ジグリング(びんぼうゆすり)の話

ジグリング(びんぼうゆすり)の話

びんぼうゆすりは、医学用語でジグリングと言われています。近年、ジグリングの効用が注目されていますが、このブログではジグリングの効用について様々な観点からご紹介をしてゆきます。

標準的な治療プロトコルと「病院でリハビリがない」と言われたときの対処法

先日、お電話でこのようなご相談をいただきました。変形性股関節症と診断されたら?

「今日、整形外科で『変形性股関節症の初期〜進行期』と診断されました。先生から『貧乏ゆすりをするといいよ』と教えてもらったのですが、その病院では手術後のリハビリは行っているが、保存療法のリハビリはやっていないと言われてしまって……どうすればいいでしょうか?」

診断を受けた直後は、「これから歩けなくなるのではないか」「手術しかないのか」と強い不安を感じるものです。しかも、通院先でリハビリが受けられないとなると、「放っておくしかないの?」と戸惑ってしまうのも無理はありません。

今回は、変形性股関節症と診断された場合の標準的な診療プロトコル(治療の全体的な流れ)を整理したうえで、なぜ病院によってリハビリの対応が異なるのか、そしてご自身でできる対策について解説します。

1. 変形性股関節症の病期(ステージ)とは?

変形性股関節症は、関節軟骨の摩耗や骨の変形度合いによって、一般的に以下の4つのステージに分類されます。

ステージ 状態の目安  
前期 臼蓋形成不全など骨の形態異常はあるが、軟骨のすり減りは見られない:運動後のだるさ、軽い違和感  
初期 関節の隙間(軟骨の厚み)がわずかに狭くなり始める:立ち上がりや歩き始めの鈍痛  
進行期 軟骨の摩耗が進み、骨硬化や骨棘(骨のとげ)が出現する:歩行時痛の悪化、階段昇降やつめの手入れが困難  
末期 軟骨がほぼ消失し、骨同士が直接こすれ合う:強い持続痛、安静時や夜間の痛み、歩行障害  

「初期〜進行期」は保存療法の最も大切なタイミング

今回ご相談いただいた「初期〜進行期」という段階は、ご自身の関節軟骨を守り、進行のスピードを緩やかにするための最も大切な分岐点です。まだ軟骨が残っている状態だからこそ、適切な対策を講じる意義が非常に大きい時期といえます。

2. 変形性股関節症の標準診療プロトコル

日本の整形外科診療ガイドライン等に基づくと、変形性股関節症の治療は原則として「保存療法」から始めるのが標準プロトコル(手順)です。

【診断】レントゲン・問診・可動域チェック
   │
   ▼
【第一選択:保存療法】(初期〜進行期を中心に実施)
   ├─ 運動療法(股関節周囲筋の強化、関節拘縮予防、非荷重運動)
   ├─ 生活指導・荷重コントロール(減量、杖の活用、洋式生活への変更)
   └─ 薬物療法(痛みが強い時期の消炎鎮痛剤・湿布等の対症療法)
   │
   ▼ (効果が不十分、または末期で日常生活に著しい支障がある場合)
【第二選択:手術療法】
   ├─ 骨切り術(比較的若年で関節の変形が軽度な場合)
   └─ 人工股関節置換術(THA:痛みの劇的な改善を目的とする)

医師が「貧乏ゆすりをしなさい」とアドバイスされたのは、まさに第一選択である「保存療法(股関節に負担をかけない運動療法)」をご自身で実践してほしいという意図があったと考えられます。

3. なぜ「うちでは術前のリハビリを行っていない」病院があるのか?

