【米国市況】株反落、CPI受けて利上げ観測高まる-ドル149円後半
Rita Nazareth-
ドル全面高、一時149円83銭-国債下落、低調な入札も重し
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9月CPI、高金利維持の方針掲げる金融当局の論拠裏付け
12日の米株式相場は反落。米国債利回りは上昇した。この日発表された9月米消費者物価指数(CPI)を受けて、米金融当局がインフレに関して勝利宣言する状況には程遠いとの観測が高まり、追加利上げの確率が上昇した。
| 21:30 | USD | 消費者物価指数 (前月比) (9月) | 0.4% | 0.3% | 0.6% | ||
| 21:30 | USD | 消費者物価指数 (前年比) (9月) | 3.7% | 3.6% | 3.7% |
| 21:30 | USD | コアCPI (前月比) (9月) | 0.3% | 0.3% | 0.3% |
| 21:30 | USD | コア消費者物価指数 (前年比) (9月) | 4.1% | 4.1% | 4.3% |
| 21:30 | USD | 失業保険申請件数 | 209K | 210K | 209K |
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4349.61 | -27.34 | -0.62% |
| ダウ工業株30種平均 | 33631.14 | -173.73 | -0.51% |
| ナスダック総合指数 | 13574.22 | -85.46 | -0.63% |
S&P500種株価指数は5営業日ぶりに下落。銀行株が軟調だった。JPモルガン・チェースとシティグループ、ウェルズ・ファーゴは13日に決算を発表する。
9月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.3%上昇と8月と同率のやや高めの伸びとなった。前年同月比では4.1%上昇で、2021年以来の低い伸びとなった。総合CPIは前月比0.4%上昇。市場予想は0.3%上昇だった。
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チャールズ・シュワブUKのマネジングディレクター、リチャード・フリン氏は「これが金利にどう影響するかに関しては、現時点では『より高くより長く』の方が『どのくらい高く』よりも重要かもしれない。米金融当局が利上げを決定するかどうかにかかわらず、インフレという竜を退治するのが難しい限り、金利が現行水準から下がる可能性は低いだろう」と述べた。
ストラテガスのドン・リスミラー氏は「米金融当局は11月に政策を据え置く可能性が高いかもしれないが、予測は難しい。利下げについては、検討するのは引き続き時期尚早だ」と述べた。
一部のアナリストやトレーダーらは今回の統計について、目立った変化をもたらすほど驚くべきものではなかったとみている。特に、米金融当局者が今週相次いで、このところの債券相場下落はさらなる引き締めの必要性を今のところは低下させるかもしれないと発言しているためだ。
グッゲンハイム・インベストメンツの米国エコノミスト、マット・ブッシュ氏は「当社ではこれ以上の利上げは予想していない」と発言。「米金融当局が11月1日の会合で利上げに踏み切る大きな必要性を見いだすことはないと思う。その先は、10-12月(第4四半期)を通じて景気減速の兆しが見られ、労働市場が軟化し、追加利上げの圧力は弱まるだろう」と話した。
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米国債
米国債は下落。30年債入札で需要が低調となり、同年債利回りは一時19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。
金利スワップの動向によると、0.25ポイントの追加利上げ確率は約40%と、前日時点の30%近くから上昇。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.85% | 15.8 | 3.36% |
| 米10年債利回り | 4.69% | 13.5 | 2.95% |
| 米2年債利回り | 5.07% | 8.9 | 1.78% |
| 米東部時間 | 16時38分 |
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者(CIO)、クリス・ザッカレリ氏は「債券市場が発信しているのは、市場はインフレについてまだ懸念しており、米金融当局は金利を『より高くより長く』維持するとの公約を守るだろうとのメッセージだ。当局が11月1日に利上げを実施するかどうかについては、五分五分だと考える」と述べた。

米2年債利回り
出所:ブルームバーグ
外為
米国債利回りの上昇を背景に、ドル指数は約1カ月ぶりの大幅高。ドルは対主要通貨で全面高となった。対円では1ドル=149円台後半に値上がりし、一時149円83銭を付けた。
日本の財務省幹部は、主要7カ国(G7)が過度な為替の変動は問題だと再確認したことを明らかにした。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1273.24 | 8.47 | 0.67% |
| ドル/円 | ¥149.80 | ¥0.63 | 0.42% |
| ユーロ/ドル | $1.0531 | -$0.0089 | -0.84% |
| 米東部時間 | 16時39分 |

ブルームバーグ・ドル・スポット指数
出所:ブルームバーグ
原油
ニューヨーク原油相場は続落し、1バレル当たり83ドルを割り込んで引けた。イスラエルとガザ地区での地政学的リスク上昇に対し、米原油在庫の増加が緩衝材として作用した。
先週の米原油在庫は1020万バレル増加し、2月より後では最大の積み上がり。一方でガソリン需要は引き続き2008年の低水準付近にあり、先物価格は2022年12月後の安値で引けた。この日の原油価格は下げたものの、イスラエルがガザ地区に地上軍を投入するとの見方から、トレーダーの関心は依然中東情勢に向けられている。
ドル上昇と国際エネルギー機関(IEA)のリポートも原油相場を圧迫。IEAは一部地域で需要破壊の兆候が見られると指摘した。

WTI先物
出所:NYMEX
トレーダーらはイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争が供給に及ぼすリスクを見極めようとしている。米国はロシア産原油に対する制限措置の執行を強化した。上限を超えた価格で原油を海上輸送しているとして、米財務省は2企業への制裁を発表し、船舶の航行を阻止した。
週末のハマスによる攻撃の衝撃で、今週の原油相場は振れの激しい展開となり、市場は反響が広がる可能性を織り込む過程にある。紛争が中東全域に波及し、原油供給に影響が及ぶ可能性が心配されている。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相はロシア国営テレビとのインタビューで、産油国は引き続き市場を支えるため先制的に動く意向だと述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は、前日比58セント(0.7%)安の1バレル=82.91ドルで終了。北海ブレント12月限は18セント上昇し86ドルで引けた。
金
ニューヨーク金相場は反落。物価統計を受けて年内に政策金利がもう一度引き上げられるとの見方が強まり、金はそれまでの上昇を消してマイナス圏に沈んだ。
TDセキュリティーズの商品ストラテジスト、ライアン・ライアン・マッケイ氏は物価統計によって「市場が織り込む追加利上げの確率は高まったが、完全な織り込みからは程遠い」と指摘。「市場で見られた安全への逃避という要素も、若干弱まったように思われる。こうした要因は移ろいやすく、すぐに終了することで知られる」と述べた。

金スポット価格(右軸)、米10年債利回り(左軸)
出所:ブルームバーグ
米政策当局者からは追加引き締めに対する慎重な見方が相次いでいる。最近ではアトランタ連銀のボスティック総裁や、ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)副議長、ダラス連銀のローガン総裁がハト派的な見解を表明し、スワップ市場が織り込む年内追加利上げの確率は下げた。
こうした動きを背景に、利息を生まない投資先である金の価格は大きく反転。それまでの2週間は下げが続いていた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比0.2%安い1オンス=1883.00ドルで終了。スポット価格はニューヨーク時間午後2時9分現在、0.3%安の1868.44ドル。
原題:Stocks, Bonds Fall as CPI Boosts Fed-Hike Wagers: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Up Most in a Month After CPI, Bond Auction: Inside G-10(抜粋)
Oil Drops as US Stockpile Increase Undercuts Israel War Premium(抜粋)
Gold Erases Gains as Sticky CPI Boosts Fed Rate Hike Bets(抜粋)
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