そして、このマンガの「原作」となったのは、こちら↓の連載記事でした。
再掲します。
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内科専攻医のトリおんなです。前回は、紹介状に書く「一人称」で背伸びしすぎた話をお届けしました。お楽しみいただけましたでしょうか。
今回は、マイペースな研修医の先生との、トホホすぎるエピソードです。それではどうぞ。
初期研修は「お試し期間」?!
初期研修医の先生方が、当科をローテートしてくださることがあります。
医師1、2年目の彼ら彼女らにとって、ローテート期間は、将来の進路を決めるうえで大切な時期。
知識や技術を習得するだけではなく、この診療科は自分に向いているか、将来希望通りの働き方ができるか、など、いろいろ考えながら研修を行う、いわば「お試し期間」です。
また同時に、初期研修医を受け入れる私たちにとっても、ローテート期間は、研修医のやる気や適性を見定めるための良い機会です。
マイペースな研修医、現る
さて。
某月に当科をローテートしていたA先生は、もともとマイペースな性分なのか、「打てば響く」という言葉とは対極にあるような先生でした。
仕事に取り掛かるのがとても遅かったり、何か教えても「……はぁ」と気の抜けたような返事だったり。
上級医として、私が彼に言ったことが、ちゃんと伝わったかどうか心配だったので、苦肉の策としてこんなふうに指導してみました。
トリ:「A先生。今から先生に大事な指示を伝えるので、忘れないようにメモをとって、最後に復唱してもらえますか?」
この「メモ作戦」はA先生に合っていたようで、それ以来、メモを見ながら患者さんの状態について報告してくれたり、やり残した仕事がないかどうか、メモと照らし合わせて確認してくれたりするようになりました。
研修医がメモした「大事なこと」って…
「大事なことはメモする」
このコツを学んでくれたA先生は、以前よりも仕事をうまくこなせるようになり、私もホッと胸を撫で下ろしていたのですが……
ある朝、A先生の手元のメモに、こんな走り書きを見つけてしまったのです。
「○○(うちの科の名前)=あわない」
と。
なんと!
そりゃあ、こちらも薄々
「A先生はうちの科には向いていないんじゃないか」
と思ってはいたけれど……
A先生にとって、「うちの科は合わない」というのは、メモするくらい大事なことだったのでしょうか。上級医としては、ちょっと切ない一幕でした。
でもまあ、向き不向きって、やっぱり大事ですから、恨みっこなしです。彼の行く手に幸あれ。
ゆる〜いイラストとともにお届けします
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