「治療プロトコルで保存療法が第一選択なら、なぜその病院でリハビリをしてくれないの?」と疑問に思う方も多いはずです。

これは決して医師が冷たいわけではなく、日本の医療機関における「機能分化(役割分担)」が背景にあります。

  • 手術・急性期中心の病院:

    手術室や高度な検査設備を備え、入院患者や手術直後のリハビリを優先する体制をとっています。外来での慢性疾患に対する定期的なリハビリ枠を確保できないケースが珍しくありません。

  • 保存療法・クリニック中心の施設:

    理学療法士を多く配置し、外来での通院リハビリや生活指導をきめ細かく行うクリニックやリハビリテーション病院です。

つまり、「当院では術前のリハビリを行っていない」と言われた場合、「当院の設備・体制上、外来での継続リハビリが提供できない」という医療機関側の事情であることが大半です。

4. 自宅でできる保存療法:「貧乏ゆすり運動(ジグリング)」の力

通院リハビリの枠がない場合でも、悲観する必要はありません。変形性股関節症における保存療法の基本は、「股関節に体重などによる負担をかけずに、股関節を動かすこと」です。

股関節軟骨には血管が通っていないため、関節軟骨の健康を維持するには「関節液の循環」が欠かせません。体重をかけた無理なウォーキングは軟骨を傷めるリスクがありますが、椅子に座った状態で行う貧乏ゆすり(ジグリング運動)には次のような特徴があります。

  1. 非荷重(体重がかからない)で動かせる

  2. 小刻みな往復運動により、関節液の循環を促す

  3. 筋肉をこわばらせず、リラックスした状態で関節を刺激できる

担当医がびんぼうゆすりを推奨されたのは、医学的にも理にかなったセルフケアだからです。

継続のハードルをどう乗り越えるか:

一方で、「毎日何十分、何時間も自力で貧乏ゆすりを続ける」のは、足の筋肉が疲れてしまったり、意識を集中し続けなければならず、意外と根気がいる作業です。

そのため、テレビを見ながらや読書をしながら、無意識かつリラックスした状態で足を揺らせる自動ジグリング機器などを取り入れ、無理なく生活習慣に組み込む工夫をされる方が増えています。

まとめ:焦らず、今できる手当てを一つずつ

変形性股関節症と診断されると、誰でもショックを受けます。しかし、「初期〜進行期」は、ご自身の足を守るための選択肢がたくさんある時期でもあります。

病院でリハビリを受けられないと言われたとしても、諦める必要はありません。

  • まずは痛みの出ない姿勢・生活環境を整える

  • 股関節に体重をかけない運動(貧乏ゆすり等)を日常に取り入れる

  • 無理のないセルフケアを毎日コツコツ継続する

今回お電話をいただいた方にも、まずは2週間の無料貸出で「足を小刻みに揺らす感覚」を体験していただくことになりました。

「自分の状態でも使えるだろうか」「どんな使い心地なのか試してみたい」という方は、どうぞ無理のない範囲でお気軽にご相談ください。あなたの股関節と長く上手に付き合っていくための第一歩を、一緒に見つけていきましょう。

 

【股関節症と診断された皆さんへ】ブログ12年・闘病11年の私が伝える「ジグリングをまず始めるべき理由」

 

「変形性股関節症」と診断され、将来への不安で胸がいっぱいになっていませんか?

「いずれは手術しかないのだろうか……」と悩む方に、

まずは希望を持って今日から始められる優しい保存療法「ジグリング(びんぼうゆすり療法)」を

あらためてご紹介したいと思います。

 

実は、私がこのブログを書き始めて12年、

そして私自身が変形性股関節症と診断されてから11年という年月が経ちました。

私がジグリングにこだわっている理由も、

ジグリングによって私自身の股関節が守られていることを実感しているからなのです。

 

お陰様で、ジグリングをコツコツと続けてきた結果、

症状の進行もなく、一度も手術を考えることなく、今日に至るまで元気に歩くことができています。

 

先日、とても嬉しいご連絡をいただきました。

10年前に私のブログをきっかけに自動ジグリング器を使い始め、

毎日継続して見事に手術を回避されている患者さんからです。

最近器械の調子が悪くなったとのことで、再購入のお申し込みをいただきました。

10年間、毎日股関節のパートナーとして愛用してくださっていたのです。

 

10年という歳月をかけて、役目を果たした器械が少しずつ劣化していくこと。

それは、それだけの膨大な時間、器械が足元を揺らし続け、

ご自身の股関節の状態がどんどん滑らかに、健康に良くなっていったこと(改善)と、見事な「反比例」を描いています。 

器械が身代わりとなってすり減ってくれたおかげで、

患者さんの股関節は見事に守られ、手術を回避し続けることができたのです。

 

