虎屋文庫の第77回甘い対決「和菓子の東西」展をみてきました。
 
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和菓子を習うまで、和菓子が東西でそんなに違うなんて知らなかったので、とても興味がありました。
 
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虎屋文庫は虎屋の赤坂本店2階にあります。
40点の和菓子の展示があり、かなり見ごたえありました!
写真撮影ができなかったので、自作の和菓子写真でご紹介します。
 
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案内のハガキには、月見団子とさくら餅。

【月見団子】
旧暦8月15日(十五夜)、9月13日(十三夜)のお月見に団子を供えるようになったのは、江戸時代後期のこと。

江戸では、丸型の団子を三宝に盛る(ハガキのイラスト右側)。
十五夜は十五個、十三夜は十三個。

京阪では、十五夜のみお供えしたそうです(ハガキのイラスト左側)。
形は小芋形で、数は十二個。
団子にはきな粉や餡をつけたという史料もあるとか。
近年みられる餡を巻いた団子も小芋形ですが、これは1954年の全国菓子大博覧会で考案されたもので、それから広まったとされています。

さくら餅
さくら餅

【さくら餅】
このふたつのさくら餅はインディアナでお友達と一緒に作ったのですが、上が東の水溶きして焼いた生地に餡を巻いたもの、下が京阪の道明寺生地のさくら餅。

江戸では、隅田川の川岸に植えられた桜の葉を利用して売り出され、江戸で人気を博したさくら餅は京阪にも伝えられ、京では桜の名所として知られる嵐山の嵯峨でさくら餅が名物となったそうです。

【ぜんざい】
ぜんざいはややこしい~
整理すると下記のようになります。

京阪:
ぜんざい → つぶ餡のお汁粉
お汁粉 → こし餡のお汁粉

東京:
ぜんざい → 餅に汁気のない餡をかけたもの 粟ぜんざいなど
お汁粉 → 小倉汁粉(つぶ餡)・ 御膳汁粉(こし餡)

虎屋の呼び方
「小倉餡に白玉を添えたもの」
京都 → 白玉あずき
東京 → 白玉ぜんざい

粟ぜんざい

こちらは東京の粟ぜんざい。


【葛餅】
葛饅頭

京阪:
葛粉と砂糖をあわせて練り上げ、カップに流したり、葛饅頭のように餡を包んだもの。

葛もち

東京:
発酵させた小麦澱粉を用いた生地を蒸し上げ三角形に切ったもの。
黒蜜ときな粉をかけると美味しいですよね★


【端午の節句】

端午の節句

京阪:粽
歴史は古く、平安時代に宮中の端午の節句に厄除けとして使われていたのだそう。
「ちまき」といえば、「中華街などで食べられる味付けもち米ごはん」と思っていたので、それが円錐形で和菓子で端午の節句のお菓子とは、驚きでした。

江戸:柏餅
新芽が出るまで葉が落ちないことから、子孫繁栄と結びつき、江戸を中心に親しまれてきたそうです。


【上生菓子の意匠表現】
意匠

京都:抽象的
まるなどのシンプルな形に、色のぼかしをいれたり、暗示するように表現をする
公家文化の影響の濃い京都は想像の余地を残すという見方からとか

東京:具象的
一目でなにかわかるように形作り、葉など小物を添える
質実剛健を重んじる武家社会の江戸では写実を好まれるからとか


他にも、

【串団子】対決

串だんご

4個が東、5個が西なんですって。


【心太】対決

【かき氷】対決

【煉り切りとこなし】対決

【煎餅】対決

など数々の対決がありました。


最後には、和菓子以外の東西対決も色々。

おでん対決
(東はおでん、西は関東炊き)

卵焼き対決
(東は砂糖入り、西は出汁巻き)

めんつゆ対決
(東は鰹だしで濃口醤油、西は昆布だしで薄口醤油)

てんぷら対決
(東は魚や野菜に小麦粉の衣をつけてあげたもの、西は魚のすり身をあげたもの)

うなぎ対決
(東は背開き蒸し焼き、西は腹開き蒸さないで焼く)

エスカレーター急ぐ人対決
(東は右側通行、西は左側通行)

ポリタンクの色対決
(ちなみに東は赤で西は青なんですって)

などなど。
面白いですねぇ。

同じ日本でも、違いがいっぱい。

興味深かったのは、「京都・江戸の自慢の菓子」でしょうか。

四季折々の風物をかたどった上生菓子の原型は京都で、王朝美への憧れ、琳派などの優れた美術工芸品が生み出され、洗練された京文化の結晶。

一方、新興都市であり、全国から人々が流入しれくる江戸では、外食産業が発達し、その場で食べられる安価なお菓子が多かった。大福や雷おこしなど、庶民的なお菓子が名物としてもてはやされたという。

洗練美を求めた京都のお菓子と庶民的で身近な江戸のお菓子。

確かに東京生まれの私にとって和菓子って「串だんご」「饅頭」「おせんべい」「ようかん」が一番身近なものでした。茶道を始めてから、上生菓子をいただくようになったんですよね。京阪では、上生菓子をいただく機会ってもっとあるものなのでしょうか。

 
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展示を満喫した後は、地下の虎屋菓療で一服。
展示にもあった「ぜんざい」、今月末までの季節メニュー「栗汁粉」を頂きました。

今年収穫した栗をたっぷり使った栗汁粉。
白餡との絶妙なコンビネーション、なんて贅沢なお味。
みっつ入っていた白玉もお米の味がしっかりしていて美味しかったです。
 
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ずいぶん前に栗のお汁粉を作ったことを思い出しました。
レシピはこちらです。

栗のおいしい季節のとっておきスイーツ

栗のお汁粉


第77回虎屋文庫資料展 甘い対決「和菓子の東西」展

開催期間:2014年11月1日~11月30日
時間:10:00~17:30
入場料:無料
会場:虎屋ギャラリー  
東京都港区赤坂4-9-22虎屋ビル2階

虎屋文庫資料展サイト