ちゅどーーーん°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
1年で最も多忙を極めるデンジャラスな推し誕祭り月間もいよいよ大詰め!
(あくまでもあたくし的には、ですが。ええ確かつい先日はTOKIOあたりでJパFeverぶんぶぶーーんと・・それはあっちの話・・)
はい、やぱーりここでは当然!
本日の聖なるアニバーサリーに相応しいお祝いの狼煙を上げておきましょう♪
HappyBirthday Terry
よしっ!これぞ生誕祭の第一声(`・∀・´)!!
さてさて、こんな時でさえの鬱陶しい前置きです。
いつぞやから当ブログでは慣例のようになっておりましたTG祭り限定でのふざけた超パラレルシリーズ。
今回も当然のようにその流れで書き始めたわけなのですが、
う~ん、なんか違うんだよな・・・
ここで言う違う、というのは。不完全としか言いようがない残念なテンポと砕け具合・・
要するに文体構成なるものが全体的にのっぺりとしていて恐ろしく普通・・なのです
いえ、テーマやキャラ設定は大いにふざけてはおりますが
そういった路線を楽しみにしておられた方(え?いるの?)には、大変物足りなく感じるかと思われます。
今年はやはり、年明けから大変な出来事もございましたわけで。
どうしたものか心が繊細且つ根がクソ真面目なんですよね、きっと・・はい?
ですのでここはもう、現実逃避の中のひとつくらいに、ゆる~くお楽しみいただけますと幸いです。
でわでゎ、、
一気にテンソン上げていきまっしょい✿“ヽ(。✪‿✪。) ノ”✿
柔らかな陽が射す冬の昼下がり。
キャンディはテリィを送り出すと庭に出て腕まくりをした。
今年の秋にYear1を控えている2人の子供たちは、準備期間として市街のプリスクールに通っている。
そんなわけでキャンディの日中は、好きな事をしてゆったりと過ごす時間を持つことができる。
…はずだった。
そしてこの日も―――…
土いじりに没頭するキャンディの背後から、ぬうっと長い影が落ちた‥。
「キャンディス様?…そこで何をなさっているのです?」
「はっ…Σ( ̄□ ̄;)!!」
キャンディは土だらけの指先で鼻先をこすり、ニッと笑って顔を上げた。
「ええロッテンマイヤーさん、見ての通りお庭のお手入れを…」
「そのような事は使用人たちの仕事です。わたくしは何度もそう言ったはずでは?」
「でもロッテンマイヤーさん、じっとしていられないのは生まれつきで。それにこのバラの苗は――――」
「キャンディス様!」
「ひゃいっ(*_*;」
彼女はズレた鼻眼鏡を人差し指で直し、澄ました声で言った。
「ならば今週末の夜会の際にご披露する詩の朗読の予習でもなさればよろしいかと」
「…詩の朗読?」
「如何にも。主催者であるエドワード公爵は大のフランス文学愛好者で、中でもヴェルレーヌの詩集にはかなりのこだわりをお持ちでいらっしゃるとお伝えいたしましたわよね?」
「え~っと…そうだったかしら」
「まずはその泥だらけのお顔とお洋服を何とかしないと。では今すぐに!お部屋にお戻りくださいませ」
テリィの父グランチェスター公爵とエレノアの結婚により、侯爵夫人と呼ばれるようになったキャンディ。
そんなキャンディが今最も恐れているのがこの方、ロッテンマイヤー女史なのである。
彼女はカヴァネスとしてグレアム家に派遣されてきた、夜会巻きと鼻眼鏡がトレードマークのハイミス…
否…豊富な知識と教養、社交界におけるあらゆるノウハウを装備した最強の女性バトラーだ。