その方は、最初は平均して1日2時間しっかりとジグリングを行い、股関節の調子が良くなるに従って少しずつ施術時間を減らしていき、最近では1日30分程度で快適に過ごされているそうです。

実は、私も全く同じ。今では大体1日30分ほどのジグリングで良い状態をキープできています。

股関節に対してだけでなく、歩いたり、運動したりして脚がつかれたと感じた時も

自動ジグリング器を使っています。

 

ジグリングをこれから始めてみようか悩んでいる方に、

私が一番お伝えしたい「始める意義」は3つあります。

  • ① 「すり減った軟骨は戻らない」という常識を覆す確かなエビデンスがある かつて医学界では「一度すり減った軟骨は再生しない」と言われていました。しかし、国内外の研究で、体重をかけずに細かく動かすジグリングによって関節液が循環し、軟骨の再生や痛みの劇的な軽減が確認されています。
  • ② 副作用がなく、自分の骨を活かせる最も優しい選択肢である お薬のような副作用の心配が一切なく、自宅で今すぐ始められます。体にメスを入れる前に、自分の関節を温存する「保存療法」に挑戦する価値は十分にあります。
  • ③ 一生「1日2時間」ではない。良くなれば30分で維持できる 「毎日2時間は大変」と思うかもしれませんが、ずっとではありません。関節の環境が整い、痛みが和らぐにつれて、私やご紹介した患者さんのように「1日30分程度」の自己メンテナンスで済むようになります。

もちろん、ジグリングがすべての患者さんに適応するわけではありません。

しかし、だからこそ「まずは試してみる」意義があります。

最近では、整形外科医にも勧める先生が増えてきたジグリングです。 

保存療法としてジグリングを行うことをご相談されるのも一つの手段かもしれません。

 

今日から始める小さな「心地よい揺らぎ」が、数年後のあなたの歩行と笑顔を守る大きな力になります。

ぜひ希望を持ってジグリング、最初の一歩を踏み出してみませんか?

 

ジグリングに関する、ご質問、お問い合わせは

Shisei Medicalまで、お電話でもお客様相談室のメールでもどちらでも対応させていただきます。

 

【ジグリング施術時間】

なぜ「1日2時間」も必要なの?

名医が人間の体に隠された“ある秘密”から導き出した納得の科学的理由


「1日2時間なんて、長すぎませんか?」という疑問にお答えします

変形性股関節症の画期的な保存療法(手術をしない治療)として知られる「ジグリング(貧乏ゆすり療法)」。 病院で勧められたり、本で読んだりして「やってみよう!」と思った方の多くが、最初にこう感じて驚きます。

「えっ、1日に合計1時間半から2時間も足をゆすらないといけないの? なんでそんなに長いの?」

確かに、自力でも、自動の器械を使うにしても、「2時間」と聞くと一見とても長く感じられますよね。 しかし、この「1時間半から2時間」という数字は、適当に決められたものではありません。ジグリングを提唱した名医・井上明生先生(故人)が、人間の体の「ある驚くべき神秘」に気づき、完璧に計算して導き出した、とても深い科学的な根拠があるのです。

今回は、その面白い誕生秘話と理由を、改めて、わかりやすく解説します!


2. 出発点:人間の体で「すり減らない関節」の謎

ジグリング療法のすべての出発点は、井上先生が着目した、ある医学的な現象にありました。

人間には、全身にたくさんの関節があります。 膝や股関節、指の関節などは、年齢とともに軟骨がすり減って痛む「関節症」が起こりやすい場所です。 しかし不思議なことに、人間の体の中で「すり減らない(関節症が起こらない)関節」が存在するのです。

それが、胸のあたり(胸郭:きょうかく)を構成している「肋骨(ろっこつ)の両端にある関節」です。

「なぜ、胸の関節だけは生涯すり減らないのだろう?」井上先生がその謎を突き詰めた結果、ひとつの答えにたどり着きました。 それは、「その関節が、24時間、常に小刻みに動き続けているから」でした。


