米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、複数の米政府当局者の話として、中国で5月下旬から6月上旬にかけて、最新鋭の原子力潜水艦が沈没したと報じた。中国当局は沈没を公表せず、隠蔽(いんぺい)したという。
海軍の増強に動いている中国にとって痛手とみられる。専門家は同紙に「航海前だったため、放射漏れのリスクは低い」との見方を示した。報道によると、沈没したのは、中国の国営企業が製造した攻撃型原子力潜水艦「周」級の1番艦。5月下旬の衛星写真では、湖北省武漢市の長江に面した造船所で最終整備が行われているのが確認された。【毎日新聞)
この情報は米国防総省当局者が確認した様なので沈没事故は確実な模様です。
沈没したのは中国海軍最新攻撃原潜の1番艦だそうです。欧米メディアは当該原潜を「周」級(ZHOU-Class)としていますが恐らく095型原潜と思われます。
095型は093型原潜の後継として建造されている最新型攻撃原潜で艦首上部にはVLS、艦中央部甲板にはドライデッキシェルターDDS、海自の「たいげい」型と同じX舵(衛星から撮影したと思われる沈没前の写真でX舵が見える)、ポンプジェット推進器など少なくとも外観は米海軍の「ヴァージニア」級に相当するデザインとなっています。
今回、事故を起こした艦は竣工前の状態で核燃料は既に搭載されているようです。沈没原因は分かりませんが、最新鋭の095型原潜の沈没事故は中国にとって極めて重大な打撃であり今後の海軍整備計画に相当な影響を与えるのは必至と思われます。