映画の撮影で渡米しているエレノアの不在を理由に彼女がこの屋敷にやって来てからというものの、キャンディの日常はことごとく彼女によって管理されていると言ってもいい。
キャンディ自身にも概ね自覚はあるように、定期的に招待を受ける夜会やお茶会での振舞いや言葉選びは勿論のこと、
いくらアードレー家で培った上流社会におけるマナーと心得が身についているとはいえ、英国式の最もエレガントとされる所作法を習得するにはそれなりの経験と努力が必要だ。
更には英国貴族にどっしりと根付く伝統やしきたりについても、多くの未知なるもので溢れている。
彼女は、いわばまだまだ未成熟と言えるこの屋敷の女主人を、完璧な淑女『レディ・グレアム』に仕上げるべく、その一挙一動に目を光らせているのだ。
「よろしいですか?社交の場において近づいてくるご婦人方の目下のお目当てはグレアム侯爵…テリュース様なのです」
「ええよく知っているわ。それはいつもの事ですもの」
「だからといって、舐められてばかりではいけません!」
「あら、わたしだってそこまで―――」
「いいえキャンディス様…常に世の女性達の羨望と嫉妬の標的に晒されているからこそ!なのです。あの麗しいテリュース様に最も相応しい侯爵夫人として至極優雅に、且つ堂々と振舞うことが最も重要であることを忘れてはなりません!」
「は、ぃ…(;・∀・)」
そして何を隠そう!
実はこのロッテンマイヤー女史、俳優テリュース・グレアムの大のファンでもある。
公式ファンクラブ『TERRUCE MANIA』の運営にも関わっているキャンディは当然その事実を知っている。
そしてそこにこそ唯一のウィークポイントが潜んでいることも…
「そうそう、あのねロッテンマイヤーさん。テリィの次の公演が決まったの」
「んまあっ!で、今度の演目は何なのでしょう」
「ええそれが…。その演目っていうよりも役どころがね…今回はちょっと意表を突くというか、それを聞いたらきっとみんな…やだぁ…むふふふ(*`艸´)」
「きっとみんな?みんなが何だって仰りたいんです?」
「いいわ。それなら…教えてあげる代わりに、明日から午後はわたしを自由にさせてくれるっていうのはどうかしら」
「なんですって…?!」
「勿論、詩の予習だって毎日のパックだってちゃんとやるって約束するわ」
「お言葉ですが、それは当然のことかと存じます」
「あ~っと、そうね(^^;)…じゃあこれならどう?舞台初日の貴賓席にも招待しちゃう!」
「きっ、貴賓席…」
「いかがかしら?」
「つまりは…取引を有利に進めるための駆け引き、というわけでございますね?」
「駆け引き…まあ、そうとも言うわね( ̄▽ ̄)」
「ふぅ=3…良ろしいでしょう。承知いたしましたわ」
「取引成立♪あのね、演目はシェークスピアの――――…」
どぉーーーーーん
テリュース新境地への挑戦か!
先般発表されたRSCの次回作が各メディアを沸かせている。というのも。
演目はRSCでは十数年ぶりの上演となるシェークスピア喜劇『十二夜』、しかも劇中のヒロインであるヴァイオラ(シザーリオ)役をテリュースが演じるというのだ。
近世演劇界におけるこの試みは、キャスティングされた女優が男装するというこれまでの常識を覆すものでもある。
今回の演出を受持つのは『演劇の神様』と称される演出家ピーター・ブルック氏だ。
自らが脚本も手掛けるというブルック氏によると、この戯曲にもりこまれたテーマの一つとされる『ジェンダーフリー』
その理念から生まれた発想をよりリアルに表現していく事が自身の使命でもあるとし、そのうえでテリュースに寄せる信頼と期待をこのように述べて大きな意欲を見せている。