3. 「呼吸の回数」が教えてくれた、軟骨を健康に保つ数字

私たちは、生きている限り、寝ている間も休むことなく「呼吸」をしています。 呼吸をするたびに、胸(胸郭)は小さく、小刻みに膨らんだり縮んだりしていますよね。

井上先生は計算しました。 「人間は、1日に何回、呼吸で胸の関節を動かしているのだろう?」

その答えは、なんと1日に約23,000回でした。

体重という重い負荷がかからない状態で、1日に23,000回も「小刻みに優しくこすり合わせる運動」を繰り返しているからこそ、胸の関節の軟骨には常に新鮮な関節液(栄養を含んだ潤滑油)が行き渡り、一生すり減ることなく若々しく保たれていたのです。


4. 23,000回の運動を「股関節」で再現すると何時間になる?

「関節を健康に保ち、傷んだ軟骨の環境をリセットするには、1日約23,000回の微細な運動が必要だ」

この確信を得た井上先生は、これを変形性股関節症に悩む患者さんの股関節に応用しようと考えました。 では、股関節をリラックスさせた状態で、1日に23,000回動かすためには、どれくらいの時間ジグリングをすればいいのでしょうか?

計算は非常にシンプルです。 ジグリング(貧乏ゆすり運動)は、人が自然に行う場合も、自動ジグリング器を使う場合も、1分間に約200回〜250回(1秒間に3〜4回)という、心地よい一定のリズムで足を揺らします。

  • 1分間に200回のペースで足を揺らすと…… 23,000回 ➔ 約115分(1時間55分)
  • 1分間に250回のペースで足を揺らすと…… 23,000回 ➔ 約92分(1時間32分)

つまり、関節の健康を維持し、軟骨の再生や痛みの改善を促すために必要な「1日23,000回の振動」を股関節に届けるためには、「1日合計で約1時間半から2時間」という時間が物理的にどうしても必要になるのです。

これが、ジグリングの施術時間が1時間半から2時間と規定されるに至った、医学的かつ数学的な真実です!

※なお、股関節の変形がそこまで進んでいない「初期」の段階であれば、1日30分程度でも十分に予防・改善効果が期待できるとされています。


5. どうやって毎日2時間も続けるの? 挫折しないためのコツ

「理由はわかったけれど、やっぱり毎日2時間は大変そう……」と不安になる必要はありません。 効果を出すために、以下のポイントを意識してみましょう。

  • ① 「こま切れ(ながら運動)」で全く問題なし! 2時間ぶっ続けで行う必要は一切ありません。朝起きてテレビを見ながら20分、お昼の読書中に30分、夜にお茶を飲みながら30分……といったように、1日の中で5分、10分のスキマ時間を積み重ねて、合計2時間になれば同じ効果が得られます。
  • ② 「自動ジグリング器」を賢く使う 自力で2時間揺らし続けるのは、ふくらはぎの筋肉が疲れて「足がつる」原因になります。足を乗せるだけでリラックスした状態で揺らしてくれる自動の機械(健康ゆすり)を活用すれば、疲れ知らずで、テレビや読書を楽しみながらあっという間に2時間をクリアできます。
  • ③ 20分やったら休憩を挟むのが安全のルール 自動ジグリング器に「最長20分」のタイマーがついているのも、やりすぎによる筋肉の疲労を防ぐためです。20分行ったら、5〜10分ほど足を休ませる。この体に優しいサイクルを守ることが、長続きの秘訣です。

まとめ:2時間は、あなたの股関節が「自ら生き返る」ための時間

1日合計1時間半から2時間のジグリングは、運動をサボるためのものでも、無理なノルマでもありません。 私たちの体に備わっている「関節を自分で修復する力(自己治癒力)」を引き出すために、科学的に計算し尽くされた「最も優しく、最も効果的な処方箋」なのです。

「貧乏ゆすりがクセになる」くらい、日々の生活に心地よく溶け込ませながら、焦らずにあなたのペースで、未来の歩行のために毎日コツコツと「23,000回の贈り物」を股関節に届けてあげてください。

