さて、医療者向け会員制サイト、m3.comでの連載が公開されました。
(m3.comのコンテンツ、医療従事者の経験・スキルをシェアする「メンバーズメディア」内での連載です)
今回のタイトルは
非会員の方向けに、以下に本文を転載します。
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医師7年目、内科医のトリおんなです。
この連載では、若手内科医の日常をゆるりと綴っています。
前回は、健康食品にまつわる悩みごとについて書きました。今回は、検査に向けて「付け焼き刃」の対策を講じてきた、ツワモノの患者さんのエピソードです。
「○○したから肺はキレイなはず」
自信満々な患者
私の専門分野は、膠原病・リウマチです。診療科柄、肺疾患を合併している患者さんが一定数いらっしゃるので、胸部CTをオーダーする機会は、もしかすると呼吸器ご専門の先生方の次くらいに多いかもしれません(間質性肺疾患の経過確認などのためです)。
ある日の外来で、こんな一幕がありました。
トリ:○○さん、今日は検査おつかれさまでした。胸部CT検査の結果ですが…
患者さん:先生、肺は去年よりもキレイになってたでしょ?
トリ:えーっと、去年と比べて、横ばいくらいですかね(汗)。悪くはなっていませんでしたけど……
患者さん:あれぇ、おかしいなぁ。きっと真新しいピカピカな肺になっているだろうと思ったんだけどなぁ……
なんせ、今日のCT検査のために、1週間前から禁煙してたからね。先生からはもう何年間もずっと、禁煙するように言われていたけど、今回ようやくタバコを止められたよ。
なんと。医師歴7年目に入りましたが、患者さんからこんなことを言われたのは初めてでした。たった1週間前からの禁煙でCT画像が変わるわけないですって(心の声)。
さらに「天然」が炸裂?!
患者さんの驚きの発言
トリ:えーっとね、○○さん。短期間タバコをやめたから、急に肺の病気が消えてなくなる、というわけではないんですよ。でももちろん、禁煙はとても大切ですから、これを機に、タバコはきっぱり止めてくださいね
これで一件落着かと思いきや、この後さらに、この患者さんの「天然」ぶりが炸裂したのです。
患者さん:えーっ、CT検査が終わったから、病院の敷地から出たらすぐにでもタバコを吸うつもりだったんだけど。ダメなんですか?
どこからツッコめば良いのかわからない…とは、まさにこのことです。
健康診断の前に「駆け込み」でダイエットをしたり、お酒を控えたりという方はよくいらっしゃいますが、「駆け込み」での禁煙というのは、珍しいパターンでした。さてはこの患者さん、学生時代は一夜漬けで試験勉強するタイプだったに違いありません。
これからも禁煙を続けてくださいね、と重々お話ししてご帰宅いただいたのは言うまでもありませんが、はてさて、次にお会いするときまで、禁煙継続できているでしょうか。内科医としての私の説明能力、指導能力が試される……と思うと、少々ドキドキしてしまいます。
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