基本はいつもスタンドプレイ -127ページ目

ララバイ、ララバイ、お休みよ

 結局ボクは、古いものしか知らないというより、新しいものを知らない、という方が正しいのだと思う。

 たとえば、ほんの4ヶ月前まで「Perfume」と言えば「ワンダーパヒューム(平成7年の桜花賞馬)」以外を思いつかないくらいだった。そう、ボクにとって彼女達は「君はいつでもシークレットな存在」でしかなかったのである。

 最近のものではないけど、「新世紀エヴァンゲリオン」もほとんど知らない、詳しくない。たとえば「最強ロボダイオージャ」の主人公であるミト王子は現在「14歳」である、なんていう知識は、わざわざWikipediaで調べなくてもすんなり解るのだが、「エヴァ」に関しては碇シンジとか、綾波レイの名前を多少知っているくらいであって、しかも覚えたきっかけは「パチスロ」である。

 というわけで「エヴァ」に関しての思い出と言えば、ある日ボクが路線バスに乗っていた際に、突然「髪の毛を真っ青」にしてしまった25歳くらいのお嬢さんが光臨、いや乗車してきたことくらいである。しかも顔立ちが残念なことに、綾波レイというより「月並みな例」というレベルだったため、他の乗客やボクの方が青ざめてしまったぐらいだ。

 北海道の片田舎に、こういう珍しい生物が襲来したことは奇跡的ではあるが、そのついでにもう一人ボクが5年ほど前に路線バス内で遭遇した、ある謎の女性を紹介しておこう。女性の年齢はボクより少し若いくらいなので、当時で言えば26~28歳くらい。


 乗り物の中で、今にも泣きそうな自分の赤ん坊をあやしているという光景は、まぁ時折見かける。さすがにその女性は、残念なことだが授乳まではしてくれなかったものの、その子のために子守唄を歌っていたのである。

 通常、このくらいの年齢の女性だったら、赤ん坊にどんな曲を歌ってあげるのだろうか。やっぱり年代に関係なく「ね~んね~ん、ころ~り~よ~、おこ~ろ~り~よ~」なのだろうか。世代を超えてのスタンダードなナンバーだけに。現在だったら「ポリリズム」でも歌うのかもしれない。赤ん坊の脳みそがグラングランに揺れてしまいそうな曲なのだが。


 ところが、この女性が歌った子守唄は、ボクの想像をはるかに超えていた。あぁ、ボクはあの時、あの瞬間に戻ってこの女性に聞いてみたい。



 「なぜ、21世紀にもなってその曲なんですか?」




 その曲とはこれである。











 



 そう、オリビアニュートン=ジョンの「フィジカル」である。言うまでもないが、もちろんちゃんと英語で歌っていた。その女性の外見は見たところ、イギリス人でも、オーストラリア人でもなく、典型的なモンゴリアンであり、大和の国の住民であり、日いずる国の国民としか言い様がなかった。

 「フィジカル」が発表されたのは昭和56年だから、彼女はおそらく5歳くらいの時の曲だし、ボクも遥か昔に「トクシローのベスト10ほっかいどう」や「ジャンボとケロ子のベスト100マラソンランキング」の中で聴いていた世代である。思いっきり北海道ローカルなネタで済まないが。

 その曲が、なぜ21世紀にもなって「子守唄」として蘇ったのだろうか。ボクの中ではいまだに大きな謎である。この歌のサビの部分の歌詞を訳すと「もっと、体を鍛えろ」なんだが、それを自分の赤ん坊に歌ってどうするんだろう・・・。


 最後に。ボクがあれを聴く羽目になった時、バスの中には運転手を含め「4人」しかいなかったことも付け加えておこう。

鳥居みゆきファンの191分戦争 その3

 その2の続きです。



【小島よしお&鳥居みゆき(コラボ)】


 昨日のアメンバー限定記事ででも書いたんですが、この2人、もともとコラボする意味合いがあまり感じられなかったんですよね。以前コラボになった「ディランとジャックバウアー」とか「アンガールズとジョイマン」みたいな相乗効果が見込めそうな組み合わせにはなっていないと思います。実際、2人とも暴れる形になっていた前回のコラボでは、お互いが空回りした形になっていました。


 しかし今回は消化不良気味だった前回と違い、「2人の温度差」をうまく表現したために「コラボする意味合い」がきちんと生まれたこと、および最後まできっちりプランを練ってきたことで、前回より数段高いレベルのネタになっていました。


 「今の速くて聞き取れなかったです」とか、「じゃまをするなぁぁ!」のフレーズからすると、ネタの基本的な部分を考えたのは鳥居みゆきの方ですね。というより、これ小島よしおが考えた部分って、ないんじゃないでしょうか。