【整形外科医も推奨】「貧乏ゆすり」が股関節を救う?手術を避けるための保存療法「ジグリング」とは

「歩くたびに股関節がズキッと痛む」 

「立ち上がるのがつらくて、外出がおっくうになってしまった」

 「病院で『軟骨がすり減っているから、いずれ手術ですね』と言われ、ショックを受けた……」

変形性股関節症の痛みに悩む多くの方が、

先行きへの不安や「もう手術しかないのか」という諦めを抱えています。

 

このブログでも随分ご紹介してきましたが、

医療の現場では、治療に対する患者さんの負担を減らすため、

自分の関節を残しながら痛みを和らげ、

軟骨の修復・再生を目指す保存療法

「ジグリング(下肢ジグリング)」が採用されています。

 

子どもの頃「お行儀が悪い」と怒られたあの「貧乏ゆすり」が、

傷ついた股関節を救う画期的な治療法として、

保存療法として大学病院やリハビリ現場で真剣に推奨されています。

この記事では、なぜジグリングが股関節に効くのかという医学的根拠から、

自宅でできる正しい実践法までを

改めて解説します。

1. なぜ「貧乏ゆすり」が医療現場で注目されているのか?

貧乏ゆすりは、医学の世界では「ジグリング(Jiggling)」と呼ばれています。

これまで変形性股関節症といえば、「体重を落とす」「筋トレをする」「痛みが限界に達したら人工関節の手術をする」という選択肢が一般的でした。しかし、痛みが強い時期に無理な運動をすると、かえって関節を痛めてしまうジレンマがありました。

そこで登場したのが、「座ったまま関節に負担をかけずに動かす」ジグリング療法です。

メスを入れず、体に負担をかけない「保存療法」として、多くの患者さんが痛みの軽減や歩行機能の回復を実感しています。

2. ジグリングが股関節に変化をもたらす「4つの医学的メカニズム」

「足を細かく揺らすだけで、なぜ関節が良くなるの?」と不思議に思うかもしれません。実は、これには明確な医学的理由があります。

① 軟骨へ栄養を届ける(関節液の循環)

② 筋肉の緊張をほぐす(血流の改善)

③ 骨の形を安定させる(骨のリモデリング)

④ 痛みの信号を遮断する(ゲートコントロール効果)

   

3.ウォーキングや筋トレと何が違う?ジグリングの「圧倒的な優位性」

一般的なリハビリ運動や薬物療法と比べたとき、ジグリングには他にはない決定的な強みがあります。

「非荷重(体重がかからない)」だから関節を痛めない 
ウォーキングや階段昇降では、股関節に体重の3〜10倍もの負荷がかかります。一方、椅子に座って行うジグリングは股関節への荷重がゼロ(非荷重)。関節軟骨同士が強く擦れ合わないため、末期症状や強い痛みがある時期でも安全に運動量を確保できます。

副作用がなく、極めて安全
消炎鎮痛薬のような胃腸障害や腎機能低下などの心配が一切ありません。

確かな研究エビデンス(実証データ)
 久留米大学をはじめとする多施設共同研究において、ジグリングを継続した患者さんに、痛み・動作・メンタル面の改善が報告されています。

 

「手術を避けたい・受けられない方」の心強い選択肢 

仕事や介護、育児で長期入院が難しい方や、高齢・持病(糖尿病や心疾患など)で手術のリスクが高い方にとっても、関節を温存しながら日常生活を取り戻す有力な手段となります。

4. 正しい効果を出すための「ジグリング実践ガイド」

基本フォームとポイントを守って行いましょう。

 

1.正しい姿勢で座る:足裏がぴったりつく椅子を選ぶ。

足裏が床にしっかりとつく高さの椅子に腰掛けます。膝の角度は90度程度がベストとされています。背筋を軽く伸ばし、背もたれに凭れかけてリラックスしておこないましょう。

 

2.かかとをわずかに浮かせて小刻みに揺らす:。

つま先は床につけたまま、かかとを1〜2cmほど浮かせ、小刻みに上下させます。 

リズムの目安は「1秒間に2〜3回(1分間に200回程度)」です。

 

