鳥大将棋部の日記

鳥大将棋部の日記

部員による日記です。将棋や日常について書いていきます。

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第3図(再掲載)

前回の続きです。
お相手の囲いも雁木になりました。これはツノ銀雁木(以下ツノ)と言う囲いで、ここ最近プロアマ問わず雁木戦法が流行っていますが、流行っているのはこちらのツノの方、という印象ですね。
自分も、「雁木伝説」という棋書で一応勉強し、実践でも何局か試したのですが、個人的にそこまではまらなかったので、現在は使っておりません。
通常雁木が受けの戦法なら、ツノは攻めの戦法という印象です。

第3図から
△54銀右 ▲58飛
△59角 ▲55歩
△63銀 ▲28飛
△95歩 ▲同歩
△97歩

第4図
まずは、やることがないので54の銀を追っ払うことにしました。相手の角道も止まっているのですぐに動いてくる感じではないです。ここで気を付けるのは77角と上がらないことぐらいです。65桂や85桂と跳ねられた時に当たりますからね。相手が44歩型の時は特に上がらないことをオススメします。
さて、△95歩としてついに仕掛けてきました。さらに待たれたときは、56金~45歩などでしょうか。位に物を言わせて押し込む将棋も、気分がいいですよね。(クライドラーと呼ばれていた時期が僕にもありました)
さて、話しは戻りますが、前回も書きましたが端は雁木の弱点です。さらに8筋交換を許す戦法なので常に一歩持たれているのもかなりデカイ。
しかし端を強化する手段を雁木は持ち合わせていないので、基本的には受け切るか、いなして攻めの速度で上回るかしかありません。
今回がどっちに該当するかは、ちょっとわかりません。
昔、鳥大にO谷君という部員がいました。
彼は振り飛車党なのですが、端攻めが非常にうまく、穴熊をまるで豆腐でも食べるかのごとく粉砕していくので、自分も端攻めを勉強したいと思ったのですが、思ったことを今思い出しました。今から勉強します。
名字があ行からはじまる人、イニシャル表示で隠れてない問題。ありますよね。
とりあえず端攻めは、一番怖いのです。
第4図から
▲同香 △85桂
▲96香 △95香
▲同香 △同角
▲99香 △73角
▲86歩 △97歩

第5図
なんやかんやありまして、▲99香と設置しました、これには「端は突破されてない!いやむしろ端攻めなんてなかった!」と言わんばかりの筆者の気迫が込められています。
しかし実際は香車を持たれているわけで、色々な攻め筋が発生しています。
まあ当然角は逃げられまして、▲86歩とつきました、恥ずかしながらここでは、桂馬のタダ取りで優勢だと思っていたのですが、そもそも、▲85歩には、△86香がありますし、本譜の△97歩がさらにいい手でまだまだ難しいと感じました。
放置すると△91香や△98香があるので、とるしかなく85の桂のタダ取りプランが無惨に散っていきました。
突然ですが皆さん好きな駒はなんですか?
自分は香と金です。

今日はここまでにします。
おそらくあと2回くらいで本局が終わると思いますので、しばしお付き合い下さい。

どうでもいい格言

「好きな駒を聞いて、駒の裏側を答える奴はそこそこの逸材」

前回の投稿からしばらく空いてしまいましたが、新学期になって部員も増えたので、雁木党教祖としては、一人でも多くの党民(現在0人)を確保すべく、またちょいちょい書いていこうと思います。
先日、2年生のS藤君から雁木に興味を持っているとの発言を確認したので。いままでの投稿は無駄ではなかったようです。

それでは、行ってみましょう。(どこに?)

