マンボウという魚、知らない方はあまりいないと思いますが、食べるというとギョッとする方も案外多いですね。
けれど日本列島の太平洋岸ではあまり珍しいものではありません。

十数年前の夏、宮城県気仙沼港で、サメと一緒に水揚げされるマンボウを見ました。
五年前まで勤めていた葉山佐島港ではマンボウはフォークリフトに乗ってやってきます。
まだ料理の仕事を始めたばかりのころ、伊豆の居酒屋でマンボウの肝を食べました。一五年位前かなぁ。
三重県でもマンボウ料理があるようです。
(九州でマンボウってあまり聞かないんだけど、どうかな。ご存知の方がいたら教えていただきたい)

江戸時代の文献を見ても、マンボウが出てきます。

ちょっと見づらいかもしれませんが、漁師が海上で巨大なマンボウに乗り上げるようにしてさばいているさまが描かれています。
漁師たちのお目当ては「肝」。その大きな肝は漢方薬として高価で取引されたとも、油をしぼったともいわれています。
しかし、肝だけでなく、腸も珍重されたようです。この絵の但し書きには漢文で、漁師たちはマンボウの腸を取ると小さく切り、細縄で干し、塩蔵したと書かれています。
江戸時代の人たちもこのマンボウ腸、独特な食感を楽しんだことでしょう。

昨日はシンプルな塩焼き

芽キャベツとトマト煮

で楽しんでいただきました。
トマト煮を召し上がって、トリッパ(ハチノス煮)みたいだね、とおっしゃった方がいましたが、言われてみればそうかもしれません。
道理でトマトソースとの相性がいいはずです。

きくらげと中華風に炒めてもおいしそうだなぁ。。。

お刺身は
宮崎県 本マグロ247キロ
が軸。

ボイルホタルイカがぷりっぷりで本当においしくなりました。
蒸すことでイカの旨み、肝のコクが増しています。

生のホタルイカは炒め物へ。
キャベツがようやく柔らかくなってきたので、これと合わせてみましょう。
生ホタルイカの肝がアンチョビーの役割をなし、独特の風味でキャベツの甘さを引き立てます。

お肉ではカツ煮が登場。
分厚いロース肉をさっくりと揚げ、玉ねぎとともに煮込みます。
半熟くらいがうまいよね。

もちろんカツ丼もいい。


お新香はぬか漬け。きゅうりとカブが漬かっています。


日本酒はこちら
秋田県 春霞 純米 瓶燗火入れ

近年ますます上品さを増している春霞さん。
とりいちには似合わないなぁ。。。というと、そうじゃなくて阿部さんに合わないだけよ。と言われてしまいました。失礼な!
さっくりとした春野菜の天ぷらによく合うでしょう。


さいごにお知らせです。

19日水曜日はお休みの予定でしたが、通常営業いたします。

また、

21日金曜日22日土曜日も通常営業です。

さらに、

24日月曜日から、とりいち初ワイン!
ボスニアヘレツェコビナ産のワインです。おたのしみに。


では、今日もおいしいもの揃えてお待ちしています。