弱者の戦略 その二 | 南国の日の丸レストラン

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思いのままに書いています

アリと像は、どちらが強者?

そう聞かれたら、当然、像となるのが普通でしょう。


ところが、弱者の戦略にいわゆる接近戦でいうとアリが強いのです。

像は、あの大きな足で、アリを踏みつぶしそうでも、アリは死にません。

ところが、アリは、像の耳に入って、像をいらいらさせることができます。


そう考えるとアリが強いということになります。


弱者の戦略は、戦争の勝ち方を説いたランチャスター理論に基ずく

マーケティング論ですが、一昔前に、北ベトナムが強大な軍需力を

もつアメリカを何故打ち負かしたか?を考えると、そのわけが分ります。

アメリカは、遠くから、莫大な金をかけて、空爆で北ベトナムを攻撃した

のですが、闇雲に空爆を繰り返すだけで、効率が上がらなかったと言

われています。それどころか、敵、味方がはっきりしていないのです

から、味方をも殺戮した可能性も高いのです。


かたや、北ベトナムのべトコン兵は、ゲリア戦法で、誰が敵で、誰が

味方を、きちんと掌握し、敵のみ、ことごとく粉砕していくと同時に、敵

にもなるうるし、味方にもなりうる、言わば、選挙などの時にいう浮動票

をゲリラ戦法で、味方につけていったと言われています。


弱者の戦略は、政治の世界にも通用すると思います。その功罪を

判定するのは、まだまだ先のことと思いますが、元首相小泉純一郎氏

は、小グループ出身でありながら、敵、味方をはっきりさせる戦術を取

り、日本のおおかたのマスコミが、忌み嫌う靖国神社参拝を強行する

などして、逆に国民の支持を取りつけていったのは、弱者の戦略に長

けていたと私は考えています。「裏に道あり。」の戦略ですね。なくす物

の少ない弱者の強味なのかもしれません。


「恐れず、怯まず。」のセリフも分り易かったですね。


最近では、世論操作、印象操作、情報操作で、キングメーカーでもあ

り、キングつぶしもできる日本の巨大マスコミでさえ、この人には、勝

てなかったのだから、したたかといえばしたたかでした。


「人生いろいろ、サラリーマンもいろいろ。」と言った時は、失言、放言

と言われ、揚げ足をとられるような感じもあったのですが、本音では、

その通りと思う人々も多かったので、結局、お咎めなしでした。


人生いろいろを地でいっている元サラリーマンの私でさえ、「うまいこと

をいう人だな。それでいいんじゃないの。」、と思いましたからねぇ。

頭でっかちのマスコミさんが言うように、なにも、悲観的に考えることは

ないのですよ。小泉さんは、人を軽んじて、言ったわけじゃないんです

よ。むしろ、クヨクヨせずに頑張ろうと前向きに言ったのだと思います。


その頃、私は、よく、欧米にも出かけましたが、小泉さんは、国際的に

も、評価が高く、あのライオンのような髪型が、世界の人々にも、強烈

な印象を与えていました。

海外では、KOIZUMIの名を忘れても、JUNICHIRO という方も多かっ

たです。

名前が出なくても、HAIR STYLE で表現する人も多かったです。


日本のマスコと近隣の2ヶ国だけ、つまり、せいぜい、3ヶ国のマスコミ

が、鬼の首をとったように、靖国参拝をやたらと騒ぐので、それにつられ

て、CNNや BBCやNBCなどが、そのニュース映像を、何度も、流すも

んですから、またまた、印象に残る日本の首相になったのでしょう。


小泉さんにとって、いい国際的宣伝だったわけです。


計算してやったのではないでしょうが、小泉さんは、ゲリラ戦法がうま

かったと思いますね。


どこかの私企業の社長が勤まるかもしれません。