初手から
▲76歩 △84歩
▲68銀 △62銀
▲78金 △85歩
▲66歩 △74歩
▲56歩 △64歩
▲48銀 △73桂

第1図
お相手はクラブ24の2250くらいの方だった気がします。若干格上ですが、雁木は最強戦法()なので、大丈夫です。
三手目、▲68銀について少し説明します。
これは、78銀との択なのですが自分は、68を押します。78の利点は、振り飛車を装えることです。相居飛車では玉は一段目の方が比較的安全ですが、振り飛車を見せることにより、△42玉を誘発できます。
68の利点は、速攻で右四間をされたときに▲78金と上がり、安全に雁木を組むことができる点です。まあ好みの問題なのでどちらも試してみて自分にあった方を使って下さい。
12手目、△73桂とはねてきました。
自分は△73桂を見たら、▲79玉と指してます。これは将来的に

将来的な図
△65歩から仕掛けられた時に、▲同歩、△同桂、に▲33角成を用意しています。
玉が69にいるときだと、ここで57桂不成が王手なので▲66銀右と上がりますが、これでは角が負担になりそうです。75歩からの攻めが厳しいのであまり面白くありません。
△73桂には、▲79玉と覚えましょう。
よしっ、△73桂には、▲79玉!…。ん?
玉がまだ59にいるので指せないッ!!
第1図から
▲58金 △32金
▲69玉 △41玉
▲79玉 △63銀
▲57銀

第2図
といっても今回は相手の攻撃体制も整ってないので、△65歩までにまだ猶予があります。
▲79玉から▲57銀で雁木が完成しました。
何度見ても美しいですね。この囲い考えた人は、「素晴らしい感性を持っておられる」。
因みにこれは、僕が素晴らしくない手を指してしまった時に、対局相手のO畑君に掛けられる言葉でもあります。
以上、雁木囲いを見るためだけの第2図でした。
第2図から
△86歩 ▲同歩
△同飛 ▲87歩
△81飛 ▲26歩
△42銀 ▲25歩
△33角 ▲36歩
△44歩 ▲46歩
△52金 ▲37桂
△43銀 ▲16歩
△94歩 ▲96歩
△14歩 ▲68銀
△31玉 ▲47金

第3図
まだまだ駒組が続きます。
雁木がされて困ることその1が相手がなかなか仕掛けてくれないとき。個人的に雁木はこちらからは仕掛けづらい戦法だと思ってるので、待たれるとやることがなくなってくるのです。そこでたどり着いたのが68銀、47金型!何がいいかと聞かれると困りますが、とにかくまあ二手は待てます。さらに相手に待たれたときは、▲55歩から、▲56金と上がり、4筋からの攻めを見せていきます。
ここまで組めれば厚みの分、指しやすいかと思います。
この後雁木の弱点の一つである端から攻められるのですが、書きたいことがありすぎるので、とりあえず今日はここまでにします。
近いうちにまた投稿したいと思います。

今日のテーマは「相手の攻めをいなす」
受けには大きく分けて2つあります。
1.自陣に駒を投入しガチガチにする受け方
2.少ない駒で効率良く指す受け方
今回は2の受け方になります。
2の利点は、駒を温存することで攻めに使うことができるところ。しかし、玉が薄くなるので相手の攻めを見切る技術が必要です。攻めるときは、相手に渡して良い駒と悪い駒の判断が重要です。
それでは本題に入ります。

第一図※先後逆にしてあります。
相手の方は左美濃。雁木を指していると、相手が色んな戦法で対抗してくるので、全く飽きがきません。そのなかでもこの左美濃は厄介な部類で、もし、相手に雁木をされたら自分は左美濃を使います。ある友人に雁木を研究され、左美濃に組まれ、40手弱で攻め潰された経験もあります…。
例の如く4筋からは攻められ無いので飛車先を突いていきます。
第一図から
△86歩 ▲同歩
△同飛 ▲87歩
△81飛 ▲16歩
△54銀 ▲36歩
△94歩 ▲46歩
△95歩 ▲24歩
△同歩 ▲同飛
△23歩 ▲28飛

第二図
お互いに飛車先を交換して一歩手持ちにしました。
雁木の端歩ですが、この場合は端攻めが怖いので受けないほうが良いでしょう。一歩持たれて端も突き越され相手は準備万端といったところ。そろそろ攻めてきます。
第二図から
△75歩 ▲同歩
△85桂 ▲86歩
△77歩 ▲87金

第三図
△75歩と突き捨て、△85桂と跳ねてきました。しかしこれはやや細い攻めで、第一感は指し切らせる自信がありました。▲86歩とまずは桂を仕留めましたが、この▲86歩にはもうひとつ狙いがあります。△77歩に▲87金。これが狙いでした。
金がかわせるのが大きいです。△77歩に▲同桂は相手の桂がサバけますし、▲68金左は△97桂成で、飛車成が受け辛いです。多少形が崩れるくらいが雁木を指してる感じがします。
第三図から
△65歩 ▲85歩
△66歩 ▲76銀
△61飛 ▲68歩
△65銀 ▲同銀
△同飛

