ジグリング(びんぼうゆすり)の話

ジグリング(びんぼうゆすり)の話

びんぼうゆすりは、医学用語でジグリングと言われています。近年、ジグリングの効用が注目されていますが、このブログではジグリングの効用について様々な観点からご紹介をしてゆきます。

昨日、神奈川県在住の女性より、ジグリングに関するお問い合わせのお電話をいただきました。

 

とても矍鑠としたお話し方で、ご年齢をお伺いした際に、

思わず聞き直したくらいです。

 

それは、さておき…

 

ご相談というのは、かかりつけの整形外科で、

変形性股関節症の初期と診断され、

症状がすすんだら手術を考えた方がよいと言われたそうです。

 

ご年齢のこともあり、手術はしたくないと話されたところ、

保存療法で様子をみてみることを示唆されたということでした。

保存療法には、ジグリングをすすめられ、

しばらく毎日、家で「びんぼうゆすり」をしておられたそうです。

 

そんな時、同じ病院に通っておられる顔見知りの方も

変形性股関節症と診断されていたことを

聞きご相談されると、

その方は、自動ジグリング器を使っておられるとのこと、

また、それまで気づかなかったらしいのですが、

その病院のリハビリルームに自動ジグリング器が

置いてあり、試しに使ってみたところ、

足を置くだけで楽にジグリングができたと話してくださいました。

 

お電話では、

自動ジグリング器の使い方について、

色々とご質問されておられましたが、

まだ、初期進行期の段階なので、

1日30分以上を目標にジグリングをされることをお勧めいたしました。

 

もう少し若かったら、

手術(人工関節)を考えてもいいかもしれないけど、

手術をする体力、術後の回復する体力に不安があるので、

やはり手術は考えられないとおっしゃっておられました。

 

また、ジグリングをしてもすぐに良くなるわけではなく、

毎日の積み重ねが必要とお伝えすると、

「すぐによくなるなんて、思っていない、

毎日ぼちぼちジグリングをして、手術をうけなくてもいいようにジグリングを

してみます」と

お話いただきました。

 

器械の使い方や、ジグリングについてのご質問がある際には、

いつでもご連絡をしてくださいとお伝えし、

時間外でも、転送電話でご相談を受けているので、

いつでもいいですよとお話しすると、

安心され、

「それでは、これからお世話になります…」

とおっしゃってお申し込みをいただきました。

 

この方の場合、

患者さんに寄り添って保存療法をまずは、勧められる

お医者さんに出会っておられて、

とても幸せなかただなと感じました。

 

ジグリングのことで、

ご質問がある時は、いつでも、

ご連絡お待ちしております。

 

 

 

ユーチューブで配信されていた動画をご紹介します。

膝の軟骨はまだ戻せる

 

何故この動画をご紹介するかというと、

この動画でご紹介されている

一宮西病院の巽先生のお話の内容が、

久留米大学名誉教授の故井上明生先生がよく話されていたことと似ていたためです。

 

井上先生は、股関節、

巽先生は、膝関節と違いはありますが、

適切な保存療法により軟骨は修復再生すると言われ、

実際に多くの患者さんを保存療法で手術回避に導かれているという点が、

保存療法の大切さを示唆されていると思います。

 

股関節痛に悩まされる方の多くが膝にも違和感をおぼえる、

また、その逆も同じ場合が多いため、

この動画は保存療法にのぞまれる方にとって、とても参考になると思いました。

 

動画の中で、

軟骨について話されている部分があります。

これまで軟骨は再生しないと整形外科の分野では認識されてきたが、

それが違うとわかったと言われています。

「軟骨は、1でも残ってたら10になる可能性がある」ということです。

適切な保存療法によって、軟骨は人の身体の自然治癒力によって再生されると示唆されています。

 

また、井上先生が生前おっしゃられていました。

「医者は、手術をして痛みを取って患者さんが喜ぶと思っていましたが、

実際には患者さんには手術をしないで治した方が、喜ばれる」

この言葉と同じように、

動画の中で、巽先生も

「患者さんは、きって治るよりも、切らなくて治った方がとても喜んでいる」と

話されています。

 

さらに、痛み止めや注射の弊害についても分かりやすく解説されています。

 

巽先生も井上先生も手術に関しては、

医師の間でも一目置かれるほどのエキスパートでありながら、

骨格を確認しながら、まずは、保存療法を勧められています。

 

今朝、ユーチューブを確認していた時に、

出会った動画のご紹介となりますが、

最近多くなった、患者さんからの相談事、

初診で、手術(人工関節)を勧められることについて、

変形性股関節症・股関節の痛みで悩まれておられる方にも、

是非ご覧いただければと思いました。

 