「本来の凝り固まった古い決まり事を打破していく事、常に斬新で創造的なものへの探求を続ける事は、良い意味での裏切り行為とも言えるだろう。そんな私の持論を共有し、より完全なものへと導いてくれるであろう素晴らしい表現者と出会った。それがテリュース・グレアムという舞台俳優なのだ」
ここでひとつ追記しておくと、テリュースは以前、母であるエレノア・ベーカーとのシネマ共演作で女装に扮した経歴を持つ。
しかしそれはあくまでも“女装した男”といった役どころであり、今回のような“男装した女”ではない。
それに加え、モノクロの映像が織り成す平面の世界観とはまるでわけが違うのが生ものである舞台だ。
果たしてそれがブルック氏の求める良い意味での裏切り行為となるのかどうかが、次シーズン最大の要とされている。
一部公開されている主要キャストは以下。
オーシーノ公爵を演じるのはプリンシパルキャストとしての才覚を見せ始めたカルロス。
オリヴィアにはハ―・マジョスティーズオペラから移籍してきた新進気鋭の歌姫シェリー。
そして重要な劇中歌も担う道化フェステにミュージカル界の巨匠ロレンス・カーを客演に迎えるなど、豪華な顔ぶれが並ぶ。
なお、テリュースはヴァイオラの双子の兄であるセバスチャンの二役を演じる。
※ここらで草情報をひとつ…。
常に淑女然とした超堅物ロッテンマイヤー女史ではありますが、、、
推し(テリィ)を前にすると、とたんに乙女モードスイッチが入り、自称“マーヤ”になる事がある。
役づくりのため、テリィは節制の日々を送っていた。
酒タバコ禁固は勿論のこと、食事の量やメニューの管理にも気を抜かない。
元々筋骨隆々というわけでもないが、鍛え上げられた男神のような躰を少しでも女性らしいラインに近づける必要があるのだ。
そしてそれはある日の晩、いつものようにとりとめのない会話を楽しみながら寛ぐグレアム夫妻から飛び出した案だった。
翌日の確認をするために居間に現れたロッテンマイヤー女史に、真っ先に声を掛けたのはテリィだ。
「ロッテンマイヤーさん、貴女にお願いしたい事があるんだ」
「まあ、なんでございましょう?」
「今キャンディと話してたんだが…おれにも女性らしい所作や淑女の心得なんかを叩きこんでほしいんだ」
「叩きこむ?わ、わたくしがですか!?」
「ええ。貴女のスパルタぶりはいつもキャンディから聞いていますよ(笑)」
「あらテリィ、わたしは自分の経験を踏まえての提案をしただけで、スパルタだなんて一言も言っていないわ」
「キャンディス様…?(- -)」
「あっと…ほらこのひと、役づくりには物凄くストイックなの。でも、どこから見ても女性に見えるようにって言われても、わたしには限界があるわ。…ね?だからここはロッテンマイヤーさんの手腕で何とかしてくれないかしら(^_-)-☆」
「…というわけなんだ。ぼくの先生、引き受けてくれるかい?(with殺人的スマイル)」
「―――――……」
――――ぼくの…てんてい…(〃Å〃)キュウ~ン・・・トスッ
「どっ…どうしましょうっ!いきなりそんなお願いされたら…マーヤ困っちゃう(〃ノωノ)…んがっ!ここはテリュース様のお役に立てるのならば必然の使命として受け止めるのが世の常。さあ速やかにお請けするのよマーヤ!これ以上お待たせするなんて甚だしく無礼千万!…ぁぁそれにしてもなんて身に余る美味しすぎるお役目♡…んまっ!あたくしってば何てはしたない…))」
「あ~あ、マーヤが降りちゃった」ヒソヒソ…
「ど…どうしたらいいんだ?」ボソボソ…
「見てて。こうすればすぐに元に戻るわよ」ヒソソソ…
パンパンっ
(……はっ(+_+)!)