 「生肉、生焼け、生殺し」のフレーズですが、「生肉」と「生焼け」は、通常、「精肉」に対して使われるフレーズですが、これを鳥居みゆきが使うと「別の意味」にしか聞こえません。これは競馬ファンが「直線」という言葉を、普通の人とは違った意味で使うのに似ていますね。


 あと、「生殺し」という言葉は、たまに「エロチックな使い方」をされることがありますが、これも彼女が使うと、そんなことを「微塵も」感じさせません。


 「ブリッジ」と「橋(ブリッジ)」は分からないで笑っていた人が多かったみたいですね。


 あえてダメ出しをするなら、最初の小島よしおが言う3回の早口言葉は2回にして、ネタをもう1個増やした方が良かったでしょうね。


【ロッチ】


 良作のコント。でも落ちはしっかり考えてほしかったな。


【LLR】


 落ちは途中で予測がついたけど、丁寧に考えてあるコントだからキズになっていない。あと1分くらい時間があって、保険の小ネタがあと1つ2つ出来ていたらなぁ。


【TKO】


 こんな面白そうなシチュエーションなら、あと2分は見たかった。ぜひロングバージョンを見たい。


【ザ・パンチ】


 「村で神と崇められてる大木切ってぇ~」というフレーズのチョイスが素晴らしいな。右の人のさりげない演技力も見逃せない要素。


【アルコ&ピース】


 外国人ネタはある意味ズルい気がするけど、キャラクターありきじゃない分好感が持てる。間とテンポも絶妙。


【村上ショージ&中川家礼二】


 悪ふざけだけが延々続くんだけど、とにかく面白かったのは確か。


【U字工事】


 若干から回り気味だった。「イチローさん」以外に、ネタがもう1つ入っていたらどうだったかな?


【カナリア】


 「逃げ方」ってのはヒドいけど笑えるな。それにしてもこの日「ジャイアン」をネタにしたのが3組もいたんだよなぁ。他の藤子ネタを加えたら何組いたんだろう。ちなみにこの直後にも、ジャイアンのような風貌の男が登場します。


【どきどきキャンプ】


「監視カメラを数秒だけ停止させてほしい」は、この日のトップ5に入るフレーズだな。以上、ジェロ北海道支部の男の感想でした。


【平成ノブシコブシ】


 落ち以外はいいんだけどなぁ・・・。


【チーモンチョーチュウ】


 同じパターンがずっと続くんだけど、意外と飽きさせないテンポの良さ。別のパターンも見てみたい。


【Wエンジン&安倍麻美】


 安倍麻美可愛らしくなったなぁ。ネタも素晴らしい。


【パンクブーブー】


 こういう、神を冒涜するネタ、大好物です。


【世界のナベアツ】


 これ、面白いと思えないんだよなぁ。この人のネタでいいと思ったのは「T-BOLAN(あれ?DEENだっけ)」のネタだけだな。


【ヴィンテージ】


 なんかなつかしい感じの漫才だったな。


【響】


 決してデブのキャラクター頼みになっていないのがいいよね。


【天津木村】


 ボクの住んでいる地域は「やりすぎコージー」ネットしていないんですよね。レッドカーペットでは、彼はまだ潜在能力の30%しか発揮していないので、深夜番組に出て、天津呼吸法の奥義を使って100%の力を発揮してほしい。


【フォーリンラブ】


 意外に、癒し系なんだよなぁ。


【ハイキングウォーキング&小島よしお】


 小島よしお、戦闘力足りないなぁ・・・。




で、ここからは、カムバックレッドカーペット組。



【トータルテンボス】


 2本目のこっちの方が着地もピッタリ決まっていた。やっぱり戦闘力が高いね。


【響】


 キャラ頼みになっていない分1本目の方が好みだけど、ここまでのレベルならOK。


【我が家】


 以前「ヤンピース」で鳥居みゆきとラジオ出演を争った(鳥居の勝ち)トリオだけど、このクォリティを考えたら、こっちのラジオも聞いてみたかった気がするなぁ。


【はんにゃ】


 落ちだけが少しもの足りなかったな。


【フットボールアワー】


 今度も出落ちなんだけど、今回の方がパワーがあったな。


【ナイツ】


 しかし、1本目もそうだけど、誰でも知っていることを使ってここまで素晴らしいネタを作れるのはすごい。さらに、いつも自分達が使っているフレーズまで前フリに使うなんて、まさしくナイツ恐るべし。個人的には、文句なしに本日のレッドカーペット賞。


【天津木村】


 50%の力まで発揮してくれました。



 とりあえず、全登場芸人を紹介し終わりました。この日のトップ10組の芸人をあげるとしたら、登場順に


「ナイツ」「Wエンジン(コラボも)」「トータルテンボス」「NON STYLE」「ザブングル」「我が家」「小島よしお&鳥居みゆき」「ザ・パンチ」「どきどきキャンプ」「響」というところ。


