ユイに
城内へ入るように促した。
家族が家にいるか
ちゃんと確かめてって。
一緒に行こうって
言われたけど、
〈私、ユイの家族知らないもの〉
って笑って誤魔化して。
彼女が城内に
入っていくのを見届けて、
私は城全体に暗示をかけた。
何が起きても
扉が開く事のないように、
邪気を取り払うようにと。
そうして、
コートの方へ走った。
どうしても、
私の魔法の事が
知りたかった。
それに、
昨日か、
そのずっと前かに、
私はあの少年に
会っていた気がした。
あの少年は城内に居た。
なのに、なぜ?
あの気配は何なのか?
あの白い影は何なのか?
答えが欲しかった。
必死に走っていると
ふと、コートに近づく足元に、
違和感を覚えて立ち止った。
地響きがしている。
そうして、
反射的に
走っている道路の端に
身をよけた瞬間、
地面が真っ二つに別れた。
これが、
少年の内なる力だった。
炎の次は、これだ。
炎よりもっと恐ろしい。
破壊だ。
あの少年は
あの小さな体に、
大きな力を持った。
でも、そうなると少年の、
彼の命が危ない。
鎮めなくては。
そう一瞬で悟った私は、
彼の元へと駆けた。
そこには、
唖然とした顔のケイが居た。
その表情で少年が誰か分かった。
少年は、ケイの…
――――――弟だった。