「引き受けていただけるかしら?ロッテンマイヤーさん(ニッコリ)」
「も…勿論でございます!このマー…わたくしにお任せくださいませっ( ー`дー´)キリッ」
(↑どうやらお戻りになられたようです)
「あ、ああ。よろしく頼むよ、マー…っとロッテンマイヤーさん」
その日の晩、マーヤは膨大な手書きのプログラムを夜なべで作成した。
『テリュース様所望によるテリュース様の為のテリュース様大改造プロジェクト』
(※都合によりその中味は割愛させていただきます┏〇)
しゃなり・・しゃなり・・・
マーヤ式スパルタミッション?のおかげで、テリィのウォーキングも身のこなしもすっかり女性らしくなってきた。
「お見事です。この短期間でよくぞここまでになられましたわね」
「お褒めにあずかり光栄です」
「その調子で頑張ってね、テリィ」
「まあキャンディス様、そのように呑気な事仰っておりますけど、今のテリュース様の方が数段お上品でいらしてよ」
「あはは…(;・∀・)」
「それにしても、歩いているだけなのに…なんてお美しいのでございましょう(〃Å〃)」
すらりとした長い手足も顔立ちもエレノアによく似ているテリィだ。
おそらく化粧をしてカツラを着けたら本物の女性だと見紛うほどの美女が完成するだろう。
二人してそんなテリィを惚けたように眺めていると、バタバタと元気な足音がして居間の扉が開いた。
「たっだいまーー」
「ママ~、今日ね―――…」
プリシラ(敏腕シッター兼メイド)とセバスチャン(本家の執事兼送迎時の運転手)のお迎えで子供たちが帰ってきたようだ。
そして…
「パ、パパっどうしたのパパ?」
ヒデは目をまん丸にしてそう叫び、
「うそっ…パパがオ〇マになってるぅぅ」
ロザンナはストレートにそう口にした。
それもそのはず。
この日は実際にドレスを身につけてのミッションに挑んでいたわけで…
キャンディのドレスでは丈が短かすぎるので、エレノアのものを拝借してきたのだ。
事実上、舞台では男装(シザーリオ)での登壇が多く、生身のヴァイオラを演じるのは大きく二つの場面に限られてはいるが、だからこそその場面を完璧なものにし、より鮮明に印象付けたいのだとテリィ自らが言いだした事だった。
「お嬢様!そのようなお言葉を使ってはなりません」
すかさず女史のチェックが入る。
「だって!スカートを履いたりする男の人の事をそう呼ぶって、スクールでそう聞いたんだもん。違うの?」
「…わ、わたくしが言いたいのは―――」
「あっはっは!」
テリィが突然笑い出した。
「そうか、キミにはパパがオ〇マに見えたのか」
「そうよパパ。だけど…わたしはどんなパパでも大好きよ」
「うん。パパもだよ」
「ごめんねパパ。もうオ〇マなんて言わないわ。わたしのお話も聞いてくれる?」
「なんだい?」
「今日ね、スクールで将来の夢についてのお話になって…それでわたしはね、お医者様になりたいって言ったの」
「へえ!そんなの初めて聞いたな」
「ねえ、パパはどう思う?」
「そうだなあ…ちょっとびっくりしたけど、凄く素敵な夢だと思う。パパは応援するよ」
「ありがとうパパ!…でもね、女はお医者様になんてなれないのよ、ってイザベラが…」
「そんな事あるものか。これからは女性のお医者様だって少しづつ増えていくと思うよ。つまりキミは時代の最先端を行く、そんな女の子ってわけだ」
「そうよね!それなのにイザベラったら、女は綺麗に着飾ってお金持ちの男と結婚すればいいのよって」
