【米国市況】ハイテク中心に株下落、テスラ約10%下げ-134円台前半
John Viljoen、Robert Brand-
経済指標は労働市場と住宅市場の軟化、製造業の景況感悪化を示唆
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09:30 PM USフィラデルフィア連銀製造業指数 APR -31.3 -23.2 -19.2 -18(予想より大きく悪化)
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09:30 PM US新規失業保険申請件数 APR/15 245K 240K ® 240K 244.0K(予想より増加)
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11:00 PM US中古住宅販売戸数 MAR 4.44M 4.55M ® 4.5M 4.39M(予想より減少)
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クリーブランド連銀総裁、あと1回の利上げ支持を示唆
20日の米株式相場は下落。経済指標で労働市場と住宅市場の軟化、製造業の景況感悪化が示唆されたことが背景。企業決算と金融当局者発言も引き続き意識された。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4129.79 | -24.73 | -0.60% |
| ダウ工業株30種平均 | 33786.62 | -110.39 | -0.33% |
| ナスダック総合指数 | 12059.56 | -97.67 | -0.80% |
テクノロジー銘柄中心のナスダック100指数は主要指数をアンダーパフォームした。電気自動車(EV)メーカーのテスラは約10%安。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は19日、業界トップの利益率を犠牲にしてもEV需要を喚起するために値下げを続ける方針を示唆した。またオプションの満期日を21日に控えてS&P500種株価指数は続落。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は7営業日ぶりに上昇した。
テスラは値下げ継続とマスク氏示唆-利益率低下でもEV首位維持へ
クリーブランド連銀のメスター総裁はこの日の講演で、インフレ抑制のためあと1回の利上げを支持する考えを示唆した。一方で、最近の銀行セクターのストレスが与信を妨げ、景気を鈍らせる可能性に触れ、銀行を巡る状況を注視する必要性を指摘した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は前日遅くの講演で、銀行セクターは安定してきたとする一方、同セクターでの最近のストレスを受けて、家計や企業の与信確保は一段と難しくなる可能性があると指摘した。
メスター総裁、あと1回の利上げ支持を示唆-慎重さ必要との認識も
NY連銀総裁、米銀行部門のストレスで信用引き締まりも (2)
朝方発表された失業保険統計では、失業保険の継続受給者数(8日終了週)が2021年11月以来の高水準となり、労働市場が勢いを失い始めている兆候が強まった。3月の中古住宅販売件数は予想以上に減少。住宅市場は一部に安定化の兆しもあるが、依然として回復の足取りが不安定なことが浮き彫りになった。米住宅ローン金利は3月初旬以来の上昇となった。
米失業保険継続受給者、21年11月以来の多さ-労働市場の軟化示唆 (2)
米中古住宅販売、3月は予想以上の落ち込み-回復の足取り不安定 (1)
フィラデルフィア連銀製造業指数、4月はマイナス31.3に低下
ウルフ・リサーチのクリス・セニック氏は「連邦公開市場委員会(FOMC)が現在の方針を維持すれば、金融環境全般は引き締まりが続き、経済は減速してリセッション(景気後退)入りし、株式相場は急落するだろう」とリポートで分析。「一方で、われわれの弱気見通しに対する最大の上振れリスクは引き続き、FOMCがあまりに尚早に手を引くことだ。ただFOMCがインフレを持続的に鈍化させられない場合は、向こう1、2年に待ち受ける最終的な痛みはずっとひどいものになる可能性が高い」と指摘した。
米国債
米国債は上昇。失業保険統計とフィラデルフィア連銀製造業景況指数に反応した。金融政策に敏感な2年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.14%を付けた。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 3.74% | -4.7 | -1.25% |
| 米10年債利回り | 3.53% | -5.7 | -1.59% |
| 米2年債利回り | 4.15% | -9.7 | -2.29% |
| 米東部時間 | 16時56分 |
外為
外国為替市場ではドルが下落。軟調な米経済指標を受けて、トレーダーの利上げ予想が後退した。
対円では一時1ドル=134円01銭までドル安・円高が進んだ。米国債利回りの低下が手掛かり。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1225.27 | -1.55 | -0.13% |
| ドル/円 | ¥134.24 | -¥0.48 | -0.36% |
| ユーロ/ドル | $1.0970 | $0.15 | 0.14% |
| 米東部時間 | 16時56分 |

原油
ニューヨーク原油先物相場は続落。世界的な景気減速の兆候にテクニカル調整が重なり、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」によるサプライズ減産を受けて上昇した分のほぼ全てを失った。
世界のガソリン市場は本来であれば急拡大もしくはピークに達するべき時期に減速しており、産業活動の重要な指標とされるディーゼル油需要は米国とアジアで軟化している。最新の米経済指標で過去数週間の景気足踏みが示されたことも、リスク資産とエネルギー需要の見通しに暗い影を落としている。
またトレーダーらは、ギャップフィルと呼ばれるテクニカル調整が原油相場の下落に拍車を掛けているとみている。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は「先物に見られるようなテクニカルチャートの大きなギャップは、多くのトレーダーを非常に神経質にさせる」と指摘。「そうしたギャップが発生すると大抵の場合、相場は下方向に移ることになる」と語った。

ただ原油先物相場は今週に入って下落しているものの、銀行セクターの混乱を受けて3月中旬に付けた15カ月ぶり安値水準はまだ大幅に上回っている。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前日比1.87ドル安の1バレル=77.29ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は2.02ドル下げて81.10ドル。
金
ニューヨーク金先物相場は上昇。この日発表の米経済指標が景気失速の初期兆候を示唆する内容となったのを受け、市場では今後の追加利上げの可否が意識された。ドル下落と国債利回り低下は金の相対的な投資妙味を高める。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は11.80ドル(0.6%)高い1オンス=2019.10ドルで引けた。