3.毎日コツコツ時間を積み上げる:目標は1日合計2時間程度(1日のトータルでOK)。

研究で効果が示されている運動量の目安は1日合計2時間です。

一度に行う必要はありません。

「テレビを見ながら30分」「読書やデスクワーク中に30分」など、隙間時間に細かく分けて積み重ねましょう。

5. 続けられないときの味方「自動ジグリング器」

「1日2時間の貧乏ゆすり」を自力で続けるのは、想像以上にふくらはぎの筋肉を使い、疲労や筋肉痛で挫折してしまう方が少なくありません。

そこで臨床現場や在宅リハビリで活用されているのが、足を乗せるだけで正確なリズムとストローク(約2cmの上下運動)を再現してくれる「自動ジグリング器(健康ゆすり機器)」です。

筋肉を緊張させず、完全脱力した状態で長時間のジグリングが行えるため、体力に自信がない方や長時間のデスクワーク中にも無理なく継続できます。

6. 安全に続けるための注意点

ジグリングは安全な運動ですが、以下の点には必ず注意してください。

  • 「痛いときは休む」:「痛みを我慢して動かすほど効く」は完全な間違いです。違和感や強い痛みが出たときはすぐに中止してください。

  • 「立って行うのは厳禁」:全体重がかかった状態で足を揺らすと、関節を痛めてしまいます。必ず座った状態で行ってください。

  • 「人工関節の手術後は不可」:すでに人工関節置換術を受けた足へのジグリング(特に強い自動運動)は、人工関節の摩耗やゆるみの原因になる恐れがあるため行わないでください。

  • 「主治医への相談」:自己判断のみで進めるのではなく、まずはかかりつけの整形外科医に「ジグリングを取り入れたい」と相談し、定期的にレントゲンなどで関節の状態を確認してもらいましょう。

7. おわりに:毎日の「小さな揺らぎ」が、歩行の未来を変える

すり減ってしまった軟骨の再生や、痛みの根本的な改善には、数ヶ月から年単位の時間がかかります。

しかし、毎日コツコツと続けた小さな揺らぎは、関節液を通じて確実に軟骨へと届き、

その努力の結果、いつの間にか手術回避できる股関節になっているのです。

 ■ はじめに:ネットの情報を信じて始めたけれど……

「股関節が痛くて調べてみたら、びんぼうゆすり(ジグリング)が良いと書いてあった。だから自分で試してみたけれど、自己流でも大丈夫?」

また、受診したクリニックで「軟骨がすり減っているから、もう手術しかないですね」といきなり言われ、大きなショックを受けてしまった……。

私たちの元には、こうした患者さんの切実な声が多く寄せられます。

変形性股関節症は、「手術か、痛みを我慢するか」の二者択一ではありません。

近年の整形外科医療では、患者さんの生活の質(QOL)を大切にし、手術の前にまずは身体への負担が少ない「保存療法(リハビリや運動療法)」をしっかり行うアプローチが大きく広がっています。

今回は、自己流ケアでの注意点、医師が手術を提案する背景、そしてご自身の足を守りながら前向きに治療を進めるための「賢い病院の受診の仕方」を解説したいと思います。


1. 「股関節痛=すべて同じ」ではない。正しく知ることから始まる第一歩

まず知っておきたいのは、股関節の痛みの原因は一つではないということです。

股関節に痛みをもたらす病態には、骨盤と太ももの骨の間にある関節軟骨がすり減る「変形性股関節症」だけでなく、軟骨のフチにある組織が傷つく「関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)」なども存在します。

もし関節唇損傷などがある場合、適切な診断がないまま自己流で足を動かすと、傷ついた組織を刺激してしまい、痛みを増大させてしまうことがあります。

ジグリングは、変形性股関節症における軟骨の環境改善や痛みの軽減において、多くの研究や臨床報告がなされている非常に優れた保存療法です。しかし、痛みの状態に合わせた正しいやり方で行うことが何より大切です。

ご自身の痛みの原因が「骨」なのか「軟骨」なのか、あるいは「関節唇」などの周囲の組織なのか。これらを正確に見極め、最適なアドバイスをくれるのが、豊富な知識と実績を持つ「股関節専門医」です。


2. なぜ初診で「手術」が話題に上るのか?~保存療法というもう一つの選択肢~

初めて行った病院で「いきなり手術の話をされて驚いた」という経験をされる方は多くいらっしゃいます。

なぜ医師は初診で手術を提案するのでしょうか?

