医師・薬剤師向け会員制サイト、m3.comでの連載が公開されました。
(m3.comのコンテンツ、医療従事者の経験・スキルをシェアする「メンバーズメディア」内での連載です)
今回のタイトルは
前回に続き、「夫ネタ」で書かせていただきました。
(前回記事はこちら)
非会員の方向けに、以下に本文を転載します。
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医師7年目、内科医のトリおんなです。
この連載では、若手内科医の日常をゆるりと綴っています。
前回は、外科系医師である夫のちょっとした「秘密」について書きました。今回も引き続き、夫との生活の中で、外科系ならではのこだわりを感じたエピソードを取り上げます。
それではどうぞ。
外科系夫が愛用する謎のマシン
夫と結婚して同居を始めるにあたり、お互いの独身時代に使っていた家具や家電を持ち寄りました。
「これ、洗面所とキッチンに置いていいかな?」
夫が持ってきたのは、2台の謎の装置でした。高さ30cmくらいでしょうか、なかなか存在感のあるサイズです。
トリ:この機械、なあに?
夫:ほら、こうやってセンサーに手をかざすと、石鹸が泡になって出てくるんだよ
謎の装置は、家庭用のソープディスペンサーであることが判明しました。泡立てネット愛用者の私にとって、これまであまり縁のなかった機械です。
医学生や研修医の頃、手術室に入る前には、こういう機械を使って何度も手洗いしたもんなぁ……と思い出したのと同時に、外科系医師ならではの(?)、夫の手洗いに対する並々ならぬこだわりを感じました。
料理中に見せる「外科医の本気」
さて、ソープディスペンサーを無事に設置して、いざ同居生活が始まりました。
夫はこれまで自炊をする習慣がなく、料理はもっぱら私の担当となりましたが、私が台所に立っていると、「何かできることある?」とちょくちょく様子を見に来てくれます(洗濯や皿洗い、ゴミ出しなどは夫の担当です)。
同居を始めて間もなく、こんなことがありました。
夫:何かできることある?
トリ:うーん、それなら、玉ねぎと人参の皮を剥いて、こんな感じで切ってもらおうかな
一度私が手本を見せた後に、満を持して登場した夫。もちろん、例のソープディスペンサーで丁寧に手を洗っています。
初日こそ、私が時々横から口を出して、指を切らないように、包丁の持ち方を直しながら見守ったのですが(何しろ、外科系医師にとって、手は大切な商売道具ですから)…… さすが外科系と言うべきか、刃物の扱い方にはすぐに慣れた様子。玉ねぎのくし切りや、人参の乱切りは、早々にマスターしてしまいました。
回数を重ねるうちに、難度高めなトマトの皮も包丁で難なく剥けるようになり(湯剥きのためにお湯を沸かすのが面倒なので、包丁で剥くスタイル)、今ではわが家の「トマト王子」の称号をほしいままにしています。
夫:いやぁ、やっぱり「症例数」をこなすと腕が上がるね~
新しい「術式」をマスターすることにも余念がない夫。以前、ゴボウのささがきには苦戦したことがあり……次なる目標は、「ゴボウ王子」なのかもしれません。
そんな夫、いつか私に手料理を振舞ってくれるそうなので、楽しみに待ちたいと思います(注:夫もこの連載を読んでおります)。
外科系夫愛用のディスペンサー 難点は…
余談ですが、例のソープディスペンサーは、とても便利な反面、石鹸の減りが早いのが難点です。センサーの誤作動だったのか、夜中に黙々とシンクに泡を吐き出し続けていた現場をつかまえたことがあり……もしかすると、そのせいかもしれません(もったいないからやめて~)。
じつはここだけの話、女友達からの結婚祝いに、何千円もするおしゃれなソープをいただいたのですが、このペースではすぐになくなりそうだなぁと思い、こっそり大切に仕舞ったままにしています。
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