、子宮と言えども冷えると固くなっちゃう。冷えた子宮は実力を発揮できないもんね」

 

 

「更に内転筋を使う体操。うつ伏せ寝で片膝を直角に曲げて足裏を天井に向ける

 骨盤を転がすと、足先が床に着く。

 床の上を時計の針状に滑らせて両足を揃える。

 

 この動きを繰り返すことでますます内転筋が目覚めて行く。

 

 夜間頻尿も内転筋の弱体化。こうした体操を繰り返すことで夜中にトイレに起きる回数が減っていき、ついには朝まで熟睡出来るようになる。

 動画は下のリンクから。

 

踵の円運動

 

 加えて日常生活で立つとき、歩くとき、座る時でも内転筋=螺旋状の意識を持つと変化が早い。

 冷え性の人はオフィスで座っている時も、膝が外に開き氣味になっている。内腿をくっつけるように意識するだけでも冷えにくくなる。

 

 1時間体操しても残りの23時間を散漫な意識で過ごしていては量で負ける」

 

「それが生活ストレッチってことだもんね。『特に足は不器用な分、かえって内転筋を意識しやすい』って、伊藤昇先生の『スーパーボディを読む』にも書かれているし。

 

 

 内転筋がしっかりしてくると、左右の下半身が統合されて、下半身に中心軸が出来て来る。

 骨格的にも縮んだ身長が伸びやすくなるんだよね。O脚が改善されるだけでも身長は戻るし。

 

 背骨の縮みを直接取る体操ってないの?」

 

「ブリージングストレッチの基本は、末端=手足の縮みを修正することで背骨に遠隔的に働きかけていく。

 

 そして次第に背骨そのものにアプローチする。正座の仰向け寝万歳が典型。

 背骨ローリングは背骨を丸めて転がしながら、背骨の縮みや歪みを自重で修正していく体操。

 

 初心者は手で膝裏を抱えて行うが、身体が出来てきたら足先を持って膝を伸ばしたまま転がる。それだけ背骨が伸びて来た証拠。

 

 動画は下のリンクから。

背骨ローリング

 

 氣功の站椿功(たんとうこう)=立禅(りつぜん)も、背骨を伸ばす効果がある。

 骨盤を寝かせ、顎を引き、背骨を真っすぐにしてじっと立つ。

 チンパンもしばらくご無沙汰していたが、先日久しぶりに40分站椿功をやってみたら、すごく汗をかいた。

 

 終わってから体温を計ったら、普段より1度5分以上上がっていた」

 

「じっと立っているだけなのに不思議だね」

 

「更に翌日背骨の体操をやってみたら、今まで出来なかった動きや、何とか出来ても苦戦する動きがアッサリ出来てしまって驚いた。

 

 ただ背骨が伸びただけでなく、弾力も回復した証拠。

 

 中国人は站椿功を発明しただけでも偉大である。無理強いはしないが、相談者さんにも体力に応じて站椿功もやってみることをおススメしたい」

 

「道=方法は一つとは限らないもんね」

 

 

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(虎徹のワン!ポイントコメント)

 ブリージングスタッフ・・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

 写真はふぐじろう先生にダッコされた、ある夏の日のボクです。

 暑い日だったので、舌を思い切り出し、息を吐いて熱を逃がしています。

 動物は野生の調整力が優れているのです。

 

 

 月日の流れは早いもので、もう夏至=6月21日 が目の前です。

 春分・夏至・秋分・冬至という節目の時期は、身体が変化します。

 

 不調や痛みが出る人も多いですが、身体が不要なモノを排泄しようとしてくれているので、出し切ってしまいましょう。

 

 

 エアコンによる体調不良は、日本の夏と冬の風物詩のようなものです。

 でも今の日本は、全国的に電力不足なので、停電や節電でエアコンが使えない状況が、たびたび起きても不思議ではありません。

 

 つまりエアコンの弊害で悩んでいる場合ではなくなるかも知れないのです。

 

 

 それでもやるべきことは同じです。文明の利器が使えない時に、最後に頼りになるのは自分の身体だけだからです。

 

 健康で弾力に富んだ身体は、氣温の変化に適応できるように体温調整してくれます。もちろん限度がありますが。

 

 適応力に欠ける人ほど、心身がおかしくなっていくでしょう。

 

 だから出来る限り身体を整えることが、最大の護身になります。

 

 

 Now is no time to think of what you do not have. Think of what you can do with that there is.

 

 今はないものについて考えるときではない。今あるもので、何ができるかを考えるときである。

 

 と文豪ヘミングウェイも言っています~。

 

 

                       つづく(次回の更新は7月3日です)。