第四図
こうなれば相手はドンドコ来るしかありません。
△65歩は角のラインで攻めてやろうと言う手。これを取る手も有りますが、やはり角のラインが不気味です。手抜いて桂馬を取りました。そして当然の△66歩の取り込みにまたしても▲76銀とかわします。このかわしで攻めを切らしたと思ったのですが、全く読んでなかった強手を放たれます。
第四図から
▲77桂 △75飛
▲76歩 △同飛!
▲同金 △87銀

第五図
▲77桂が味の良い一手で、拠点の歩を払いながら、飛車取りの先手です。△75飛に▲76歩。当然お帰りになられるものだと思っていたら△同飛!と飛車のただ捨て!なんだかブレーキとアクセルを間違えてコンビニに突っ込んだような手が飛んで来ました。一見無茶な攻めに目えますが△87銀でこちらも気合いを入れて受けなければならなくなりました。
第五図から
▲71飛 △68歩
▲79玉 △96歩
▲同歩 △同香
▲同香 △同銀成
▲78玉 △86香

第六図
この時点でさっきまでの受けきる予定が潰されてしまいました。しかし攻めは続くものの、こちらは右辺が広いので、右辺に逃げ出して手数を稼ぎ、その間に相手を仕留める方針に移行しました。
これが本日のテーマ「攻めをいなす」です。
相手に効率の悪い攻め方をさせます。駒が少ない相手は分かっていても左から追うしかありません。
ここでの受け方は、取り敢えず金を助けないと行けないので、攻め味も見せて▲71飛としました。相手も角を取ってしまうと、流石に切れてしまうので、端から攻めてきました。△86香とされたところでは、角が助かりません。ここで実質受けがなくなりました。あとは攻め合いでどちらが早いか。
第六図から
▲26香 △88香成
▲69玉 △24歩
▲同香 △27歩
▲同飛 △26歩
▲22香成 △同玉
▲26飛 △23歩
▲24歩 △同歩
▲23歩 △同玉
▲37桂

第七図
まずは、▲24香と設置します。自分の経験上左美濃を崩す時は、一段目に飛車を下ろし、2筋から行くのが一番早いです。
歩の数にものを言わせて、2筋からガンガン行きます。最後に、相手からの早い攻めが無いことを読みきって、37桂と跳ねました。これで相手も受けが利かなくなってきました。狙いは、▲25歩△同歩▲24歩△同玉▲25飛です。
第七図から
△44角 ▲29飛
△26香 ▲27歩
△54歩 ▲91飛成
△87成銀 ▲26歩
△67歩成 ▲25歩

第八図
△44角は、攻防手。さらに△26香と打ってきました。▲27歩で死んでいるようですが。2手稼がれています。しかし△87成銀とやはり左から追っていくしか無いのが辛いところ。▲25歩では、▲同金でも勝ちですが、攻めてハッキリ勝ちと見ました。
第八図から
△78成香 ▲59玉
△58と ▲同玉
△71歩 ▲24歩
△22玉 ▲25香
△38金 ▲23歩成
△31玉 ▲32と
△同玉 ▲75角
△24歩 ▲23銀
△33玉 ▲45桂
△23玉 ▲24香

投了図
途中の38金が詰めろでは無いので詰めろで迫れば勝ちとなります。▲75角が決め手で合い駒が無いのが泣き所です。△24歩とされましたが、これは受けになっておらず、23銀からの詰み筋に入りました。
本局は受け切りを狙いましたが、相手の強手があり、攻めが切らしにくい状態になりました。しかし、玉の広さを生かして、右辺に逃げ出し、相手の攻めをいなして勝つことができました。
切れにくい攻めは、受けていても段々不利になっていくことが多いので、時には玉を戦線から撤退させて、自玉への攻めの手数を読みきって勝つ方法も必要になってきます。どんな時もやはり柔軟に対処できるようになりたいものです。

