鳥元のおでんが人気の的です。
おでんは御田と書くということを始めて知りました。もともと、煮込み田楽の
愛称らしいです。
田楽の語源は田楽舞で、豆腐を串さして焼いたものに味噌をつけて食べたの
が始まりのようです。その後、具材も増え、やがて焼く代わりに煮込む方法も
考えられ、煮込みにしたものを「おでん」と名づけて、それが、一般大衆に広ま
ったのは、江戸末期だったとのことです。
そして、明治初期には東京地方の庶民的な食べ物として愛好されるようになっ
たようです。
国境を超えて、観察すると、言語同様、食べ物とは面白いもんです。
まず、驚いたのは、韓国の方々がおでんをたいへん好まれるということです。
おでんという名前もそのまま分かってもらえるし、刺身、寿司と同じくらい、
なじみがあるようです。
意外や意外、インドネシア人の方にも好まれます。どちらかと言えば、あっさり
系のおでんは好まれないのではないか、と思っていました。
ある日、これが好まれる理由が分かりました。私はインドネシア料理も好きで、
有名なインドネシア料理店に行って、牛すじの入ったスープを注文しました。
スープをすすっているうちに、これが、鳥元のおでんのスープにとても似ている
ことに気がつきました。
要するに、おいしいもの、流行るものは、人種を問わず、売れる可能性が高い
ということです。
私は、「たかがおでん。されどおでん。」、と思っています。
私が扱っている繊維の生地でもそうですが、単純な定番品ほど、他メーカー、
他店との差が、如実に表れてくるので、特に注意を払わねばなりません。
みかけは同じ、どこが作っても似たようなものと思った時点で、勝負に負ける
と思っています。
こういう商品こそ、見えないところへのこだわりが大事です。