経行浮腫(月経期の浮腫)
経行浮腫とは月経前あるいは月経期に浮腫が生じ月経終了後に自然に消退するものを言う。但し月経周期と関係しない場合は本項に含めない。
⑴脾胃陽虚型
①特徴
顔面や四肢の浮腫、寒がる、四肢の冷え、泥状〜水様便、尿淡色、腰や膝が怠く無力等を呈する。
②メカニズム
脾胃陽虚で水湿停滞があるものでは月経時には陽氣が更に虚すので脾の運湿と腎の温化が低下し水湿が皮膚に氾濫する為に発生する。
③症状
月経期に顔面や四肢の浮腫、寒がる、四肢の冷え、膝や腰が怠く無力、泥状〜水様便、尿が薄く量が多い、舌質淡胖、舌苔薄滑、沈細脈無力。
④治法
八味地黄丸等温腎健脾益氣浮腫を中心に対策する。
⑵脾虚湿滞型
①特徴
月経前に顔面や足背に軽度の浮腫が生じ摂食量が少ない、悪心、胃部が脹る等脾氣虚の症候を伴うが寒がる、四肢の冷え、腰や膝が怠い等の腎陽虚の症候はみられない。
②メカニズム
脾氣虚で湿濁があり月経期に湿が肌膜に外散する為に発生する。
③症状
月経前の顔面や四肢の浮腫、食欲不振、悪心、腹脹、軟便、舌質淡あるいは胖大、舌苔薄膩、濡脈
④治法
参苓白朮散等益氣健脾化湿消腫薬を中心に対策する。