 ベスト3は「ナイツ」「我が家」「Wエンジン」かな。



 ついでにこの日印象に残ったフレーズは、


 「勝手に金属バット」「CRチャコの海岸物語」「3本の指が入る」「俺の一尺玉がまだ2つ残っているよ」「村で神と崇められてる大木切ってぇ」「何て言ったらいいかわからない時の逃げ方」「監視カメラを数秒だけ停止させてほしい」「男の最前線だ」「井上康生と東原亜希ちゃんが結ばれたパターンのヤツや!」「ライバルのクソソソ」「スーパー関西人」「ほんの裏筋しか紹介できない」



 そして・・・・・・・・・・「沢村一樹のコメント全部」



 ふぅ。


その3の前に書いておきたいこと。

 9月3日の放送でも登場した、小島よしおと鳥居みゆきのコンビが今回のスペシャルで再結成されました。で、次はそのレビューを書くつもりなのですが、その前に前回のコラボの時の事をどうしても書いておきたかったので、今回はボクにとって初のアメンバー記事として掲載することにしました。


 なお、最初に申し上げておきますが、このレビューでは、かなり「キツいこと」を書いています。したがいまして、鳥居みゆきに対する反対意見を聞きたくない人、見たくない人、鳥居みゆきに関することは全肯定したい人、鳥居みゆきのネタなら何でも笑える人などは、今日の記事は読まない方がいいと思われます。これは1鳥居ファンとしての、ボクからの「警告」であり、わざわざ「アメンバー限定記事」にした理由です。「その1」の冒頭でも申し上げましたが、今回に関してはたとえ鳥居みゆきであっても、あくまで「出演者の1人」として扱っておりますから。





覚悟は・・・出来ましたか?





 では、前回のを見た感想です。

 このレビューを書くために約1ヶ月ぶりに見たのですが、一言で言えば・・・「ヒドイ出来」でした。本放送から2度め、3度めと再試聴したら良い部分が見つかるかな、という期待は多少ありましたが、結局感想は全く変わりませんでした。

 コラボカーペットで誰と誰を組み合わせるか、というチョイスは恐らくフジテレビ側が行っているのだと思いますが、客観的に見ると小島よしお・鳥居みゆきという組み合わせは、「よく一緒の番組に出ている」「所属事務所が同じである」以外にもともと組む理由が存在しない気がします。少なくとも、以前の組み合わせにあった「ディランとジャックバウアー」とか、「アンガールズとジョイマン」のような「組み合わせる意味」そのものは存在していないでしょう。

 ま、それはそれとして、組むと決まった以上、芸人としてはベストを尽くすべきでしょうね。純粋に優れたネタを作りさえすれば、理由の裏付けなんて消えてなくなりますから。言うまでもないことですが、自分たちで組もうと思ったコンビではないから、台本やプランなしでやってもいいというルールはもちろんありません。

 審査結果が出た後に今田耕司が「このネタ、台本がないらしい」という意味のことを言っていましたが、ボクはその時「だろうな」という淡泊な感想しか持てませんでした。「面白い、面白くない」というレベルまでは残念ながら達していないためです。

 ボク自身はさすがにそこまでは感じませんでしたが、(鳥居、小島の)ファン以外の人が「プランや台本なしでネタやるなんて、レッドカーペットや芸そのものをなめてるよね」とか「とりあえず自分達が暴れさえすれば笑いが取れると勘違いしてるんじゃないか、こいつら」などという意見が出ても不思議じゃないでしょうね。そして、仮に自分がそれを誰かに聞かされたとしても、ボクはそれに対して反論が出来そうにありません。あぁ、その通りだな、と、きっと感じたと思います。

 他にも書こうとしたことはありますが、とりあえず以上が、前回のコラボの感想です。翌週の「桃太郎」が素晴らしい出来だっただけに余計に残念な思いがしましたね。

 いや、そんなことないよ。面白かったよと感じた人もいるかもしれませんが、ボクはそう感じられなかった以上、そっくりそのままの感想を書きました。何故ならボクは鳥居みゆきの「ファン」だから。

 少なくとも鳥居みゆきという芸人は、「こちらが笑って『あげる』」とか「生暖かい眼差しで見なければならない」とか「笑いの沸点を下げて眺める」とか「不自然に持ち上げる」ということが必要な「ボンクラな芸人」ではもうありません。ボクは以前にも書きましたが、鳥居みゆきに関しては見えない部分を作りたくない人間ですから、当然見える部分に対しても「目をつぶらない」ことにしています。それが、ボクの・・・おこがましいようですがファンとしての姿勢です。