勘違いの愛? | 南国の日の丸レストラン

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思いのままに書いています

私が、まだ、20歳台後半で、ジャカルタに駐在していた頃の話です。

つまり、30年くらい前の話になります。


博愛主義者というか、日本では、進歩派とか民主派とかリベラル派と

か言われるような日本人のご'婦人がおられ、自分の家のお手伝いさん

はもとより、隣近所のインドネシア人エリート富豪家庭のお手伝いさん

や運転手さんなどとも、やたらと、親しくされ、時折、物品やお金を施さ

れていたとのことです。


その方は、大手日系企業の支店長クラスの奥さんですから、本人は、

わずかのポケットマネーで、そういう人たちに、 「あの日本人はいい人

だ。」と、現地の一部の人間に言われるから、気持がよかったのでしょう。

そういう階層の方とも同じようなことをした方がいいというので、そういう

人達と家の前で、仲良く、座り込んで、お話をされることもあったようです。

「同じ人間じゃない。」ということなんでしょう。  

ところが、近所の家の裕福なインドネシア人の家庭、特に、奥様方から、

自分の国のしきたりをあまり乱さないで欲しいとのクレームがきていた

とのことです。


本人は、いいことをしているつもりでも、ある層の方々から見れば、「小さ

な親切、大きなお世話。大きな迷惑。」 ということであり、社会規範という

のが見えないそのご婦人は、すっかり、自分に酔っておられたにしか過ぎ

なかったのだろうと推察されます。


己の心情と周囲の現実とを、よく、わきまえて行動しないといけない好例

だと思います。


昨日の日本の首相の所信表明演説を聞いていて、30年ほど前に聞いた

前述の話と高校の時に聞いた高校生の弁論大会を思い出していました。

「清く正しく美しく。」と言っておけば、一般的には、耳触りはよく、言葉に

酔う人もいると思いますが、冷静に客観的に考えれば、世界はユートピア

の理想郷のようにはいかないのですよね。

あとになって、NATO (NO ACTION TALIKING ONLY)ではいけませんね。

言行不一致を、日本では、風呂屋の湯 "言うだけ" (笑い) と聞いたこ

とがあります。


欧州の軍事同盟(NATO)を文字って、NO ACTION TAKING ONLY を教

えてくれたのはインド人の友人です。

彼も請け売りかもしれませんが、うまいことをいうな、と思い、私もよくこの

言葉を拝借しています。


誰しも、日本が、世界が、平和な楽園になることを願っていることは間違い

ありませんが、言うだけなら、どこかのあやしい新興宗教の教祖様の説法

はすごいと思いますね。 聞いていて涙を流すような純な人もいるようです

から。


私もそうですが、夢や理想をもつことそのものは結構なことですが、他人

をまきぞえにするようなことにならないように注意せねばなりません。