今回も雁木の実践棋譜を紹介していきます。

テーマは「44歩を突かない相手をへの対策」


第一図※先後逆にしてあります。

前講座で解説した通り雁木の主な攻め筋は4筋からの集中砲火ですが、相手の工夫で44歩と突かない指方があります。争点が無いのでなかなか4筋から攻めるのは難しいですね。しかしこの場合は角道があり得ないくらい直通なので、いい攻め筋があります。
第一図から
△84銀 ▲55歩
△同歩 ▲同角
△73銀 ▲56銀右
△54歩 ▲88角
△75歩

第二図
相手は棒銀を選択してきました。放置すると8筋が崩壊するので▲55歩、△同歩、▲同角で間接的に受けにいきます。
▲56銀右では、▲54歩もあります。
△75歩はやはり手抜きます。
第二図から
▲35歩 △同歩
▲34歩 △22銀
▲38飛

第三図
ここで密かに狙っていた手があります。
▲35歩!△同歩と取るくらいですが5筋で1歩持った効果で▲34歩の叩きが急所の一発。
角道があり得ないくらい直通しているので△22銀と引かせて、34歩の拠点と22銀の壁で雁木側が少しポイントを上げました。地味ながら終盤で1手くらいは違います。
▲38飛で更に圧力をかけていきます。
そこで後手も反撃に出ます。
第三図から
△76歩 ▲35飛
△74銀 ▲55歩
△86歩 ▲同歩
△87歩 ▲86角

第四図
お馴染みの攻め筋。この筋は何度も喰らいます。攻め潰されることも有りますが、その度に受け方を学んでいけばいいと思います。
「雁木のカウンター」の回で、△86角、▲同金、△同飛、▲77角打ちと言う指方を解説しましたが、76に歩がいるため効きません。
第四図から
▲76銀 △53角
▲37飛 △75歩
▲54歩 △55角
▲73桂

第五図
分かりやすい受け方は金に紐をつけることです。
▲78銀も有りますが、76の歩が目障りなので、▲76銀としました。ここから87の金の紐を巡る攻防が始まります。△53角と味よく飛車に当てて引いてきたので、味よく▲37飛と金に紐を付けながら引きました。
そこで更に△75歩。これで実質銀がお亡くなりになりました。67銀は87飛成りで負けです。
しかし▲54歩~▲55角と先手で迫り良い勝負です。飛車当たりなので、△73桂と受けてきました。ここでは△73角も有りましたが良し悪しは微妙です。
第五図から
▲75銀 △同銀
▲74歩 △64銀打
▲同歩 △同銀
▲88角 △36歩
▲47飛 △57歩
▲同飛 △65桂
▲47飛

第六図
桂頭を狙える形になったので、▲75銀の強手を放ちましたが若干疑問でした。ここでは、▲83歩から連打して飛車道を止め、▲67銀と引く手を作るのが良かったみたいです。
本棋譜は、相手の△64銀打が疑問手で、雁木優勢になりました。
第六図で相手に歩があれば、△57歩で困りますが、歩がないので、これ以上の攻めが有りません。
第六図から
△44角 ▲66歩
△84飛 ▲73歩成

第七図
△44角に▲66歩で完封宣言。なるべく逆転が難しくなる指し手を選んでいきます。
▲73歩成は放置すると相手の飛車が狭いですし、同銀には65銀で、角道を通すことなく桂馬が回収できます。
第七図から
△同銀 ▲65銀
△64銀 ▲85歩
△同飛 ▲86歩
△81飛 ▲64銀
△77飛

投了図
飛車を先手で止めて安全勝ちを目指しました。
最後の▲77飛は一見△66角で攻め手を与えているようですが、▲72飛成が厳しすぎるので成立します。ここで投了となりましたが、やはり飛車成りが受けづらく、54歩、34歩の拠点、22の壁、と飛車に弱い陣形なので、やむ無しと言った感じです。
今回は、44歩と突いてこない相手の対策をテーマにしましたがどうでしたでしょうか?
角道を生かして三筋を攻めました。一見地味な成果ですが、終盤戦を有利に進めるための布石といった感じです。
一気に攻め潰すものも楽しいですが、こういった着実にポイントを稼いでいく指方が、自分は好きです。良かったらお試し下さい!
今回はここで終了します。
次回は実践棋譜4をお送りします。
今回も雁木の実践棋譜を見ていただくわけですが、テーマは「柔軟性」本講座で雁木は柔軟性のある囲いだと述べたことがあると思いますが、それを証明できる棋譜が取れたので、紹介したいと思います。

