どういう意味 ? 「こんな日本に誰がした?」 | 南国の日の丸レストラン

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思いのままに書いています

私たちより一世代上の先輩の時代に、「こんな女に誰がした。」という流行歌が

ありました。


戦後の混乱期に、生計を立てるために、働く夜の女性が主人公の歌で、今でも

ナツメロソングで唄われています。アメリカ兵を相手に、お金を稼ぐ日本女性の

歌だったように思います。


その哀愁に満ちたメロディーと歌詞は、その時代を経験していない私にも、胸に

刺さる思いがします。


その歌にからめて、今の日本の状況を、「こんな日本に誰がした。」、という人が

いますが、私は、まったく、時代錯誤というか世界を知らない人たちの見解としか

とりません。


私たちの姉か母親ぐらいの人たちが生きるために、そこまでせねばならなかった

戦後日本から、今や、世界の人々に、「ニッポン一番。」と掛け値なしで言われる

までになった日本です。


「こんな日本に誰がした。」の意味は、「こんないい日本に誰がした。」という意味

なら、分かりますが、その逆の意味なんです。


政権批判の側の野党は、殊更に、そういう言います。日本崩壊とか日本沈没とか

いうような言い方をして、マスコミもまた国民の不安を煽ります。一方、与党側も、

良かった側面やその成果を、遠慮気味に、ちらっとは言うのですが、実際、うしろめ

たさもあるのでしょうか、声高にそれを強調すれば、「反省がない。」とか「馬鹿の

ちょんの。」とマスコミその他で叩かれるのを恐れて、奥歯にものの挟まったような

言い方になります。


与党とか野党とか関係なく、こんないい日本にしたのは、日本人なんです。

イジメや社会規範の緩みなど、「こんな悪い日本に誰がした。」 面もありましょうが、

そうしたのもまた、日本人なんです。しかし、なんだかんだ言いながら、世界の人々

が認める通り、まだまだ、日本は素晴らしい国だと思います。


一昔前の話ですが、ある企業のトップが、社員さんに向かって、「社内のくれない族」

になってもらっては困ると言っておられました。今、日本人が、ないものねだりのくれ

ない族になりつつあることの方が、むしろ、心配です。


「金くれない。チャンスくれない。仕事くれない。」 悪いのは、政治や世間で、自分は

正しいと思うくれない族が増えているのは確かでしょう。


路上で人を切りつけた人間まで、社会が悪い、制度が悪い、と言って、擁護する

テレビのコメンテイターまで出てくる始末です。

この知識者層の話では、日本で、自殺者が多いのは政治のせい、世間のせいらしい

です。


それを例に挙げて、正義の味方よろしく、「こんな情けない国が、世界中で、どこに

ありますか?」と、あまり世界を知らない公衆の面前で、大声で叫ぶ大物政治家ま

でいるのですから、あきれかえります。本当にそう思っているかのように真剣な顔

にも見えるので、ちょっと、戸惑います。どうも演技でもなさそうなんです。もし、本当

にそう思っているとしたら、相当、国際感覚がずれている方としかいいようがありま

せん。



通貨危機後の韓国ソウルに行った時、屋台の形をした小さな路上みやげもの店

がありました。その前を一緒に歩いていた韓国の繊維メーカーの人が、「あそこで、

みやげものを売っている人は、韓国最大手商社の元幹部だ。」と言っていました。

リストラで、職を失ったということでした。エリートの日本人なら、恥ずかしくて、急に、

そんな商売を始めるのは、大変、勇気のいることでしょう。

気の弱い日本人エリートなら、思いつめて、自分で命を断たないとも限りません。


平和ぼけ、バブルぼけになった日本人のメンタル面の方が心配なのは、私だけ

でしょうか?


衆議院の総選挙に向けて、どこの政党も、国民へごますり合戦ですが、年齢層

問わず、これでは、くれない族と言われる日本の人種が、益々、増殖しそうです。

そうはならないことを祈るばかりです。