私は雀荘には2~3回しか行ったことがなく、その全てが中学時代の友人たちで行ったので (4人組で入店したので)、「フリー」で入ったことがありません。そのため、正しくない記述がありましたらご指摘下さい。

雀荘を開業したい方による記事を見つけました。


前回、麻雀競技人口が増えているって話を投稿しましたが、私に言わせれば麻雀の潜在力からするとまだまだぜ~んぜん足りていません。

囲碁・将棋・麻雀の中ではこのところ麻雀が健闘していることは事実だと思います。

で、気になったのが次の部分です。

ひとつはレート。ゲーム代の他に負け分を支払うことに抵抗があるって話。
0.5や1.0くらいならグレーではありますが、ほぼほぼ賭博罪の適用外とされてはいます。
しかし、そんな低レートでも負けが混むと10回で2万円くらいになることも結構あります。

えっ!? 「ほぼほぼ賭博罪の適用外とされてはいます」なんて言っていいのでしょうか。


ここで基本的な用語をおさらいしておこうと思います。

「合法」「違法」「罪」「罰」「逮捕」「送検」「起訴」「不起訴」はそれぞれ別の概念です。違法な行為をした場合、逃亡の可能性があれば逮捕されますが、可能性がなければ逮捕されません。警察から検察へ送検されたら、起訴か不起訴かが判断されます。起訴に値しなければ不起訴になりますが、それがそのまま合法を意味するわけではありません。罰に相当すると判断されれば刑法罰が科されます。

賭博罪の適用外であることとは、刑法第185条の但し書き「一時の娯楽に供する物を()けたにとどまるとき」だったり競馬法などだったりすることです。「罰されるかどうか」ではなく「罪かどうか」の話ですから、根拠法令や通達が必要です。

で、多分、この blog を書いた方は「罰」の話をしたいのでしょうから、以下、罰されるかどうかについて書きます。

0.5 ってのは1000点50円、1.0 ってのは1000点100円、という認識で合っていますかね?

黒川弘務元東京高検検事長の賭け麻雀は、こちらの情報によると1000点100円だったようです。

漫画家の蛭子能収氏の賭け麻雀についてはこちらの情報を引用します。

「レートは1000点200円。ハコテンで1回ビリになって1万円。通常だと思うんですよね。地方だと100円だから、それに比べれば高いんですけど…」

これは麻雀界の闇を的確に表していると思います。つまり、(蛭子能収氏の認識に従えば) 雀荘は賭博罪に反している状態が「通常」ということです。

将棋界は賭け将棋という違法行為の印象を払拭するのにかなり時間がかかったと思います。(高齢者の中には、今でも「将棋は反社会的な存在」と感じている人がいるかも知れませんが、私の体感ではそういう方はもう殆どいないと思います。)

麻雀界が違法行為の印象を払拭するのにはまだまだ時間がかかると思います。


なお、金銭を賭けても、受け取る際に「一時の娯楽に供する物」になっていれば賭博罪にはあたりません。

なので、雀荘に「炒飯 800円」「珈琲 400円」という menu があって、麻雀の1位賞品がその2点というなら賭博罪にはあたりませんし、1位が確定するまでは金銭でも構いません (受け取る商品が「一時の娯楽に供する物」なら問題ありません)。つまり、麻雀をしている間は金銭として存在していても問題ありません。東一局で注文した珈琲を南四局の後に1位者が飲む、なんてことはないでしょう。

ですから、掛け金が麻雀中に金銭として存在すること自体は問題がないです。ただその上限額 (「一時の娯楽に供する物」と言い張れる額) は…炒飯2皿分 + 珈琲1杯分くらいな気がします (前出の雀荘 menu なら2000円)。成人男性なら炒飯1皿じゃ少ないですから。

蛭子能収氏の場合はそんな金額には収まらなかったのでしょうね。


冒頭の blog 記事には「しかし、そんな低レートでも負けが混むと10回で2万円くらいになることも結構あります」とあります。

これは、刑法第185条の賭博罪ではなく、刑法第186条の常習賭博罪にあたるでしょうね。

それとも「10回」とは半荘10回のことでしょうか。そうだとしたら「常習」ではないですが、それでも2万円ならやはり「一時の娯楽に供する物」の購入準備金とは言い難いと思います。


冒頭の blog 記事の方の名誉のために、もう1か所引用します。

まずはノーレート。不愛想に点棒をやり取りする光景が多くなるのがオンレート。これは絶対に嫌なので私は絶対にノーレートにこだわりたいと思います。

つまり「私が開く雀荘は賭けない麻雀をしますよ」ということです。

こういう方が増えていけば、麻雀に対する悪い印象も減っていくだろうと思います。