円城塔という作家をご存知だろうか。

SF作家である。しかも、先日、芥川賞に賞された。SF畑出身の芥川賞作家というのは珍しいと思うのだが、あまり話題にならなかった。同時に受賞したの田中さんが「もらっといてやる」で話題をさらってしまったからだ。賞をとった作品はまだ読んでいないが、それまでの作品はなかなか面白い。

さて、その円城さんが朝日新聞の土曜版の「作家の口福」というコラムに、表題の小文を載せている。

円城さんはエビを例に取り、ぼくらが日頃、どんなに残酷に調理し、食事しているのか述べ、「うまいのだから良いではないかというだけでは、いまや世界標準に乗り遅れている」と結んでいる。

なるほど、エビの頭にむしゃぶりつくのが残酷だというなら、どんなものが残酷でないというのか。頭はフレンチのようにその旨味だけをとり、ソースにするのがよいのか。胴は和食のようにすり身にし、しんじょうにすればいいというのか。共に、生きている姿が連想できない、というところにポイントがあるのだが、とすれば、これなどは残酷のきわみということになる。


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生きた熊を縛り付け、その腹を開き、膳として饗している。よく見ると4つの熊掌も切り落とされ、四隅に盛られている。

王欣太さん「蒼天航路」のひとコマだ。

ここまでひどくなくとも、所詮ぼくらの食事はライオンがガゼルを食らうと同じ。そんなことより、もっとも残酷なことは食べ物を残すことではないか。ぼくらの血肉となるために命を奪われた生命が、その目的を果たせず、ゴミとさせられることほど残酷なことはない。

いち調理師として、食材を無駄なく調理するよう心がけたいものである。


さて、今日のとりいちです。


とりいちはモツ焼きと煮込みの店ですが、他にも美味しいものがあります。


なんだが涼しい日ですね。というわけで。。。

和牛肉豆腐

揚げ出し豆腐

チャーシュー麺(つまみも!)


そのほか。。。

マグロヅケ

ゲソ焼き

鶏唐揚げ ねぎソース

厚切りベーコン炙り焼き

新たまねぎサラダ

蒸し鶏サラダ

焼きナス

レバニラ炒め

しょうが焼き

などなど。。。


今日の一本です。

秋田県 霞 純米吟醸

うすにごり生


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