三月三日、桃の節句。
春の光がやわらぎ、草木がほころびはじめる頃です。
雛祭りは、古くは「上巳(じょうし)の節句」と呼ばれ、
水辺で身を清め、厄を祓う行事として伝わってきました。
やがて紙の人形に穢れを移し、川へ流す風習へと変わり、
現在の雛飾りへと受け継がれています。
桃の花が咲くこの季節、
女の子の健やかな成長と幸せを願う心が、
静かに暮らしの中に息づいています。
今日の和菓子は「西王母(せいおうぼ)」。
中国神話に登場する西王母が司る
不老長寿の桃に由来する意匠です。
桃は古来より、魔除けと長寿の象徴。
そのかたちに、祈りを込めました。
生地は、なめらかなういろう製。
すりガラスのような質感。
中には、黄身あん。
本作は、12ヶ月の和菓子づくりコース三月の一菓として、
生徒のみなさまと制作いたしました。
形、色、質感。
すべてに、桃の節句の願いを映しています。
二十四節気をめぐる和菓子の旅。
一年を通して、季節の移ろいを一緒に味わっていただけたら嬉しいです。
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