それは、レントゲンなどの画像診断を通じて、骨や軟骨の構造的な変化(変形)を客観的に評価し、「根本的に構造を修復する方法」として手術という選択肢を提示してくれるからです。これは決して患者さんを突き放しているわけではなく、医療としての標準的なアプローチの一つです。

一方で、医療の進歩とともに「できる限り自分の骨や関節を残し、負担の少ない方法で痛みをコントロールする」保存療法の価値が再評価されています。

変形性股関節症の治療プロトコル(手順)においても、いきなり手術を行うのではなく、まずは生活指導や運動療法、ジグリングをはじめとする「保存療法」を試しながら経過を見ていくアプローチがとても大切にされています。

「医師に勧められたからすぐ決断しなければならない」と思い込む必要はありません。専門医としっかりコミュニケーションをとり、「まずは保存療法で改善を目指したい」というご自身の希望・意志を伝えることから、新しい治療の道が開けます。


3. 「病院迷子」を回避する、賢い病院の歩き方

自己流ケアで痛めてしまった時や、手術以外の選択肢を探したい時、どうすれば信頼できる専門医に出会えるのでしょうか?

ネットで見つけた有名な病院へ紹介状なしでいきなり受診しようとすると、選定療養費(特別料金)がかかったり、長い待ち時間が発生したりすることがあります。

そこでぜひ活用していただきたいのが、国が推進している「地域医療連携制度」です。

現在の医療体制は、身近な「地域のクリニック(かかりつけ医)」と、高度な精密検査や手術を行う「専門病院(中核病院)」が役割を分担し、しっかり連携しています。

かかりつけの医師は、地域の医療ネットワークや専門医の情報をもっています。

遠くの病院を自力で探すよりも、まずはかかりつけの先生に「今の治療やケアで痛みが続いていて不安です。保存療法に詳しい股関節の専門医をご紹介いただけないでしょうか?」と相談するのが、最もスムーズで確実な「正規ルート」なのです。

【かかりつけ医を活用する3つのステップ】
1. かかりつけ医を受診する:現在の症状や「セルフケアで痛みが強くなった」などの経緯を正直に伝える。
2. 紹介状を書いてもらう:地域医療連携のネットワークを通じて、股関節の専門医・専門外来へ紹介してもらう。
3. 専門医の診断を受ける:正確な病態の把握のもと、自分に合った最適な保存療法(ジグリング等)の計画を立てる。


4. 自分の体と未来を守る「セルフメディケーション」の希望

病状の進行度によっては、将来的に手術を選択することが最適な場合もあります。しかし、焦ってすぐに結論を出す必要はありません。まずは正しい専門医の指導のもとで保存療法に取り組み、ご自身の関節が持つ可能性を確かめてみましょう。

最後に、ご自身でジグリング(ゆすり運動)を取り入れる際の、簡単な目安をご紹介します。

それは、「自力で、5~10分程度を1日5~6回、まずは2~3日続けてみること」です。

この短期間の試行で股関節の痛みが悪化しなければ、ジグリングによる保存療法の適応がある可能性が高いと考えられます。

もし「自力で毎日長い時間ゆすり続けるのが体力的・筋力的に大変だ」と感じられる場合は、足を置くだけで負担なく揺らしてくれる「自動ジグリング器(健康ゆすり)」などの補助機器を活用するのも、快適にリハビリを継続するための賢い方法です。

医療を一方的に「受ける」だけでなく、正しい知識を持って「自分の身体を前向きにケアしていく」というセルフメディケーションの姿勢こそが、あなたの豊かな未来を切り拓きます。

ずっと自分の足で歩き続けるための「希望の第一歩」として、まずは信頼できるかかりつけの先生に相談することから始めてみませんか?

また、ジグリング研究会運営事務局(内Shisei Medical株式会社)にご相談ください。