今日のテーマは口苦(口が苦い)です。
口苦とは口中に苦味を自覚する状態です。
苦味は胆の味で胆液泄すれば口苦し。
胆病めばしばしば溜息し口苦く、胆汁を嘔吐する。
胆汁の分泌は肝の疏泄にも関連があり肝氣熱すれば即ち胆泄し口苦く筋膜は乾く。
肝は胆に熱を移せば口苦い。
外感の邪気が少陽経に伝入する場合と内傷により肝胆鬱熱の場合がある。
⑴邪在少陽型の口苦
◆主訴
口が苦い、咽の乾燥、頭痛、目がくらむ、寒熱往来、胸脇部が張って苦しい、イライラ、悪心、食欲不振、尿が黄色い、舌苔が薄白あるいは薄黄、脈は浮弦で有力
◆特徴
口が苦いと同時に寒熱往来、食欲不振、悪心、胸脇部が張って苦しい等がある。
◆治療
小柴胡湯等で和解少陽を行う。
⑵肝胆鬱熱型の口苦
◆主訴
口が苦い、イライラ、口渇で水分を欲する、溜息、怒りっぽい、目眩感、頭痛、目の充血、目がくらむ、両脇部の張痛、尿が濃い、便が硬い、舌先が紅、舌苔は薄黄、脈は弦数
◆メカニズム
情緒の抑うつや感情の過度等により加熱し肝胆に鬱火が生じ疏泄が失調し胆氣が上昇し発生する。
◆特徴
頭痛、目眩感、顔面紅潮、目の充血、イライラ、怒りっぽい、舌は紅、脈は弦数等、肝火症候がみられる。
◆治療
竜胆瀉肝湯等で清熱疏肝と解鬱し、痰熱がある場合は黄連温胆湯等で治療する。