面白そうな漫画が出てきました。『伍と碁』

『ヒカルの碁』ほどの引き込まれ感はないのですが、第1話の出来はわりといい線をいっている気がします。

この漫画は、囲碁界から「囲碁の漫画を描きませんか?」と話が出たのか、漫画界から「次は囲碁の漫画を描こう」という話になったのか、興味があります。

囲碁普及に対するこの漫画の効果ははっきりと数値で出てくるほどのものではないと思いますが、「この漫画がきっかけで囲碁に興味を持ちました」という子が少々出てくると思います。


因みにこの漫画、冒頭で主人公の天才性についての話が出てきます。でも、私の感覚とそこそこズレがありまして…。

分野 主人公 私の感覚
野球 小4の時
初めての打席で
中3から
ホームランを打った
自分は
天才なのではと
思った
相手の投手が中3ということは、中学校の野球部だろうと想定します。私の息子が通った中学校もそうだったと思いますが、野球部員が9人揃わないなんてことはよくある話で、そうすると試合の時だけ数合わせしたりもするでしょう。投手の能力は玉石混交である印象があるので、「中3からホームランを打った」だけで天才かどうかは何とも言えません。
勉強 小5で
高1の問題を
解けた
自分が
天才だと
確信した
いやいや、これはうぬぼれすぎでしょう。
サッカー 小6の時に
高2を簡単に
捌いた
自分は
超天才
だった
サッカー部員以外の高校生はサッカーをすることが殆どないので、相手は高校のサッカー部であると想定します。中学校と異なり、高校は人口分布にある程度対応して建てられているので、サッカー部員が11人いないという事例はあまり多くないと思います。また、野球と異なり身体が直接ぶつかる球技なので、体格差が大きく影響します。
ですので、ガチでサッカーをやっている高校生サッカー部員11人を相手に小6の体格で「簡単に捌いた」のなら、天才といっても間違いではない気がします。
囲碁 小6の時
小4に一回も
勝てなかった
足りないのは
知識でも
経験でもなく
才能だった
んー、たったそれだけで才能がたりないという結論になりますかね。将棋や囲碁は小6が小1に完敗しても全く不思議じゃないですし、そのことを以て才能がないという結論にもならない遊戯だと思います。
将棋の場でも時々あるのですが、保護者が自分の子に向かって「あの子は〇年生なのにあれだけ強い」なんて言っている場面に遭遇すると「将棋や囲碁はそういうものじゃない」って思ってしまいます。

 

 

先日の将棋の場で、小学生相手にそれなりに接戦でき、対局後に「いい対局だった」と言ってもらえました。

大変嬉しかったです。

私の棋力だとなかなか実現が難しいのですが、自玉も相手玉もどちらも気を抜くとやられそうな状況になるのが良さそうです。

昔、「10年後でもちゃんと使える PC を購入したいです」という相談を時々受けていました。

今は PC 性能の進展もゆっくりになってきましたが、昔は速かったです。

で、相談してくる方は多分自動車購入と同じように考えていたのだと思います。現在の一般的な PC が〇万円なら、その〇倍の金額を払えば10年後でも使える PC が購入できるに違いない、と。


でもまあ、10年後にちゃんと使える PC の仕様は予測がとても困難ですし、正確に予測できたとしてもそれを満たす製品の価格がとても高くなったりします。

例えば皆さん、2035年に Windows 13 が一般的になっているとして、その最低要件はどんなものだと思いますか? TPM 4.0 とかいう仕様が出ている可能性はどうですか? それを満たす機材が現時点で存在すると思いますか?

2年後にちゃんと使える PC なら、現時点でそれなりの予算を用意すれば何とかなりそうです。でも10年後となると、有名な CPU maker を買収してたっぷりと人件費・開発費をかけ、「10年後の PC 市場はわが社が牛耳っています」といえるくらいにならないといけないでしょう。そうすると、どれだけの費用が必要なのか。「億円」の order では足りないでしょう。


今、「10年後でもちゃんと使える PC を購入したいです」という相談を受けることはなくなりました。昔と比べて社会の世代交代が進んできたことを感じます。

「ネットなら無料でも…銀行振込手数料値上げで1000円台目前に」という TBS の動画の書き起こし文を読みました。

その中で、こういう発言があります。

インターネットバンキングについて街の声は…

「割と使っています」
「ネット銀行にした。手数料安いから(70代女性)」
「もうネットの時代。家で全部やっちゃう(60代女性)」

一方でこんな意見も…

「私は使っていません。めんどくさい(70代女性)」
「ネットバンキングというのは どうも信用できない。よくわからない(70代男性)」
「全然使ったことないです。情報が吸い取られるような気が…ちょっと怖い感じ。通信で行くときにどこかに読まれるんじゃないかとか。そんな気しない?(50代女性)」

