ノブナガのごろごろ日記 | てくてく小説みち改め「オフィスパレットの日常」

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今日は主(あるじ)が朝からいないおかげで吾輩は思い切り羽を伸ばすことができる。


羽と言っても、吾輩は猫なので、実際には羽は生えていない。比喩だ。


ちなみに、吾輩の喋り方は、あの有名な夏目漱石の小説に出てくる猫に

ちなんだものではない。吾輩は猫である故、どんな小説かは知らぬが

主に聞いた話だと、人間についてあれこれ考察する話らしい。


主曰く 「猫ってやつは何を考えてるのかわからない時があるからな。

これを読むと、お前の目がたまにこわくなるよ」

とのこと。


吾輩に言わせれば、猫だって人間と同じように考えるし、言葉が通じないために

気を使う部分も多々ある。目が怖いなどとは、正直心外である。これでも

主を認めているというのに。



ところで、今日は主は彼女とかいう生き物とデートとやらに出かけたらしい。

朝、出がけに

「遅くまで帰ってこれねぇから、多めに飯入れておくな。ちゃんと分けて

食うんだぞ?」

と、吾輩の飯椀に多めの飯を入れてくれた。主の言いつけにはなるべく

従うつもりではいるが、なにぶん、目の前に飯があると食わずにはいられぬたちで

お昼過ぎには申し訳ないが、空になっていた。


さっきまでは窓から差し込む日の光が心地よくて気持ちよく寝られたのだが

日が落ちて温かくなくなった今、寝るにも寝られぬし、先ほどから腹の虫が

鳴りだしてかなわぬ。今、吾輩が急ぎやるべきことは、いかにして飯を食うかに尽きる。



そこで、冒頭でも言った通り、羽を伸ばせる今日だからこそ、出来ることがある。


主は隠しているつもりらしいが、吾輩は見ていたのだ。

電子レンジとかいう入れ物に吾輩の好物のさきイカを入れるのを。


酒好きの主がたまに買ってくる、あの甘くて、しょっぱい魅惑の食べ物。

いつもは主にねだって少量もらうだけだが、あそこにある以上、取らねばなるまい。


さしあたっての問題は、電子レンジが棚の上にあることと、あの扉が思いのほか

重そうだということか。だがそれも吾輩の作戦でイチコロなのである。


要はあの扉の取ってにぶら下がればいいのだ。

吾輩の体重は4㌔

さすがに吾輩の体重を支えられるほど、重くもあるまい。



このダイニングテーブルから、目標の電子レンジまでは

距離にしておよそ、体1つ半といったところか、高さはおそらく

吾輩が手足を伸ばいたくらいだから、届かない距離ではない。

うまく取っ手にぶら下がればいいのだ。


主は遅くまで帰らぬと言っていたが、早く帰ってこぬとも限らぬ。

やるなら今しかない。


目標を見定めて、後ろ脚に力を入れる。

勢いよくジャンプをした吾輩は瞬時に捕まるべき取っ手をとらえて

前足を引っかけた。成功だ


・・・と、ここまでは良かったのだが、吾輩の予想よりも電子レンジとやらが

軽かったのか、元々置いてあった場所が悪かったのか、電子レンジは

吾輩の体重を支えることができず、床に落ちてしまった。


ものすごい音とともに吾輩を押しつぶさんばかりに迫ってくるので

さすがに肝を冷やしたが、素早く身をひるがえして、危機を回避した。



電子レンジが落ちてしまったことは予想外だったが、運よく扉が開き

目当てのさきイカが床に散らばった。

かぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。これは、たまらん。


主が帰ってきたら、この惨事に目を丸くするかもしれんが、今はそんなことは

どうでもいい。やはり、さきイカはうまい。









「ただいま~・・・・・・・・・・うおっ!??なんじゃこりゃ!!!」

「・・・にゃ~」

「ノブナガ!?お前何やった!・・・・・・あ~あ床が傷ついちまった」

「んな?」

「んな?じゃねぇよ・・・ああ、さきイカ食いたかったのか?ってか

だからって電子レンジを落とすことねぇだろ・・・」

「にゃ~」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」




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ちなみに、ノブナガは岩崎拓実の愛猫のロシアンブルーです。

名は体を表す。きっと彼は大物になるでしょう≧(´▽`)≦


                          usk