私たちは先に
コートについて、
そこでいつもと
違う事に気が付いた。
さっきからずっと
どこかから
見られてるような、
嫌な感じがする。
私はそれを感じ取って
ユイの手を引っ張った。
ユイも何か
感じとったのか、
いつもなら
振り払う私の手を
ギュッと握り返した。
そこにあの時と、
同じ声がした。
『また、来たのか、
お嬢ちゃん。
魔法をどこで覚えた?
その体に宿る内なる力が、
私には見える。
どうして、
人間どもと仲良くするのだ?
なぜ、私を攻撃するのだ。』
視線の先を感じ取り
私はその先を見据えた。
その体は
少年のように思えた。
そして、
炎の男の時は見えなかった、
白い影が少年には見えた。
あれは…
少年の身体に
棲みついてる、何かだ。
あの少年は、
化け物なんかじゃない。
人間だったんだ、
昨日まで。
私は昨日の記憶を
遡ろうとした。
でも、ユイがぎゅっと
握り返した
手の感覚で我に返った。
ユイは私と
背中合わせになって、
唸り声に耐えているようだった。
〈ユイ、逃げよう!!〉
ユイが居る以上、
ここは危険だと判断して、
さっき来た道を翻した。
時間を止める呪文を呟いて、
少し時間稼ぎをしながら。
そうして必死で
走った先に、
警備隊たちが居た。
ユイをヒデに手渡し、
ケイに伝えた。
〈向こうに少年がいます。
炎の男と同じ
声色が聞こえました。
ユイにも唸り声が
聞こえていたようです。
何をするのかわかりませんが、
とにかくコートの
右隅の角に隠れてます。〉
それだけ伝えた時には
もう、
ケイに引き続いて
警備隊たちは
コートの方へと
向かっていた。
ヒデが、
強い眼差しで
ユイの手を私に託して
リクが、
あの切ない悲しい目で
私を見つめた。
その瞳に、
その眼差しに
ユイへの想いを感じて
私はユイの手を強く握った。
〈大丈夫。
ユイは私が守ります。〉
2人を見送る
ユイの目には
涙が一杯溜まっていて。
そうだよね、
不安だよねって
言うように彼女の手を握った。