マンガの「原作」となったのは、研修医時代に書いた、こちら↓の連載記事でした。
再掲します。
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オレオレ詐欺の始まり 大御所先生から電話が・・
1年次初期研修医のトリおんなです。
先日の夕刻、院内PHSに事務受付から内線が入りました。
「トリ先生、○○大学の■■先生からお電話です。来年1月の学会発表のことでお話があるそうですが、お繋ぎして良いでしょうか」
■■先生は、私の出身大学の大御所です。学生時代からお名前は存じ上げていました。
「はい、お願いします。繋いでください」
お偉い先生からの連絡に、緊張しながら電話口で待つ私。
「あ~、もしもし。トリ先生ですか?大学病院の■■です」
「お世話になっております。トリです」
「今度の学会発表のことなんだけどね、僕、先生の発表するセッションの座長をすることになっていてね」
「はい、存じております。よろしくお願いします」
「うん。それでね、先生は医者1年目だからまだ学会発表に慣れていないだろうけど、学会では当日にいきなり発表順が入れ替わることが結構あるんだよね」
「はぁ~、そうなんですね」
「そんな時のために緊急連絡先を登録しておくことになっているんだけど、トリ先生は登録漏れがあるみたいで、事務局が困ってるんだよ」
「えっっ!本当ですか?それは申し訳ありません」
「いえいえ。トリ先生の携帯の番号を教えてくれる?事務局には僕から伝えておくから」
「分かりました。090-xxx-xxxxです」
「ありがとう。学会で会えるのを楽しみにしていますよ」
先生からの温かい激励の言葉に、ルンルン気分でカルテ仕事に戻った私。
しかし、しばらくしてハタと気づきました。
「あれ。よく考えたら、お忙しい座長の先生から事務的なことでわざわざ連絡が来るのっておかしくない?!」
慌てて学会のWebサイトにアクセスしたところ、果たして・・・。
「おしらせ」欄に赤文字で書かれていました。
「学会関係者を騙った不審電話に注意」って。
あ~あ。やっちまった!
Webで公開されている学会の発表プログラムには、名前も所属先もバッチリ記載されています。それを見て電話を掛けてくるとは、なんて悪知恵の回るヤツでしょう。
そういえば研修医になってすぐのオリエンテーションで、「外線で掛かってきた電話で連絡先を訊かれても、決して教えてはいけません」って習ったなぁ。まさか自分が引っかかるとは思ってもみませんでした。くっそぅ。
オレオレ詐欺の顛末
PHSへの不審な電話の翌日、さっそく携帯に知らない番号からの着信がありました。発信元の番号をググってみると、不動産営業の番号とのことでした。敵もさるもの、仕事が早いです。
……すぐに着信拒否したことは言うまでもありません。
(そもそも不動産に投資できるような大金、持ってないけどね~笑)
番号教えちゃダメ、ゼッタイ
昨今は、ネットの情報を辿れば、一発で所属先や顔写真まで分かってしまう時代です。本記事をお読みの先生方も、知らないところで「カモ」にされているカモ?どうぞお気を付けください。
そして、若い医師が騙されかけているのを見かけたら、どうかビシッと注意していただければと思います。
「番号教えちゃダメ、ゼッタイ」って。
もう二度とだまされないぞぉ~!
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