膝の軟骨は、まだ戻せる

 

一宮西病院チャンネル でも保存療法についての解説動画がアップされています。

股関節の保存療法に通じるところが多々ありますので、ご紹介させていただきました。

 

皆さんの保存療法のご参考にしてください。

 

 

 

〜股関節専門医の正しい受診方法と「地域医療連携」の仕組み〜

長年、変形性股関節症の保存療法(ジグリング等)についてご相談を受けていると、患者さんから様々なSOSのお声が届きます。先日も、ある患者さんからこんな切実なご相談をいただきました。

「クリニックで変形性股関節症と言われ、自分なりに調べてジグリングを試してみたのですが、逆に痛みが強くなってしまいました。こういうことはあるのでしょうか?」

結論から申し上げますと、稀ではありますが「あり得る」のです。そして、このような時に最も大切なのが「股関節の専門医による正確な診断」です。

今回は、ご自身の体を守るために絶対に知っておいていただきたい「専門医受診の重要性」と、スムーズに専門医に診てもらうための「地域医療連携制度の正しい使い方」についてお話しします。

 

「股関節痛=すべて同じ」ではない

股関節が痛むと、多くの方が「変形性股関節症」を疑います。しかし、股関節の病態は一つではありません。

例えば、骨盤と太ももの骨の間にある軟骨のフチ(関節唇)が傷ついてしまう「関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)」という病態があります。この場合、良かれと思ってジグリングのような動きを行うと、かえって組織を刺激し、痛みを増大させてしまうケースがあるのです。

ジグリングは、適切な病態(変形性股関節症の軟骨再生など)に対しては素晴らしい効果を報告されていますが、万能薬ではありません。ご自身の痛みの原因が「骨」なのか「軟骨」なのか、「関節包の炎症なのか」、「関節唇」なのか、それとも、他に原因があるのか。これを見極められるのは、高度な知識と経験を持つ「股関節専門医」だけなのです。

 

病院迷子にならないための「地域医療連携制度」

先ほどの患者さんに、「関節唇損傷の疑いもあるため、かかりつけの先生に症状を伝え、股関節専門医への紹介状を書いてもらってください」とお伝えしました。

すると、患者さんはこうおっしゃいました。

「それなら、そちらでどこか有名な良い病院を教えてください。その病院宛に、かかりつけ医に紹介状を書いてもらいますから・・・」

お気持ちは痛いほど分かります。ネットで名医を探し、そこへ行きたいと思うのは当然のことです。しかし、実はこの方法は患者さんの予約・受診費の割り増し等、手間もかかり(トラブルにもなりやすい)やり方なのです。

 

ここで知っておいていただきたいのが「地域医療連携制度」という仕組みです。

 

現在の医療は、地域のクリニック(かかりつけ医)と、大きな専門病院(中核病院)がネットワークを組み、役割分担をしています。かかりつけの先生は、「この症状なら、あの病院の〇〇先生が専門だ」という地域のネットワークと太いパイプを必ず持っています。

患者さんがネットで調べた見ず知らずの遠方の病院を指定して「ここに書いてくれ」と頼むよりも、かかりつけの先生に「今の治療(あるいはジグリング等)で痛みが増して不安なので、先生が連携されている股関節の専門医をご紹介いただけないでしょうか?」と相談する。これが、最も確実で、最も早く適切な専門医にたどり着ける「正規のルート」なのです。

 

自分の体を守るための「正しい手順」

先ほどの患者さんにもこの「地域医療連携」の仕組みを丁寧にご説明したところ、「そういうネットワークがあるとは知りませんでした。まずはかかりつけの先生にしっかり相談してみます」と、ご納得いただきお約束をしてくださりました。

保存療法でご自身の治癒力を引き出すことは本当に素晴らしいことです。しかし、その土台には必ず「専門医による正しい診断」があることが望ましいのです。

  1. かかりつけ医を受診し、ありのままの症状(痛みが増した等)を伝える。
  2. 地域医療連携のネットワークを使って、信頼できる股関節専門医を紹介してもらう。
  3. 専門医の正確な診断のもと、自分に合った保存療法(ジグリング等)を実践する。

あちこちの病院を渡り歩く「病院迷子」にならないために。そして何より、あなた自身の足で歩き続けるために。この「正しい手順」と「地域連携の仕組み」を、ぜひ心の片隅に留めておいてください。

 

また、自動ジグリング器を使ったジグリングがご自身の症状に良いかどうかを簡単に見分ける方法があります。それは、自力で、5~10分位を日に5,6回、続けて2~3日行ってみることです。これで股関節の痛みが増大しなければジグリングの適用はあると考えても問題はないと思います。そのまま、自力でジグリングを1日1時間半程度行うこともよいですし、自力でこの時間を行うことがきついと感じられれば自動ジグリング器のご使用も検討されてはどうでしょうか?

