【米国市況】株続伸、利上げ観測後退で国債利回り低下-148円台後半
Rita Nazareth-
円は対ドル一時149円10銭、NY原油先物は下落
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政策はインフレを2%に戻す上で十分景気抑制的-ボスティック総裁
10日の米株式相場は3営業日続伸。米国債利回りは低下した。米金融当局者の発言を受けて、連邦公開市場委員会(FOMC)は再度の利上げ休止に向かっているとの観測が強まった。ニューヨーク原油先物は下落。前日には4月以来の大幅高となっていた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4358.24 | 22.58 | 0.52% |
| ダウ工業株30種平均 | 33739.30 | 134.65 | 0.40% |
| ナスダック総合指数 | 13562.84 | 78.60 | 0.58% |
S&P500種株価指数の上昇については、売られ過ぎの水準からの持ち直しだとも一部アナリストは指摘した。プライム会員向けの秋季セールを開始したアマゾン・ドット・コムは高い。強気な業績見通しを示したペプシコも値上がりした。米市場に上場する中国株の指数は3.1%高。中国は新たな景気刺激策の準備を進めていると、ブルームバーグ・ニュースは報じた。
アトランタ連銀のボスティック総裁は、当局が政策金利をこれ以上引き上げる必要はなく、金融政策はインフレ率を2%の当局目標に戻す上で十分に景気抑制的だとの見解をあらためて示した。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、米金融当局はインフレ率を目標の2%に戻すことを決意していると講演で述べた。金利の短期的見通しについては触れなかった。
アトランタ連銀総裁、これ以上の米利上げ不要-十分に景気抑制的
ウォラーFRB理事、当局はインフレ率を目標の2%に戻すこと決意
BMOキャピタル・マーケッツのベン・ジェフリー氏は「米国債利回りが最近急上昇し、金融状況がかなり引き締まったことを踏まえ、政策当局者らはさらなる政策行動の必要性が低下したことを認め始めている」と指摘。「こうした認識が示されたことで、追加利上げの必要性を巡る不安が後退している可能性がある」と述べた。

米国債
米国債は上昇。10年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)超低下して4.62%を付けた。金利スワップ市場が現在織り込む12月のFOMC会合での金利据え置き確率は約60%となっている。わずか1週間前には、同月までの追加利上げの確率が60%だった。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.84% | -13.2 | -2.66% |
| 米10年債利回り | 4.66% | -14.2 | -2.95% |
| 米2年債利回り | 4.97% | -11.2 | -2.20% |
| 米東部時間 | 16時51分 |
ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト兼ポートフォリオストラテジスト、ローレン・グッドウィン氏は「今週発表される9月米消費者物価指数(CPI)へのリスクは上向きだ。自動車価格など個別項目の動きが反映される。投資家はエネルギー価格の上昇を強く懸念している」と指摘。
同氏は追加利上げの可能性はまだあるとしつつ、実体経済や政府資金、地政学的動向におけるリスクの高まりを反映し、金融市場の状況は引き締まりつつあると説明。「これは米金融当局が金利を据え置くのに十分かもしれない」と述べた。
外為
ドル指数は5営業日続落し、7月以来最長の連続安。米金融当局者らが引き締めサイクルの休止を示唆しているとの観測を背景に、米国債利回りが低下したことが背景。
ドルは対円では小幅上昇し、一時0.4%高の1ドル=149円10銭を付けた。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1265.41 | -3.44 | -0.27% |
| ドル/円 | ¥148.73 | ¥0.22 | 0.15% |
| ユーロ/ドル | $1.0605 | $0.0038 | 0.36% |
| 米東部時間 | 16時51分 |
この日はノルウェー・クローネが軟調。同国のインフレ統計では物価圧力の緩和が示された。
イスラエル・シェケルは対ドルでほぼ変わらず。一時は約1%値上がりする場面もあった。イスラエル中銀はイスラム組織ハマスとの戦闘による市場への影響を抑制しようと努めている。
原油
ニューヨーク原油先物相場は反落。ハマスによるイスラエル奇襲の影響を消化する格好となり、売りが優勢になった。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのシニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は「イスラエルとハマスの戦闘がエスカレートすれば、産油国に影響が及ぶのは時間の問題だ。イスラエルの動きとイランへの意図に注目が集まるだろう」と述べた。

イスラエルとガザ地区が世界の石油市場に与える影響力は小さいが、中東は世界供給の約3分の1を占めており、市場は潜在的な脅威を懸念している。イラン産原油の輸出に対する米国の制裁強化のほか、主要石油航路の封鎖や船舶への攻撃が主なリスクだ。この紛争は、米国、サウジアラビア、イスラエルの安全保障協定の可能性をめぐる状況を一変させる可能性もある。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は前日比41セント(0.5%)安の1バレル=85.97ドル。北海ブレント12月限は50セント下落し、87.65ドルで引けた。
金
ニューヨーク金スポット相場は小反落。前日はハマスのイスラエル攻撃を背景に逃避需要から上昇したが、この日は利益確定の売りが優勢になった。

スポット価格はニューヨーク時間午後1時47分現在、前日比0.1%安の1オンス=1858.75ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は11ドル(0.6%)上昇し、1875.30ドルで引けた。
原題:Stocks Rise as Wall Street Dials Back Fed Wagers: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Gauge Falls, 0n Track for Fifth Down Day: Inside G-10(抜粋)
Oil Steadies Near $86 After Initial Jolt From Israel-Hamas War(抜粋)
Spot Gold Edges Lower as Markets Mull Rate Pause, Middle East(抜粋)
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