1986年から1990年まで、ニューヨーク郊外の平和でのどかな
住宅地に家族帯同で住んでいました。
三人の娘は、現地の公立学校(小学校、中学校、高校)と、それ
ぞれ、進むことになりました。
いきなり英語漬けですから、最初は、苦労も多かったことと思い
ますが、今となっては、いい経験を積んだのではないか、と思っ
ています。
その頃、近所の小学校で、日本でいう花見のようなイベントがよく
行われました。私の家内が、日本の幕の内のようなお弁当を作っ
て、それを家族で食べていると、回りのアメリカ人の子供たちが、
WAO!BEAUTIFUL と言って、驚嘆するのです。
その頃は、寿司はじめ日本食というのは高価なものであることが
知られ始め、日本食ブームが始まりかけた頃でした。
アメリカ人にしてみたら、そんな高価なものを、小学校の芝生の
上で、食べる日本人を見て、驚いていたのでしょう。
その話を、ニューヨーク在住が永い先輩にしたら、「時代が変わっ
たよ。以前、子供が、学校にもっていく弁当に海苔を使わないで
くれ、と母親に言っていた。理由は、日本人は黒い紙を食べる、と
言って、馬鹿にされるということだった。」との話をしてもらいました。
食文化も例外ではないですね。
経済が強くなれば、文化もそれにつられて伝播していくという説の
裏付けになります。
今では、その高価な黒い紙(海苔)そのものを、インドネシアの
裕福な家庭の子供たちが、パリパリと食べるのです。