〜変形性股関節症と医療費の裏側に潜む真実〜

 

変形性股関節症に悩む方が、一番に望むこと。

それは「できれば手術を回避して、自分の足で歩き続けたい」という切実な思いではないでしょうか。

しかし近年、お問合せをいただく患者さんからこんな声をよく聞くようになりました。

「初めて病院に行ったその日に、いきなり手術を勧められた」

「まだ痛みが出始めたばかりなのに、人工関節にするしかないと言われた」

 

実は、変形性股関節症のような進行性の慢性疾患における「本来の治療プロトコル(手順)」は違います。まずは体重管理や運動、そして「保存療法」を処方して一定期間経過を観察する。その間にMRIやレントゲンなどの検査結果を慎重に分析し、どうしても改善が見られない場合に初めて手術の検討に入るのが、本来あるべき医療の姿です。

 

ではなぜ、初診から「即手術」を示唆するケースが増えているのでしょうか。約10年にわたり保存療法の現場に関わってきた私は、皆様に「医療費増大の裏側にある不都合な事実」を知識として知っていただきたいと考えています。

 

なぜ「保存療法」は後回しにされるのか?二つの壁

そこには、医療現場が抱える構造的な「二つの壁」が存在します。

第一の壁は、病院も「経営体」であるという事実です。現在の日本の医療は「出来高払い」が基本です。もし患者さんが、自宅での保存療法によって自立して治癒に向かってしまえば、病院にとっては通院という「診療報酬」が減ってしまいます。さらに言えば、利益率の高い「人工関節置換術」のような手術の機会を失うことにもなります。病院が経営を維持しなければならない以上、儲からない保存療法を大々的に勧めることは構造上難しいのです。それでも、患者さんの利益(症状の改善)を最優先して、保存療法を積極的に勧めておられる医師も少なくないことは一つの救いになっています。

 

第二の壁は、国の「医療機器認定」の壁です。安くて良い訓練機器があっても、医療現場で使うための認定には莫大な資金がかかり、それが機器の価格に上乗せされてしまいます。結果として、手軽な保存療法の道具が医療現場に行き渡りにくくなっています。

病院は経営のために手術を優先しがちになり、国は過剰かもしれないルールで新しい保存療法の普及を遅らせる。この構造がある限り、病院任せにしていては、本来試すべき「手術以外の選択肢」を見落としてしまう危険性があります。

 

知っておくべき「ジグリング」の効果と現実

変形性股関節症の保存療法の中でも、患者さんが自宅で取り組める有効な手段の一つに「ジグリング(貧乏ゆすり運動)」があります。

これまで、ジグリングを継続することで「疼痛(痛み)の緩和」や、失われた「関節軟骨の修復・再生」が見られたという臨床報告が多数あがっています。メスを入れず、自宅で座りながらできる。まさに患者さんの望みに寄り添う療法です。

しかし、ここで一つ疑問が湧くかもしれません。

「そんなに効果があるなら、なぜもっと強く推奨されていないのか?」と。

これも、先ほどの「壁」が関係しています。ジグリングのような自宅で行う非侵襲的(体を傷つけない)な療法は、医療機関にとって問診・処方以外の大きな利益を生みません。莫大な資金を投じて国のお墨付き(高い推奨レベル)を得るための大規模な臨床試験が行われにくいのは、まさに「経営的に利益が期待できにくい」ということに原因があると考えられます。

「推奨レベルがまだ高くない=効果がない」ではありません。「ビジネスとして成立しにくいから、積極的な推進が後回しにされている」というのが、医療現場のリアルな側面なのです。

 

自分の体と財布を守る「賢い選択」

もちろん、病態によってはどうしても手術が避けられない場合もありますし、その正確な診断を下すのは医師の重要な役割です。医療や医師の大きな責任はここにあります。

しかし、もしあなたが「初診でいきなり手術を勧められた」としたら、少しだけ立ち止まって、今日お話しした「医療の構造」を思い出してください。

「まずは保存療法で経過を見たい」と伝えることは、患者の正当な権利です。

すぐに決断せず、ジグリングのような自宅療法を試しながら、ご自身の治癒力を引き出す期間を設けてみてください。

医療費が上がり続ける今、「自分の身体は自分で守る」という知識と行動こそが、あなた自身を救う最大の防衛策になります。ご自身の足で歩き続けるために、まずは今日からできる自宅ケアがあることを知ることは大変重要な改善へ第一歩となります。