番組で調べたところ、ネットバンキングの利用率は31人中16人でした。

70代の方々は…
「ネットを信用していない。今後も使わない」
「間違えるくらいなら高くても手数料を払う」
「娘が作ってくれたが一回も使ってない。勉強したい」

といった声もありました。

これを読んで、将棋界の世代の断絶もこのあたりにあるのだろうな、という感覚を得ました。


元々、窓口に人員を置いたり店舗に ATM を置いたりすることは、online で system を維持することと比較してものすごく費用が高くつくものです。

だから、銀行が店舗をどんどん減らしていくことは当然のことです。

そして、「それでも友人窓口がいい」「それでも ATM で振り込みをしたい」という方々はその分の人件費や維持費を負担することで利用可能となる、という現在の仕組みは理にかなっていると思います。

70代の方の「間違えるくらいなら高くても手数料を払う」という発言は、上記の状況を踏まえたとても良い発言だと思います。


将棋界も、最も効率的な運営体制を基準にして、そこから追加で手間や費用がかかることについてはその追加分の受益者が負担する形になると思います。

全ての将棋愛好家が新しい方式を身につける必要はありません。古い方式でもよいという人がそれなりに集まるならその人たちで支部を構成すればよいですし、新しい方式の支部や大会へ古い方式の方が参加しようとするなら追加の手間や費用を負担すればよいだけです。

今の将棋界は、新しい方式を学ぼうとしない方が存在する負担を運営側が全部引き受けているような印象を受けます。なんでもかんでも運営側に背負わせると、運営側は潰れます。

将棋界の運営は何が基本負担で何が追加負担なのか、追加負担は金銭に換算するとどれくらいなのか、といったことが今後明らかになっていくことを期待しています。

将棋と関係ない話ですみません。

この連休、ちょっと頭痛もあったのであまり外出せず、技術文書を中心に読んでいました。以下はその箇条書きです。

  • CentOS Stream 10 が2024年12月に公開されていること、気づいていませんでした。こういうことは早めに手を出して体験しておきたいのですが、現時点で CentOS Stream 10 が使える安い VPS service が見つかりません。Indigo VPS で CentOS Stream 9 を用意した後に CentOS Stream 10 へ update してみようとしたのですが、CPU が x86-64-v3 以上じゃないと稼働しないようで、失敗しました。
  • 去年、100人前後の規模の将棋大会向け勝敗報告 server を試しに作ってみたのですが、反応が遅くて、実用には不向きでした (30人規模なら問題ない反応でした)。裏で SQL 文をガシガシ発行して集計していることが最大の原因なのですが、開発時間が足りなくなってそこで断念していました。その後、Ruby on Rails 8 が発表されて、この練習でやっとちょっと触ってみました。Hotwire ってのを活用したらrendering はちょっとマシになるかな、とか、最初から PWA 対応になってるとか、もうちょっと学習したらもう少し使い物になる server ができるかも知れません。
  • AI をかなり使っている方から「API を使えば激安」という話を聞いて、Chat-GPT の API を叩く簡単な web system を作ってみました。費用をケチって「gpt-3.5-turbo-0125」ってのを使っているのですが、私が関わる範囲ではこれで充分です。価格も、100万 tokens でたったの 1.5USD。最低購入単位が 5.5USD だったので最初に 5.5USD 払いましたが、この数日間色々いじっても日本円で1円分くらいしかつかっていないです。この調子だと、この 5.5USD の有効期限 (1年間) 内に使い切らないかも知れません。
  • 恥ずかしながら、OpenAPI っていう仕様の存在を今まで知りませんでした。これ、パッと見た感じだと「結構しっかりしているなあ」という感じです。これに従って API を記述すれば、どういう要素が記述に必要なのかとかが認識しやすそうです。data 構造と責任範囲の話とかもしやすくなりそうな気がします。(いずれは将棋大会や対局結果の理想的な data 構造も考察できるといいのですが、現時点では知見も時間も足りません。)

何というか、時代に取り残されないようにするだけで精一杯です。

前回の続きです。

本来は「年」を合わせないといけないのですが、しっかり調べると大変なので、2023年時点の愛好家数と現時点の現役九段棋士数から考えてみます。

日本棋院の現役九段は84人、関西棋院の現役九段は27人、合わせて111人のようです。 『レジャー白書』 によると2023年の囲碁愛好家は120万人だそうですので、約1万0800人の愛好家に対して1人の九段棋士が存在する計算になります。

日本将棋連盟の現役九段は32人です。『レジャー白書』 によると2023年の将棋愛好家は460万人だそうですので、約14万4000人の愛好家に対して1人の九段棋士が存在する計算になります。

私見ですが、愛好家がたった460万人しかいない将棋界で現役九段が32人も存在するのは多すぎる気がします。棋士の段位は棋士派遣の金額と結びついているのですが、同じ金額で九段の誰が来ても納得できますか? 仮に「タイトル保持者」「永世称号資格者」を除外してそれ以外の九段で考えるとしても、実績+知名度 にとても差があるように感じます。

国内に将棋愛好家が2000万人くらいいて「各地方の将棋大会や指導対局などで九段棋士の需要が高く、供給が満たせない」というのなら32人いても悪くはないと思いますが、私の周囲を観察する限りそういう雰囲気は感じられないので、やはり32人は多すぎるように感じます。