「ははっ、そんなの時代遅れもいいところだって笑い飛ばしてやればいいのさ」
「勿論そうするわ♪それじゃあ…パパのそれも最先端って事なの?」
「う~ん…これはちょっと違うかもしれないけど、まあそういうことだ(笑)」
(マーヤは…マーヤは今、とてつもなく胸がときめきました!お嬢様の発言を柔軟に受け止め、そしてたわいのない子供の夢までもあのようにナチュラルに捉え、希望の光に変えてしまわれるなんて…常に時代の最先端に立つテリュース様って、どうしてこんなにも寛大で素敵なパパなのでしょう!もしも…もしもテリュース様がマーヤのパパだったなら…はうっ)
この人はもう、好きに妄想させておきましょうね(^^)
「あの子ったら、この前までパパのお嫁さんになるって言ってたのに。わたしと同じ医療の道に進みたいだなんて」
「ママ…ロザは常に思い付きで動く単純な性格だからね。そのうちにまた違う事を言いだすかもしれないよ?」
「あら、夢がたくさんあるのって素敵じゃない。ヒデの夢は何?」
「ぼく?…ぼくのは、まだ秘密!」
「え?いいじゃな~い。…ね?ママにだけこっそり教えてよ♡」
「そんな顔したって教えてあげないよ(-.-)…ふふん♪」
「あっ、また逃げられた」
あらあらヒデ君ったら、
最近益々ツンデレっぷりが誰かさんに似てきたようで…将来がとっても楽しみ(* ´艸`)
*
年が明けたクリスマスから12日目のこの日、『十二夜』の舞台初日を迎えた。
家族揃っての観劇は、いつも二階の貴賓席からだ。
この日はいつかの約束通りそこにロッテンマイヤー女史も加わり、初めての貴賓席に普段の取澄ました表情の下には隠し切れない高揚感がダダ漏れている。
開演時間が近づき、公爵と夫人のエレノアが現れて席に着くと、恭しく謝辞を述べた。
「閣下…本日はわたくしごときもこのような場でご一緒する事を快諾いただき…なんたらかんたら―――…」
「ん?ああ…キャンディスからテリュースが随分世話になったと聞いている。気楽に楽しんでいくといい」
「…恐れ入ります」
チラリとキャンディに視線を送ると、キャンディは小さくウィンクを返した。
あの低次元の駆け引きで得たプレミアムな権利は、キャンディによってテリィへの熱心な指導に対する栄誉とされていた。
静かに最奥の席につくと、
「あらロッテンマイヤーさん、わたしの隣へどうぞ?」
空いている自分の隣の座席に促すキャンディに驚いたようにこう返す。
「と、とんでもございません!わたくしはここで充分です」
「いいじゃない。こっちの方がよく観えるわよ。ね?ママ」
エレノアもにっこりと微笑んで頷く。
「それでは失礼ながら…」
キャンディの隣に恭しく着席し、柄にもなくほろりとなる。
(キャンディス様…貴女というお方はまったく。…少々奔放すぎるところがあるにせよ、貴女のような澱みのない真心を持つレディは、いずれこの英国の誇りとなるでしょう…)
やがて開演のベルが厳かに鳴り響き、揃って舞台に視線をおろす。
冒頭のオーシーノの憂鬱な恋心の語りが、これから始まる物語の展望を静かに掻き立て、浮世ばなれした恋の国イリリアの世界に引き込まれていく。そして場面は一転、
第2場の幕が上がると、会場には感嘆の混じるどよめきが起きた――――…
新生『十二夜』好発進!
現役女優を脅かすほどの美貌と色香に脱帽…
テリュースヴァイオラはまさしく一見の価値あり!
