映画「プリンセス トヨトミ」を観る | とりいちのブログ
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最近買ったiPad mini のおかげでただで映画を見ることができる。
原作を読んだのは数年前だが、映画化されていたのは知っていた。午前中のちょこっとした時間で一気に見た。
小説の映画化には批判がつきものだ。映画(2時間くらいとして)は小説に比べ圧倒的に情報量が少ない。だから物足りなさはそもそも否めない。ぼくはそんな中、どれほど原作の雰囲気を踏襲できたか、またはむしろ逆にどれほど原作から独立できたかを評価の基準としたい。
たとえば、横溝正史原作の「犬神家の一族」を市川近監督が映画化したが、原作のおどろおどろしい雰囲気を見事に映像化していた。
また、井坂幸太郎原作の「フィッシュストーリ」を中村義洋監督が映画化したが、こちらは短い原作を見事にふくらまし、楽しめる一本とした。
さて、本作。
ぼくはこの原作の良さを、大阪人の気質を見事に象徴化したことにあると思う。
東京人のぼくから見ると、大阪人は阪神タイガースや、お好み焼きやたこ焼きのいわゆる粉もの、吉本新喜劇などなど、自文化に対して信じがたいほどの盲信や偏愛がある。
この物語は、この盲信や偏愛の源を「プリンセス トヨトミ」という象徴と共に語ったのである。
それは、”絆”なのだという。素晴らしいと思った。
しかしながら、映画に関して言えば、それは半分しか描かれていない。残念ながら、映画で描かれていたのは”父と息子”男同士の絆だけだった。原作では”母と娘”女同士の絆もまた、全く違う形で描いているのだ。
きっと、この二つが相まって、あの大阪の独特な雰囲気が形成されているのだろう。
あの暑い夏の大阪。また、行きたくなってくる。