第一図
まずは、お馴染みの雁木囲いです。
お相手は将棋倶楽部R2100位の方。
対雁木の作戦ではあまりお目にかかれない戦形で、どうしようかと悩みましたが、△64歩と突かれたので、三手角を目指しました。しかしここで、△62玉。右に囲われると4筋に駒を集中させても、適当なところで攻め合いに出られて速度負けすると思いました。そこで方針転換。
第一図から
▲47金 △72玉
▲86歩 △62金
▲87金

第二図
三手角は諦め、取り敢えず狙われそうな5筋を補強。更に▲86歩~87金として、囲いを進化(退化?)させていきます。現状相手の戦力は左右に分散していてバランスが良いのですが、攻める場所によっては、左の金銀を遊び駒にすることができると考えました。
第二図から
△55歩 ▲同歩
△同飛 ▲56歩
△51飛 ▲96歩
△同歩 ▲同香
△同香 ▲同金
△91香 ▲98飛

第三図
5筋で1歩持たれましたが、ここで密かに狙っていた▲96歩!端を詰められているので盲点になりがちですが、いわゆる地獄突きと言うやつです。
普通に精算されて△91香と再度設置してきました。ここでは▲95歩もあるところですが、次の狙いが難しく、3筋の金銀に働く余地を与えると思い、速度重視で▲98飛と飛車を大きく使いました。
第三図から
△61玉 ▲95金
△72銀 ▲94歩
△83銀 ▲77桂
△72金 ▲85歩
△同桂 ▲同桂
△同歩 ▲84香

第四図
△96香と金を取ってしまうと、飛車成りが受けにくいので駒損でも先手が指せます。
そこで△61玉と早逃げしてから△72銀~83銀で端を守りに来ました。この将棋はすでに「端を破れば勝ち」と言う分かりやすい展開になっています。
▲95金と突進してから▲94歩と押さえました。
すぐに成れる形なので、▲95歩とはプレッシャーが違います。▲77桂と活用し、左辺躍動で先手優勢です。優勢なときは焦らず慎重に確実に駒得できる順を選んでいけば、勝ちに繋がるとおもいます。
カウンターは相手の力を使って反撃するものなので、こちらが派手に動かなければ、相手も困るのです。絶対に逆転を許さない指し回しを心掛けましょう。
第四図から
△86桂 ▲96飛
△55歩 ▲85金
△56歩 ▲同銀左
△55歩 ▲67銀
△84銀 ▲同金
△56香

第五図
相手は△55歩と再度突いてきました。狙いは▲同歩、△同飛、▲56歩に△25飛と回ることです。
なので、そこで手抜いて▲85金として制圧を目指します。
△56歩、▲同銀左、△55歩、▲67銀と拠点を作ってから、△84銀、▲同金、△56香と勝負手を放ってきました。受け方は色々有りますが、ここでは、相手の攻めを続かせない受け方を選びました。
第五図から
▲58歩 △57香成
▲同歩 △83歩
▲84金 △84銀
▲86金 △95歩
▲同金 △同銀
▲同飛 △84金
▲98飛 △94香
▲95歩 △同香
▲96歩

投了図
▲58歩と受けました。この手に変えて、▲同銀左は、△同歩、▲同銀、△55歩、▲67銀、56銀と絡まれて、面倒になります。
56の地点の効きを減らさないことが重要です。
最後の粘りで、端を手厚くされましたが、冷静に香を捕まえて、勝ちとなりました。
本局は、盲点の仕掛けから、優位を築き、慎重に指し回すことができました。最後まで相手の金銀が遊ぶ展開になったのでますまずな仕掛けだったとおもいます。
雁木は囲いと言うよりも構えと言う感じで、色んな形に変化していきます。
今回は、そのなかでも特に大きい変化でした。
雁木の「柔軟性」を感じて頂けたと思います。
これで今回の講座を終了します。
次回は実践棋譜3をお送りします。