まずはこの一言に尽きるのではないだろうか。
《気高く美しい男》そう呼ぶに相応しいRSCのトップ俳優の新たな挑戦は、一躍称賛の声を浴びた。
しかしこの舞台の成功は、決してそれだけが一人歩きしているわけではない。
『良い舞台は全キャストの思いがひとつになることで初めて完成するものだ』
テリュースが掲げたその言葉通り、全ての演者たちはブルック氏による奇抜な演出に全身全霊で応えた。
そしてその信念から到達した美しくも儚い異世界観は、全ての観衆を心酔させただけに留まらなかった。
そこにこれまでとは違う概念が付加され、その時代性と社会的な価値観にも何らかの変化をもたらしたのだ。
事実それらは今、ブルック氏の思惑に沿った現象を引き起こしている。
“ジェンダーフリー”しばしば耳にするようになったこれらの言葉に紐づく思想概念は、この先も更に関心を寄せていかなければならない課題のひとつとして大衆にも認識されていくだろう。
また、登場人物の心情を知性に溢れながらもユーモラスに歌い上げるフェステの劇中歌は隠れた見せ場となり、多くの共感を得た。特に終幕の真意に迫る秀逸なリフレインは人々の心にほろ苦い余韻を残し、テリュースヴァイオラの完璧な好演をより鮮明な記憶の象徴のように深く刻んだのではないだろうか。
悲劇性の要素を併せ持つ人物たちの自己正直と崩壊、或いは自己欺瞞に陥る人物の愛と真実。新生『十二夜』は
劇全体をそれらの皮肉と風刺ですっぽりと覆いながらも、絶対的な喜劇として楽しむことができる最高傑作だと言える。
これらの様々な自身への評価について、主演を務めるテリュースがこのように語った。
「役者として最も重要な事は、与えられた『役』をただ演じるのではなく、その『役』に自身の身体を明け渡す事なのだと思っている。だからぼくがやった事はなにも特別な事ではない。更に言うならば、ぼくはこれまでに得たどんな知識も経験も無駄にはしない。今回の役づくりに関しての苦労が何も無かったわけではないが、ぼくには最強のカヴァネスがいるので(笑)そしてどんな時もぼくを支えてくれる最愛の家族との日常には、常に新しい驚きや気付き、そんなディスカバリーに満ち溢れているのです」
ここでもさらりと述べているように、テリュースといえば愛妻家であることも広く知られている。
時分柄公の場で侯爵としての顔を見せることも多くなった昨今、“翠玉の瞳の貴婦人”と謳われる美しい夫人との仲睦ましい姿も度々キャッチされるなど、公私にわたって注目を集めている。
*
「ねえテリィ…これ以上美人にならないでね?」
「突然何を言いだすのかと思ったら(笑)」
「だって、お化粧をしたらわたしよりも綺麗なんだもの!」
「おや?自分の顔に自信をなくしたのかい?翠玉の瞳の貴婦人さま?」
テリィが笑う。
「やだもう!それはイメージが大事だからってロッテンマイヤーさんが捻りだしたもので…」
「いいや、きみにぴったりだと思うけど?」
「そうかしら?何だか恥ずかしいわ」
「さあ、どんな宝石よりも美しいぼくの奥さま。そろそろベッドへ…」
「テリィったらもう…うふふ♡」
寝室の灯りが消え、テリィの腕の中でふたつの翠玉が煌めく。
「あのね、テリィ…」
「なんだい?」
「わたしたちに、3人目の天使が授かったの」
「…3人目の、天使―――…!」
「そう。今日お医者様にも診てもらったから確実よ」
「本当なのか…?」
「ええ勿論!…嬉しい?」
「…」
「嬉しくないの?」
「バカッ!嬉しいに決まってるだろっ」
「わたしもよ。ね…あの子たちも喜んでくれるわよね」
「ああ、きっとな…」
「テリィ、わたし幸せよ」
テリィは口づけると、
「まだまだこれからだ、キャンディ…」
そう囁いて愛する妻の身体をそっと包んだ。
芽生えたばかりの小さな命を愛しむように優しく、そしてどこまでも甘く―――…
す、すみまてーーーーんε=\_○ノ
ここらで一旦力尽きます
え?まだあるんかーい?
って言いました?言いましたね・・
ええそれが、まだ途中なんですよね。
大団円の続きはまたいつか・・いえすぐにっ
お見苦しく言い訳しますと、破滅的な時間不足・・
っていう決して無駄ではなく有意義な時間を爆浪費してた人です( ノД`)シクシク
それからそれから!
これも書いているうちに思い至ったことなのですが。
このシリーズに関してのお知らせが最後にございます。
というわけで。
無念のつづく・・ε=ε=ε=ε=┏(; ̄▽ ̄)┛