今日は、ぼくらが食べることのできる鯨肉の話から始めたいと思います。これは、ミンククジラであると、イワシクジラであると、クジラの種類の話ではなく、クジラがどこで誰に捕まって、だれが運んで誰が売っているのか、つまり、流通の話です。
ぼくらが食べることのできる鯨肉には、大きく4種類の流通系統があります。
1、南極海、北極海の調査捕鯨によって副産物としてのクジラ肉
2、近海商業捕鯨の商品として流通しているクジラ肉
3、漁業用の大型定置網に混獲され、網の補修費などに充てるため水産庁の許可を得て流通しているクジラ肉
4、国際捕鯨委員会(IWC)に加入していない国スエーデンやノルウェーで商業捕鯨され、そこから輸入されたクジラ肉
①、調査捕鯨のクジラ肉は捕獲してすぐに解体、調査の上、副産品用に加工、冷凍されます。多くがミンククジラの解凍肉、ということになります。調査捕鯨を請け負っている会社が卸元となり、全国の魚屋さん、加工業者、仲卸からさらに一般消費者へと流通します。
②、近海商業捕鯨とは具体的に、千葉和田浦のツチクジラ漁や静岡、和歌山、沖縄などのイルカ漁を指します。基本的に生肉で流通しますが、地元消費がほとんどです。
③、ぼくのブロクでもよく登場する混獲肉。年間300頭ほどいると言われていますがこちらも地元消費が多く、築地市場に来るのは月に1度あるかないか。完全無凍結の生肉で、貴重。
④、輸入クジラ肉、スーパーなどで売られているクジラ肉のほとんどがこれだと思います。ナガスクジラの解凍肉。
とりいちでご用意してきたクジラ肉は①か③です。
①の調査捕鯨副産物クジラ肉について、誤解ないように申し上げておきますが、現在の冷凍技術、解凍技術は数十年前の技術からは格段に進歩しています。それゆえ、解凍品であってもその旨み、食感は申し分ないものがあります。むしろ、解凍品ならではの美味しさがあるといってもいいくらいです。(一部のお鮨屋さんはわざと冷凍のインドマグロを使っています。それと同じ理由です)。このクジラの美味しさを十分理解したうえで、混獲の生肉の貴重さ、美味しさをお伝えしてきたつもりです。
ところが、2年前から、この4ッつの系統から外れるクジラ肉が流通するようになりました。
今まで、調査捕鯨といえば南極海、北極海だけだったのですが、2年前から日本沿岸でも調査捕鯨をすることになしました。。初夏の青森岩手沖太平洋、8月の網走沖オホーツク海、9月の釧路沖太平洋などです。結果、沿岸調査捕鯨の副産品としてのクジラ肉も流通するようになりました。日本近海で捕獲されたものですから冷凍する必要ありません。完全生無凍結クジラ肉なのです。
沿岸調査捕鯨団体が卸元であるため、地元消費優先という訳でもなく、日本各地の市場へ出荷されているようです。
一昨日、ぼくが築地で見学してきた生ミンククジラ肉の入札は、この系統の流通の肉なのです。だから、量もある程度はまとまってきますし、希少部位もある。クジラ好きにはなんともうれしい限りです。
昨日から宣伝している生ミンククジラ肉はこの希少部位
築地に約200㎏位の肉が来て、希少部位は2,30キロ。そのうちの4キロくらい希少肉をとりいちで買いましたから、なかなかがんばりました。どうやら北海道には同一個体のほほ肉があったみたいですから、いつも同じ部位が来るとも限らないようです。ご用意している部位は次いつ食べられるかホントに分からない。ぜひとも多くの方においしい生ミンククジラ肉食べていただきたいと思っています。
尾肉と特選赤身、絶品ですよ
と言いつつ生インドマグロも旨い
ついつい日本酒が飲みたくなります。
マグロクジラ盛り合わせも吉。
お酒は
愛知県白老 純米吟醸 千本錦 しぼりたて生
爽やかな生酒、白老サンの十八番だなあ。力強い味わいはクジラやマグロにも負けません。
ややおりがらみの贅沢スペックです。
では、今日もおいしいものご用意してお待ちしています。
11日今週の土曜日は通常営業休みます。
13日月曜日からのお盆期間は通常営業です。
毎週日曜日は定休日です。