囲碁界はもっと九段過多な状況ですね。愛好家比を基準に将棋界で考えると、425人の現役九段が存在する計算になります。実際の将棋の現役棋士は174名、奨励会員は約200名ですから、その合計よりも多いことになります。逆に現在の将棋界の愛好家比から考えると、囲碁界の現役九段は8人くらいになります。

私、囲碁界は囲碁界で頑張ってほしいと思っているのですが、現役九段の価値がここまで薄まってしまうと、なかなか厳しそうに見えます。


まあ、将棋界も制度設計が不充分な気がします。仮に将棋愛好家が2割減ったら現役棋士も2割減らすべきだと思いますが、残念ながら連動していません。年間の新人棋士誕生数を絞り込むだけでは、その効果がしっかり顕れるのは約20年後です。

結局、普及活動に力を入れて愛好家数を維持することが最重要であるようです。

ふと気になって、何人の愛好家から1人の新人棋士が生まれるのかを調べてみました。

愛好家数は『レジャー白書』、新人棋士数は Wikipedia から数値をとっています。なお、囲碁については日本棋院だけの数です。

囲碁人口(万人) 囲碁棋士(人) 基盤(万人) 将棋人口(万人) 将棋棋士(人) 基盤(万人)
2016 200 7 28 530 5 106
2017 190 6 31 700 4 175
2018 210 6 35 680 4 170
2019 230 13 17 620 4 155
2020 180 12 15 530 5 106
2021 150 8 18 500 5 100
2022 130 7 18 460 4 115
2023 120 7 17 460 6 76

2023年で言うと、囲碁愛好家17万人につき新人囲碁棋士1人が生まれ、将棋愛好家76万人につき新人将棋棋士1人が生まれている計算になります。

囲碁界は、食えないプロ棋士が出てくることを織り込み済みで新人棋士を誕生させているようですね。

将棋界はどうなんでしょう。個人的には、新人棋士が多すぎな気がします。20年後、これだけのプロ棋士を将棋界が支えることができるのか、自信がありません。

このところ、当日申込方式の負担がどれだけ大きいかという話を複数回書いてきたのですが、これも地域によって違いがあるのかも知れません。

例えば以下のような地域だったら当日申込方式であってもあまり負担が大きくないのではないか、と考えるようになりました。

  • 会場の公民館はいつも利用者が少なくスカスカ、当日いきなり「〇〇室も追加で借りたい」と言っても確実に対応してもらえる
  • 参加者が殆ど固定化しており、新規参加者は殆どなく、大会開催前から参加者数の見込み上限が容易に推測できる
  • かつて将棋が盛んだった時代の名残で、盤・駒・対局時計にとても余裕がある (近隣の支部などから借りてくる必要がない)
  • 当日参加受付を締め切ってから第1局開始まで長時間待たされても誰も文句を言わない
  • 普段から暇を持て余している年代の方が運営員として何人もいる (定年退職世代の方がすべて当てはまるわけではなく、実際には定年退職世代の方でも忙しいという方が少なくないです。)

今までに何度か引用させてもらっている北海道将棋連盟道場日誌の記事

よく言うのだが小学生から高校生までが常に5人いればその支部は存続する。
しかし一人もいなければ、その瞬間から10年で半壊、20年で確実になくなる。
おそろしく長寿の町でなければ。さあ、あなたの支部はどうだろうか?

に当てはまる支部ほど当日申込方式は容易だろう、と思っています。(全ての支部がそうだ、というわけではありません。ただ、大会参加者の顔ぶれの予測しやすさと将棋界の衰退はかなり連動していると思います。)

同人活動関係で税務署員に訪問された経験がある方が、その体験をもとにこんな漫画を描き公開してくれています。

そして、一番大事な対策として下記のコマがあります。

こういう本当に大切なことを端的に表現しているなんて、すごいことだと思います。


仲間内で「1人〇円集めます」なんてことがちょくちょくありまして、私が集めるときは「極力 PayPay でお願いしますね」と言っています。その方が tracability がグッと高くなるからです。

でも、世の中には tracability のことをよく理解していないらしい方もいて、「現金でもいいですか」なんて質問してくるのです。

私としても現金が絶対にダメというわけではなくて、ちゃんと準備してくれたら、まあ現金でも OK です。私にとって嬉しい順に書くと以下の通りです。(集める金額は何日も前に事前予告してあるものとします。)

  1. PayPay で払ってくれて、しかもちゃんと「〇〇代金」のような comment をつけてくれる
  2. PayPay で払ってくれるが、comment はつけてくれない (ただし2つ以上の支払いはちゃんと分けて送金してくれる)
  3. 銀行振込してくれる
  4. 事前に封筒などを用意し、集金額ぴったりの現金を入れ、自分の氏名と代金名目をしっかり記載したうえで渡してくれる
  5. PayPay で払ってくれるが、2つ以上の支払いを勝手に1件にまとめてしまう
  6. おつりがないように現金を用意してくれているが、封筒などは用意していない
  7. おつりが必要な形でしか現金を用意していない

tracability が低いと、現金過不足が容易に発生してしまいます。

私の支部でも現金収受による現金過不足が複数回発生しています。強制はできませんが、なるべく現金をやりとりしない方法がもっと一般的になってほしいです。